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毎日新聞は「公判は最大のヤマ場を迎える」と書いていた。陸山会事件の第10回公判で、水谷建設の川村前社長が1億円の裏金を提供したとの証言を指してである。それならば、検察側の尋問に対する証言だけでなく、弁護側の反対尋問に対して、証人がどのように答えたのかも報道しないと、「最大のヤマ場」の内容が分らないではないか。それとも、まだこれから弁護側の反対尋問があるのだろうか。
陸山会の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件の裁判は、裁判官と検察官の劣化を示している。と同時に、マスコミの堕落を見せ付けている。もし、前社長の証言が真実であるならば、検察が贈収賄罪で立件すべき事件である。この事件に関し、検察審査会は二度も「起訴相当」とした。だが、検事総長が「立件するに足る証拠が無い」と言ったのだ。それを検察が公判に持ち出す。そこに検察の劣化を見るのだ。
刑訴法339条第1項2には、「起訴状に記載された事実が真実であっても、何ら罪となるべき事実を包合してないときは、公訴を棄却しなければならない」とある。つまり、「陸山会が購入した土地の代金の支払い日を、04年10月の仮登記日にすべきなのに、翌05年1月の本登記日にしたことが、政治資金規正法に違反」と云う訴因が、犯罪かどうかが先だろう。裁判官は何を考えているのだろう。
そしてマスコミだ。検察側の尋問に対する証言だけを報道し、弁護側の反対尋問に対する証言をほとんど報道していない。石川氏のウェブサイト情報を、オリーブの号外で知るまでは、弁護側による反対尋問はこれからあるのだろうと筆者は思っていた。このウェブを読む限り、反対尋問は終わっているようだ。そして、証言には相当おかしなことがあるようだ。数少ないマスコミ情報の中からも、それは窺われる。
毎日のウェブ版には、弁護側の追及に対し、前社長は「記憶は掘り下げて少しずつ戻った」と述べたとある。前社長は当時の自分を「若葉マークの社長」と言った。しかも1億円を即決で決めたとも言っている。それならば、鮮烈な記憶として残っているはずだ。記憶が曖昧などとは考えられない。おかしな話だ。記憶が薄いのが本当ならば、他にも巨額な献金を多数にしていたからだとしか考えられない。
次に04年10月7日に落札したが、10月13日まで海外出張していたので、現金の引渡しは10月15日になったと述べた。しかも、その日は仙台から東京に着き、東京駅からホテルに向かったそうだ。では、5千万円の現金をどこで用意したのだろうか。社長専用車に忽然と現れたなど有り得ない。そう云う現金の動きについて、弁護側は反対尋問をしたのだろうか。証人は合理的な証言をしたのだろうか。
この他にも、人目の多いホテルのロビーで、初対面の石川氏に渡したとかとかは、信じろと言われても、なかなか信じられる話ではない。この証言を裏付ける証拠があれば、当然検察は贈収賄事件で立件しただろう。こう云う点には全く触れないで、1億円だけが独り歩きするマスコミ報道には、呆れるだけである。いずれ、公判傍聴記がネットに出てくれば、マスコミのいい加減さが顕かになるだろう。
これまでマスコミは、K・v・ウォルフレンが「人物破壊」と呼ぶ小沢バッシングを続けて来た。だから、証言の信憑性など無視し、このような証言を大きく取り上げ、さも自らの報道が正しいかのように見せかけるのだろう。一方、人権侵害とも言うべき検察・民野検事の取調べに関する、石川議員の女性秘書の証言は、ほとんどスルーした。こうなると、もうジャーナリズムとは言えない。これを裏付ける証言がある。
それは、先の「検察の在り方検討会議」で毎日新聞OBの嶌委員が、「メディアが一斉にある方向で書くと,それをまたひっくり返すというのはなかなか大変だし,またメディアも自分の間違いを正すのは何となくはばかられる」と述べたことだ。大本営発表に従って書き出すと、嘘でも止まらないと言っているようなものである。
処で、裁判で嘘の証言をすると「偽証罪」に問われる。その危険を冒してまで、前社長が嘘の証言をするはずがないとの見方がある。だが、偽証罪を公訴するのは検察。検察側証人が検察に有利な証言をして、検察が公訴する。有り得ないだろう。一方、1億円をネコババしていたら、業務上横領罪になる。そして肝心なことは、訴因ではないこの証言を、検察は立証できなかったし、する義務もないのだ。だから、こう云う公判指揮をする判事も劣化している、と言うのである。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=108281
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