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震災対応で楽観発言連発=支持回復狙いも逆効果−菅首相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2011050300415
東日本大震災の対応をめぐり、菅直人首相が楽観的な見通しに基づく発言を連発している。被災者らに希望を与えたいとの思いからだ。対策が順調に進んでいることをアピールし、世論の支持を取り戻したいとの狙いも透けるため、かえって反発を受ける悪循環に陥っている。
「私の内閣の責任で急がせて必ずやらせる」。首相は1日の参院予算委員会で、お盆(8月中旬)までに仮設住宅への全員入居を果たすと宣言した。避難生活が長引く被災者が、仮設住宅への早期入居を強く望んでいることを踏まえた発言だ。
しかし、翌2日の同委で、首相は前言をあっさり翻し、「私が強く指示すれば実現できるとの見通しで言った」と釈明。単なる希望的観測だったことが明らかになった。
首相の「勇み足」はこれにとどまらない。4月21日、福島第1原発の周辺住民が避難生活を送る福島県内の避難所を視察した首相は、東京電力が発表した「工程表」について「何とか前倒しできれば」と踏み込んだ。
工程表は、原子炉が安定化する「冷温停止」状態のめどを「6〜9カ月後」とし、順調にいけば10月中の帰宅が可能となる。しかし、原子炉が安定化するめどは現状では立っておらず、大方の見方は「絵に描いた餅」(民主党中堅)と冷ややかだ。
与野党の「菅降ろし」の動きにかかわらず、首相は政権運営に強い意欲を示す。震災対応に専念することが続投への道と思い定めており、首相周辺も「震災復興に取り組む中、菅降ろしは有権者の理解を得られない。『ポスト菅』がいないことも首相が一番分かっている」と解説する。
ただ、これまでの発言が「口約束」に終わり、津波で家を失ったり、原発事故で避難生活を余儀なくされた被災者を裏切ることになれば、政権に致命傷となりかねない。「今が分岐点。これから何をするかが問われる」。政府高官の一人はこう言って、官邸内を一段と引き締めることが必要だと強調した。
(2011/05/03-18:44)
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