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小佐古内閣官房参与辞任について、枝野官房長官は情報操作されているのではないだろうか?
佐藤優の眼光紙背:第103回 2011年05月02日10時00分
http://news.livedoor.com/article/detail/5530568/
小佐古敏荘東京大学教授の内閣官房参与辞任は国会でも取り上げられ、大きな政治問題になっている。4月30日の枝野幸男内閣官房長官記者による会見の記録を読んで「オヤ!?」と思うことがあった。枝野長官は、「小佐古先生は原子炉が主に専門とうかがっているが、そういったことについてはできるだけ幅広く、いろんな方のお知恵をお借りすること自体はこの局面においては必要であった」(4月30日asahi.com)と述べている。さらに枝野長官は、小佐古氏が文部科学省により定められた福島県の小学校等の校庭利用に関する線量基準を厳しく批判したことを(4月30日佐藤優の眼光紙背「小佐古内閣官房参与の爆弾発言に注目せよ」参照)「誤解である」と繰り返し批判している。その上で、枝野長官は、
「若干、国民の皆さんに誤解に基づく心配をかけていることは恐縮しているが、あくまでも参与等、何人もの方にお願いをしているが、政府としての、あるいは内閣としてのファーストオピニオンについては原子力安全委員会があるわけで、セカンドオピニオンという立場から、様々な観点、様々な立場からの専門的な意見をしっかりとお聞きをすることには一定の意義がある。そうした中で、今回のこうした文科省が示した指針等については、特に放射線医学の専門家の皆さんについては、原子力安全委員会はもとより、官邸の原子力災害の専門家グループでも放射線医療等の専門家の皆さんの意見はおおむね一致している 」(4月30日asahi.com)
と述べている。
枝野長官の論点を整理すると次のようになる。
1.小佐古氏は原子炉の専門家であるが、放射線医学の専門家ではない。
2.原子力安全委員会はもとより、セカンドオピニオンの専門家も、文部科学省によって定められた基準は妥当と考えている。
3.小佐古氏は誤解に基づいて行動している。
枝野長官の理屈が正しいならば、専門分野でもない放射線医学の分野で自説に固執し、それが受け入れられないので辞表提出、記者会見という極端な態度をとって国民を惑わせた小佐古氏は、「加害者」ということになる。菅直人首相、枝野長官、原子力安全委員会は、小佐古氏の大人げない対応で迷惑をこうむった「被害者」ということになる。ほんとうにそうなのだろうか?
ここで、空本誠喜衆議院議員(民主党)から4月29日夜、筆者に送られてきたメールを紹介する。空本氏は早稲田大学理工学部卒業後、東京大学大学院工学研究科博士課程を修了した工学博士である。1994年には応用物理学会から放射線賞奨励賞を受賞している。原子力分野にもっとも通暁した国会議員だ。
お疲れ様です。
さて、本日、小佐古敏荘 内閣官房参与が辞意を表明されました。会見には、お願いして参与になって頂いた経緯もあり、私が司会を兼務して同席しました。
なお小佐古敏荘氏の経歴等は、以下の通りです。
【空本との関係】
東京大学大学院時代の研究室の恩師 (当時は、助教授)
【役職】
東京大学大学院 教授 (原子力専攻)
内閣官房参与(3月16日〜4月30日まで)
【参与就任の経緯】
3月15日昼頃、空本がチェルノブイリ級の事故となる可能性があると判断し、この事故を収束させるためには、
1、環境影響からチェルノブイリの第一人者である小佐古教授
2、プラント収束から原子力安全工学の第一人者である近藤駿介原子力委員長
の二人が中心とならなければならない、この事故を解決できない、国家存亡の危機を乗り越えられないと思い、すぐに小佐古先生と近藤委員長に連絡しました。当日すぐに、空本は小佐古先生と連携して行動を開始。
丁度、15日夜、空本に総理から直接電話があり、官邸をサポートすることとなり、翌日参与になって頂いた。
【専門】
広島・長崎の原爆被爆者の線量評価の第一人者
チェルノブイリ研究の国際的第一人者
a)放射線安全関連分野
@放射線の安全基準に関する研究
A核燃料サイクル・放射性廃棄物管理に関する研究
B加速器保健物理に関連する研究
C環境放射能研究
D放射性物質・核燃料物質の安全管理技術及び安全取扱技術
b)線量計測分野
@広島・長崎の原爆被爆者の線量評価
A放射線遮蔽・スカイシャインの研究
B内部被曝線量評価(放射線の人体への影響 他)
C放射線検出器に関する研究
c)放射線遮蔽分野
@原子炉遮蔽
A放射線挙動解析
B遮蔽実験
C加速器遮蔽
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/faculty/t_meibo/57288869.html 以上
さらに5月1日夜、空本氏より筆者にメールで小佐古氏の経歴の追加として、<小佐古氏は、今回話題となっているICRP(国際放射線防護委員会)の委員を12年務めています。すなわちICRP2007年勧告などの基準作りの中心的人物。特に、1〜20mSvを決めてきた人物で、10年かけて決めてきた経緯を全て知っている方です。>という連絡があった。
履歴を客観的に見れば、小佐古氏が、線量計測分野、特に放射線の人体に与える影響の研究に関する国際的権威であることがわかる。「小佐古先生は原子炉の専門家で、放射線の人体に与える影響に関する専門家ではない」という誤解を枝野長官はしているのではないだろうかという強い危惧を筆者は持っている。
官僚は自らの過ちを認めたがらない。小佐古氏に関して、「極端な意見に固執する学者がただでさえ複雑な状況を一層複雑にしています」というような情報操作を、官僚が枝野長官に対して行っているのではないだろうか?
日本国民の生命と健康、特に子供たちの未来に直接かかわる事案だ。官僚的面子に拘っていたら国益(国民益+国家益)を毀損する。
枝野官房長官! 軌道修正は今からでも可能だ。まず、同僚である空本衆議院議員から真相について虚心坦懐に聞くべきではないか。本件でハンドリングを誤ると、多くの国民が枝野官房長官に対して持っている信頼感が根底から崩れかねないと危惧する。(2011年5月1日脱稿)
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