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(日刊ゲンダイ2011/4/26)
復興を名目に消費税増税を許してはならない [斎藤貴男「二極化・格差社会の真相」]
火事場泥棒とはこういう連中のことだ。そう、消費税増税を震災復興税と呼ばせたい政財官学マスコミ権力の構成員どもを指している。
政府・民主党は、すでに消費税率を現行の5%から8%程度に引き上げる方向で検討に入ったという。いずれ時間の問題と予想してはいたものの、こうまで露骨だとは。
気は確かなのか。消費税は悪魔の税制だ。年商1000万円超の事業者に納税義務が課せられている一方で、実際に税金を負担する担税者は特に定められていないのである。
最終的に負担するのは消費者などとの俗説は大嘘。原則あらゆる商品やサービスの全流通段階で課せられて、誰が負担しても構わないということは、すなわち個々の取引における力関係で弱い方が身銭を切るしかない暴力が消費税の本質だ。わかりやすすぎて涙が出る。
考えてもみてほしい。競争の激しい小売業でも、元請けと下請けとで歴然とした上下関係に縛られる製造業でも、昨今のデフレ下で、最低限の利益を得るのも難しい時代に、消費税分を転嫁した価格設定のできる事業者がどれほどいるものか。
消費税とは企業が労働力を正規の雇用で賄わず、派遣会社などに外注してモノ扱いすると節税できてしまうシステムでもある。いわゆるワーキングプアが急増した、これも一因だ。詳しくは拙著「消費税のカラクリ」(講談社現代新書)や「消費増税で日本崩壊」(ベスト新書)を参照されたい。
致命傷に近いダメージに見舞われた状況で、消費税率が引き上げられれば、日本中の独立自営業が廃業に追い込まれよう。中小零細企業の多くもだ。彼らの屍(しかばね)を貪り、宙に浮いた商圏をかき集めた巨大資本に、この国の何もかもが支配されていく。まして東北や北関東においてをや。消費税増税は復興税を騙(かた)りつつ、被災地を破滅に導くことになる。
社会保障の財源だとしてきた消費税増税を軽々に復興財源と言い換えては筋が通らないと反発している与党議員が少なくないらしいのが、救いといえば救いか。所得税や法人税の不公平を是正するだけでも復興の財源は調達できる。それでも足りない事態に陥ったら?
いったん思考を停止するしかない。税制論では避けられない価値観論争を棚上げし、必要な金額から逆算して、すべての税目を同じ割合ずつ、公平に、かつ完璧な時限立法で引き上げる――。
方法はいくらでもあるのだ。消費税増税だけは許してはならない。
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