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溺れる犬は石もて打て
ということか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5885
菅直人首相:所得半減政策と「国民は粟を食え」
震災復興増税という名の火事場泥棒に正義も合理性もない
2011.04.23(Sat) 川嶋 諭
今週のJBpress
東日本大震災で壊滅的な被害をこうむった地域では、残念ながら窃盗の類が頻発しているそうである。金庫をバールでこじ開けて中の現金を盗む、自動車からはガソリンを抜き取るという行為は日常茶飯事らしい。
夜の見回りが強化されて夜間の窃盗は減ったが・・・
そのことを災害派遣された現役自衛官が自らの目で見た事実として、この記事「災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声」で明らかにしていた。
その中で、福島第一原子力発電所に瓦礫撤去のために投入される74式戦車は、ブルドーザーの機能は言われているほど期待できないので、むしろ強力なサーチライトを使って夜間の犯罪防止に役立てるべきだとの提案もあった。
電灯が全くなくなった被災地の夜は、恐らく江戸時代のそれに近いのだろう。暗くて何も見えないから、「盗んでも分からないさ」とばかりに、普通なら犯罪者にならないであろう人たちまで、窃盗に駆り立ててしまうのかもしれない。
さすがに被災から1カ月以上が経過して、夜間の見回りが強化され、闇にまぎれての犯罪は少なくなってきたと聞く。しかし、今度は真昼間に堂々と盗みを働く輩が増えてきたのだそうだ。
以下は、現場自衛官の記事を読んだ読者からの投稿である。
遺体から財布を抜き取る人々
「(前略)避難所そばの川や池に、お金だけ抜かれた泥だらけの財布があちこちに捨ててある。しかも隠れて物資のミネラルウォータで汚れた小銭を洗ってる人がいたり。自分の財布なら捨てるでしょうか? 自分のお金なら物陰で小銭を洗うでしょうか?」
「最近の窃盗犯は昼間、自宅や瓦礫を片付けるふりをして物色。夜は電気がついてきたし警戒が厳しいからです。先日、見かけない数人が居たから声をかけたが、返事は曖昧。少なくともうちの地区の住人ではない」
「何日も固定電話も携帯もダメだし110番もできませんし、悪い人達は、やりたい放題でした。昼間から遺体のポケット漁ってたり・・・。そんな奴らと目を合わせたら何されるか分からないし。見て見ぬふりですよ。地震より津波より怖いのは人間ですね(後略)」
震災当初、英フィナンシャル・タイムズ紙が「日本の奇跡は終わっていない」や「津波とセネカ、そしてサムライの倫理」の記事で日本人をたたえてくれたのが恥ずかしくなるような話である。
最近、海外生活の長い友人が被災地にボランティアに行くというので、「犯罪が多発しているそうですからお気をつけて」と言うと、「それもまた被災地ですから」とのあっけない答え。
火事場泥棒は国際標準?
海外でのボランティアに慣れた人の条件反射のような反応なのだろう。でもそれを聞いて何だか虚しくなった。日本人も同じなのか、と。
日本には「火事場泥棒」を戒める文化が今でも少しは残っていると思っていたからだ。密集地に住み火事の多い日本ならではの道徳観であり、皆で協業しないことには生産が成り立たない農耕民族として島国の中で醸成された習慣と言えるかもしれない。
しかし、そんなものは残っているとしてもただの形骸にすぎなかった。被災地の犯罪多発は日本が失ってしまったものを目の前に見せてくれたのかもしれない。
それにしても火事場泥棒とは、何と卑しい醜いものなのだろう。たとえそれが世界標準だとしても、日本が好んで向かうべき方向ではないと思うのは私だけだろうか。
ところが、目を転じてみると、日本で壮大な火事場泥棒が行われようとしている。震災復興という名の増税である。
ビジョンなき安易な増税
何と安易な、手抜き、卑しい政策なのだろうか。リーダーシップもビジョンもかけら一つない。お金がなくなったから増税するしかありません。ほかの手は打とうにも打つ方法も分かりません。たとえ分かったとしても反対が多いからできません。
こんな政府ならない方がマシではないのか。
税制の議論は平時にきちんとしなければならない。国の大きな方向性を決める大問題だからだ。小泉純一郎元総理と竹中平蔵元経済財政担当大臣のコンビが、改革の痛みとそれに伴う強い批判を避けずに長期ビジョンと工程表を示して取り組んできたのとは正反対に見える。
日本は甘すぎる経営を何十年と続けてきたのだから、改革には大きな痛みを伴う。それは、甘やかされてきた業界や人々には一層辛いことかもしれない。
