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2011年(平成23年)2月10日(9日発行)
「陸山会」裁判で出てきた 水谷建設社長車の運転日誌が物語る真実
何から何まで怪しい5000万円
「本件は一体、何の事件なのか」──。
東京地裁で始まった「陸山会」事件の初公判で、石川議員らの弁護側は冒顔から検察の立証姿勢を厳しく批判した。
弁護側が怒るのもムリはない。今回の事件は、政治資金規正法違反事件であって、脱税や贈収賄事件ではない。簡単に言えば「陸山会」の不動産取得について、収支報告書の記載時期が2カ月ほど「ズレていた」だけ。今までは修正報告で済んでいた話だ。それなのに、検察は事件と直接関係のない水谷建設からの「裏金1億円」の立証に固執≠キる。これは異例の展開だ。
「今回の裁判で検察、弁護側双方が申請した証人は計14〜15人。うち、事件に関係ある証人は取り調べ検事と銀行員の計6人だけ。残りは全て水谷建設がらみです。起訴事実と直接関係のない別件≠フ証人が大半を占める裁判など前代未聞。弁護側が『このような立証は許されない』と断じたのも当然です」(司法ジャーナリスト)
その裏金疑惑にしてもすでに「論理破綻」しつつある。検察のネタ元となった水谷建設の水谷功元会長(65)は本紙などに「知らない」と話しているし、弁護側は初公判で新しい証拠を突きつけた。
裏金の原資も不可解
「検察は04年10月15日午後に東京・赤坂の全日空ホテルで水谷建設の川村尚社長が石川に5000万円を渡したと主張している。しかし、社用車で川村を運んだ運転手の日誌があるのです。それによると、04年の日誌で行き先名に『全日空ホテル』の記述があったのは6月、9月、10月4日の3回だけ。10月15日は真っ白でした」(前出のジャーナリスト)
「裏金」の原資も不可解だ。検察は水谷建設が「中古重機売買の架空計上で捻出した」と言うが、これにも関係者はクビをヒネっている。
「水谷建設では06年に総額約11億4000万円に上る脱税事件が発覚した。水谷元会長も所得税法違反で逮捕・起訴されました。この事件で主な捜査対象となったのは03〜04年の経理処理。04年といえば、ちょうど裏金授受と同じ時期です。しかし、検察や税務当局が帳簿をスミズミまで調べたのに、水谷元会長をはじめ、当時の会社幹部の調書に『中古重機の架空売買計上による裏金捻出』の話は一切ありません。それが今回、突然、『裏金捻出の手口』として出てきたのです」(司法記者)
検察の描く「ストーリー」に客観性は感じられない。
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