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東日本大震災の被災者に対する善意の声が広がり、全国いや全世界から義援金が送られている。日本赤十字社に集まった金額は1240億円を超えて過去最高を記録(4月12日現在)。今後も増え続けるだろう。巨額な寄付をする著名人も数多くいる。歌手の宇多田ヒカルもその一人で、額は8000万円。そして、4月4日のツイッターで「赤十字社に集まった義援金の分配に政府が介入」とつぶやいた。
片山善博総務相が3日のNHKの番組で、東日本大震災で日本赤十字社に届いている義援金の被災地への分配について「政府で何らかの目安をつくり、早めに配れるような基準を示したい」と述べたことに反応したのだ。つぶやきは、「私の寄付金、被災者の皆さんの今後の生活と被災地のためにちゃんと使ってもらえるのかな・・・しっかり頼んます民主党さんっ」となっている。
義援金は、誰に配られるかがわかっている支援金と違い、その配分先などが問題になりがちだ。従来は、被災した都道府県が設置する「義援金配分委員会」に市町村や日赤なども加わり、分配対象や金額を検討し、被災者に行き渡るようにしてきた。今回も、被害の大きかった岩手、宮城、福島の3県が中心になって調整しているということだったが、異例の中央政府の介入があった。そこで、宇多田が反応したのだ。
枝野幸男官房長官が厚労省に義援金配分委員会の設置を表明したのが7日。翌8日には配分基準を発表した。菅政権らしからぬスピーディさを見ると、配分基準を事前に決めたうえで委員会を立ち上げた可能性が高い。義援金配分という「ヒーロー」役を果たすことで、得点を上げたいという邪心があったかもしれない。
もっとも、動機はどうであれ、配分基準に問題がなければ目くじらを立てる必要はない。だがこの基準は義援金を出した人の気持ちになると首を傾げたくなる代物だ。配分基準は、
1.死亡・行方不明者に一人当たり35万円、
2.住宅が全壊(全焼)した世帯に35万円、
3.福島第一原発の半径30km圏内の世帯に35万円、
4.半壊(半焼)の世帯に18万円となっている。問題は3である。
福島の原発事故は、公害と同様に汚染者負担の原則に基づき東電が第一義的に責任を負うべきもの。この汚染者負担の原則はPPP(Polluter Pays Principle)といい、国際的に確立した考え方だ。ところが、義援金の一部を福島第一原発の半径30km圏内の世帯に配分するということは、その分、汚染者である東電の負担が少なくなる。それは、被災者を助けるという義援金目的から外れ、義援金の流用とも言える行為だ。
原発半径30km圏内の世帯には一時金が必要なのは確かである。だが、それは国や県が東電に代わって立て替えるべきであり、義援金を使うのは筋違いなのだ。これは、国が出しゃばったために起こった間違いだ。被災当事者の自治体で協議していれば、原発事故で苦悩する福島県がこんな流用を許すはずはない。国は、事情に疎い第三者でしかないのだから、介入するべきではなかったのである。
日赤などの募金活動を行ってきた団体は募金者にどう説明するのだろうか。募金者も、自分の義援金が東電を手助けすることにも使われているのを知ったら、どう感じるだろうか。公平な扱いという陰に隠れて、汚染者=加害者である東電を助けるとは、やはり菅政権のやることは、かなりずれている。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2466
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