その改革をやり抜いてもなお税収が不足するのであれば、消費税でも法人税でも所得税でも何でも上げればいい。
構造的デフレ経済に原発デフレが追加された
しかし、改革は何もしないで、一方でばらまきは続けて、ハイ増税ですと言われて納得する国民がいるのだろうか。納得したとしても、経済は明らかに冷える。そのことは過去に証明済みだ。
しかも、今の日本は生産人口が急激に減っている最中で、構造的なデフレ経済下にある。そこでさらにデフレを加速させる増税を行うという。
しかも、福島第一原子力発電所の事故で海外からの観光客が全く来なくなったばかりか、日本に住んでいた外国人までが日本から逃げ出している。これもまた強いデフレ要因である。原発デフレと呼んでもいい。
そんな状況を少しは勘案してか消費税を上げるにしても、期限を設けるという。しかし、何と見え透いたことか。ガソリンの暫定税率を見れば、成り行きは明らかである。一度上げた税金を元に戻すはずがない。
今の日本がやろうとしているのは、平時と緊急時を全く取り違えた政策と言える。財政健全化はきっちりと平時に取り組むべきで、今は赤字国債を発行してでも、日本の1日、いや1秒でも早い経済復興を進めなければならない。むしろ必要なのは民間の活力を上げる減税だ。
トヨタの稼働率は今年50%以下に
日本は世界経済の極めて重要な一員である。日本からの部品が滞っていることで困っている国や企業がいっぱいある。世界への責任という意味でも、早期の復興は不可欠だ。責任感という意味では、2001年9月11日の同時多発テロの際の米国とは好対照である。
4月22日にトヨタ自動車は緊急会見を行った。それによるとトヨタの生産が正常化するのは今年11月から12月になるという。それまでは国内で稼働率が50%、海外では30〜50%にとどまるという。
こうした緊急時に財源議論を持ち出して、政策を遅らせる意味が不明である。不明と言うよりも、この緊急事態のどさくさを利用して消費税を上げてしまえ、一度上げる道筋をつけてしまえばあとは官僚のさじ加減次第だ、という意図が透けて見える。
これを火事場泥棒と言うのではないだろうか。そして火事場泥棒が成功した暁には日本はどうなるのだろうか。財政は均衡に向かうのか。
残念ながらそれは期待できない。改革を回避した増税がもたらすのは、さらなる経済停滞と、それが誘発する増税、そして経済のさらなる停滞・・・。スパイラル式に貧乏になっていく日本の姿でしかない。
菅直人首相の所得半減政策
菅直人首相はこう宣言しているに等しい。「所得半減政策を進めます。日本人は粟を食べなさい」と。卑しい政策が招く当然の帰結である。
非常に面白いことに日本で「経済新聞」と名のつく新聞2紙が対照的な論調を張っている。産経新聞は、現政権に極めて批判的だ。4月22日の朝刊では1面トップで「大震災復興のために いま増税、とんでもない」と強く主張している。
また竹中平蔵・慶応大学教授の意見として「誤った議論の代表は『復興税』だ」という論文も掲載している。
一方で、日本経済新聞は歯切れが極めて悪い。社説では少なくともこの1週間、あえてこの問題を避けているように見える。その中で4月22日の「大機小機」では、「政府は復興税をためらうな」と題して、明確に増税を促している。
大機小機のコラムは匿名だけに、こちらの歯切れは極めていい。書き手には財務省の現役官僚もいると聞いたことがあるが、さもありなんという印象を受けた。いくら匿名記事とはいえ、これが日経新聞の主張と読めた。
自衛官は給与10%カット、ほかの省庁は知らん顔
ところで、今回の震災で航空自衛隊の松島基地は津波の被害に遭った。戦闘機をはじめとして多くの航空機が使えなくなった。その損害を補填するために、自衛官は10%の給与カットを決めたそうである。10万人体制で災害派遣している中で。
一方、総勢で7万人以上もいるとされる増税を主導する財務省のお役人が1円でも給与カットしたという話は全く聞かない。もちろん、原子力安全・保安院を擁する経済産業省もしかり、年金問題で大失態を演じ続けてきた厚生労働省も。
また、国会議員の定数を減らすというマニフェストを掲げた政権政党もあったが、そんなことは一切忘れている。また、外国人から献金を受けるという明らかな法律違反を犯してそれを認めた首相は、その椅子にご執心で自らの責任には頬かむりを決め込んでいる。
もちろん議員の報酬に手をつける気も全くない。増税が卑しい政策だと言うのにはこうした面も少なからずあることをお忘れなく。国民はばかではない。
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