校舎が火事で燃えている時に「廊下を走ってはいけません」と決まり文句を口にする教師と同じほど馬鹿げている。この非常時に「財政健全化」を口にするとは被災により日本経済の牽引力の何割かが喪失した現実を見ずに、更にブレーキを踏め、と命じているのと同じことだ。

この場で直ちに声を上げるべきは「被災関連企業の手形決済を特例措置で半年乃至一年延期すべき」との特別措置を講じることではないだろうか。すでに被災による経済活動阻害により倒産企業が出始めている。それも東北だけではなく、九州でも出ているのが経済活動の広域化による影響が全国で出ることになる、地域限定ではないということに着眼しなければならない。

この期に及んで「財政健全化」を持ち出すとは驚くべき経済音痴だ。日本経済を徹底的にダメにする魂胆でそうした論理を展開しているのなら理解できないでもないが、少なくとも彼らが日本国民や日本国家に資する人たちでないのだけは確かだ。おそらく日本に敵対する勢力に属する人たちなのだろう。

日本の国債格付けが下がりやがて暴落する、とのまやかしが横行しているが、日本の格付けとは誰がどのような基準で誰のために格付けしているのかを考えれば問題にする必要はない。かつてサブプライムローンは紙屑になるまで上位に格付けされていたし、米国の証券会社コ゛ールドマンサックスも破綻する直前まで優良と格付けされていた。

国債発行は、しかし危惧すべき段階にあることも否定できない。だが災害復興に対する国債発行は特別勘定を設けて管理して、削減できる特会余剰金や公務員給与なども削減して特別勘定の穴埋めをすることだ。そしてここ二年以内に数十兆円発行して、償還には二十年程度かければ良い。そうすれば災害復興に関して国民に新たな負担を求める必要はなく、官僚諸君は国民から預かった税の範囲内で国と地方を運営すれば良いだけだ。

出来なければ破綻するのも仕方ないし、それが嫌ならリストラすれば良いだろう。公だけが民間とは別勘定だという誤った常識こそがこの国の病理の根源だ。従って東電も一民間企業として放射能災害の賠償金を支払うべきだ。それで転換社債が暴落する、というのならそれも結果責任として仕方ないだろう。

引き受けてきた金融機関はこれまで散々東電の転換社債で儲けてきたのだろう。時には損もする、というのが株や社債の世界では常識だ。それでなくても円は円高に推移している。とんでもないことだ。これほどの災害に見舞われて、日本は復興しようとするときに円高へ誘導する投機家たちの行動原理はまさしく死肉を漁るハゲタカだ。それなら負けずに円をジャブジャブ増刷して市場へ垂れ流すことだ。その対価として日銀が特別勘定の国債を引き受ければ良い。

日本は貿易立国により成り立っている。災害復興に円高は大きな障害となる。政府は国家として日本経済と国民を守るのか、それとも米国の投資家たちの利益とその手先に堕した財務省の増税要請に耳を傾けるのか、正念場に差し掛かっている。
http://km2295.iza.ne.jp/blog/
　
　

