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社説:論調観測 統一選民主敗北と「菅降ろし」 続投容認、にじむ苦渋
http://mainichi.jp/select/opinion/ronchou/news/20110501ddm004070045000c.html
毎日新聞 2011年5月1日 東京朝刊
震災後、テレビでさかんに流れたACジャパンのCMのひとつに「魔法の言葉」がある。あいさつをすれば魔法の呪文のように友だちが増えますよ、と子どもたちに勧めるアニメだ。
深刻な災禍をもたらした福島第1原発事故の後、政府や東京電力から「想定外」との釈明が相次いだ。実際は平安時代の「貞観(じょうがん)津波」の再来を警告したり、耐震基準を懸念したりする声は黙殺された。「想定外」を責任問題の思考を止める魔法の言葉にしてはならないとつくづく思う。
24日終了した統一地方選で民主党が惨敗、「菅降ろし」というキーワードが今度は政界に浮上した。展望がみえぬ原発事故、住民避難の混乱などの根源には菅直人首相の指導力不足があるとして、退陣を求める動きが民主党内に広がっている。
首相はなお震災対策を担うべきか。各紙はおおむね、ただちに退陣することには慎重だ。
毎日は26日社説で「内紛を蒸し返す場合か」と民主党内の倒閣運動を批判、首相にも謙虚に野党との協議にのぞみ、態勢を立て直すよう求めた。
朝日も「(敗北の)責任を、菅首相は免れない」としつつ「いまはまだ危機のただ中である。(中略)『菅おろし』の余裕はない」と民主党が結束し危機対応にあたるよう主張した。
読売は「相当な覚悟を持って態勢の立て直しを図らねば、党内外の“菅降ろし”の動きを抑えることは容易ではあるまい」(25日)と官僚の活用などを首相に厳しく注文した。
これに対し産経は「民意はやはり首相交代」として「首相がその座にとどまることが救国態勢づくりを阻害している」(25日)と首相に退陣を促した。
産経を除いて共通するのは首相のリーダーシップに疑問を抱きつつも、政治がこれ以上混乱するダメージを、より懸念する論調だ。苦渋の続投容認とでも言えようか。東京は30日「判断は実に悩ましい。菅氏よりましな首相候補も容易には見当たらない」との指摘にとどめた。
「菅降ろし」の根は深い。個々の対応への批判だけでなく、首相の言動のどこかに政権延命のにおいを与野党議員の多くがかぎ取っているためだ。
だからといって、震災対応の矛盾のすべてを首相の資質に帰するかのような議論はどうか。今なお約13万人が避難し、なすべきことは山ほどある。少なくとも「菅降ろし」を政治の怠慢を覆い隠すための魔法の言葉としてはなるまい。【論説委員・人羅格】
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