コメント
01. 2011年5月03日 08:41:42: PPAJr6WqwQ >>国債発行は、しかし危惧すべき段階にあることも否定できない。 国債も、民間の社債も、民間の銀行借り入れも、民間の手形発行も、全て信用創造の手段だ。 民間の社債の発行が増えるのが悪いのか、民間の銀行借り入れが増えるのが悪いのか、民間の手形発行が増えるのが悪いのか、そうではないだろう。 額が増えるから悪いのではなく、中身だろう。何に使うかだろう。 企業が本業に投資せずに、投機に使えば悪い。 利益以上に給与ばかり払う運転資金なら悪い。 売り上げが増えることによる売掛金需要なら悪くない。 新たな設備投資なら悪くない。 研究開発費なら悪くない。 国債も同じだ。 額が増えることがすべて悪ではない。 問題は何に使うかだ。 震災の復興に使うのなら悪くない。 原発のための避難など国民の安全確保に使うなら悪くない。 民間の信用収縮を補うための政府機関による融資に使うなら悪くない。 そして、たとえその企業が利益が出なくても、その取引先は潤うのだからすべてがマイナスとばかりではない。日本全体ではプラスと言うこともある。 国債も同じで、国にとっての支出の増加でも国全体としてはプラスであればよい。 国債と言うのは信用創造の一つの手段であり、額が大きいから悪い小さければよいというものではない。 むしろ、小さければ悪い、大きければよいという場合もある。 今はその時だ。
02. 2011年5月03日 08:56:37: tlfFK7hNN6 > そしてここ二年以内に数十兆円発行して、償還には二十年程度かければ良い。 今回の巨大地震は「百年に一度」クラスでしょう。なら100年債、いやもっといえば無期限債でも良いはずです。こんな時に「財政健全化」を持ち出す輩は、「日本は復興すべきでない」と思っているとしか思えません。
03. 2011年5月03日 10:57:39: mEDoM0uCGg >こんな時に「財政健全化」を持ち出す輩は、「日本は復興すべきでない」と思っているとしか思えません。 まったくだ。 それどころか、被災地の人間に「死ね」と言ってるのと同じことだよ。
04. 2011年5月03日 11:17:09: txfDxGOXwI 皆さんの意見の通りだと思います。 震災復興で使うお金は震災地の資産になる。生産基地であり物流インフラであり エネルギー供給インフラであり観光資源であり安全安心な居住地であるわけで 消費して終わりのカネではない。借り入れと資産が高次にバランスさせるよう にする為の知恵こそが大切なのだから、知恵だしと阻害要因の除去の方に 力を入れるべきなのに、そこを回避して財政論をスタートラインにしている。 とにかく重要なのは高付加価値な復興資産を未来に残す事だ。 現在の国家財政で何が問題って、国債発行額に見合う付加価値の高い資産を 残してこなかったこと、つまり知恵が足りなかったために国家の生産性、 経済成長が国債発行額に追いついてこなかった事に有ると思う。 つまりカネの使い方が下手だったということ。まあ知恵の無い国民ばかりなら 過去の資産を食い潰す増税、緊縮財政路線でしかたないとは思うが、そうでは 無いと思う。既得権益者等による知恵だし阻害を打破すれば幾らでも知恵は 有るように思いますがどうでしょうか？
05. 2011年5月03日 11:53:14: 78IL90wTo6 ＞少なくとも彼らが日本国民や日本国家に資する人たちでないのだけは確かだ。おそらく日本に敵対する勢力に属する人たちなのだろう。 　小泉純一郎の父親は朝鮮人の帰化人。 　菅直人の出処は朝鮮（済州島）。 だから、日本潰しに、罪の意識は無い。
06. 2011年5月03日 11:55:16: pRjsNFz8BI 厄人はインフレを恐れている 自分たちが皆の平均より下になっていた 好景気の時代が悪夢なのだ 財政健全化は世界の要望ではない 厄人の国民をは奴隷だと思っている思い上がりなのだ ゴミはそんな厄人にゴマをすりより 自分だけは旨い汁をすおうとする総会屋みたいなものだ アメリカや天皇陛下ですら 自分達の欲望実現のためには口実にする とっても卑怯なやつらだ 景気を浴したいなんて金輪際思っていない そんな奴らにオモネル乞食政治屋を クリーンな奴だ勘違いするな
07. 2011年5月03日 22:10:47: okXOsNlMKY 船と船具を失った漁師がいる。機能を失った漁港がある。工場を失った経営者と従業員がいる。 財政が大事とか予算がないとかで手をこまぬいていれば、意欲も能力もある人が仕事が出来ない。立ち枯れる。 これを損害というのだ。働ける意欲と能力のあるものを仕事が出来るようにすることが経済にメリットがある。いまだまだしょぼい補正予算だけか。 民主党執行部、お前らはアホか。

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