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東京電力福島第1原子力発電所の事故をめぐり、政府と東京電力とでつくる「統合対策本部」が2011年4月25日夕方、東京・内幸町の東京電力本社で記者会見を開いた。これまでは、東京電力、経済産業省原子力安全・保安院、文部科学省などが別々に会見を開いてきたが、対策本部として一本化された会見を開くのは初めて。
会見では、放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI (スピーディ))の計算結果を毎日正午に発表することが発表され、対策本部の事務局長を務める細野豪志首相補佐官は、
「3月に利用できなかったことは申し訳なかった。運用する省庁の調整に手間取った」
と陳謝した。
ベントが行われず朝方命令に切り替える
細野氏は、津波に対する備えについて「全然充分ではなかった」と反省の弁を述べる一方、1号機のベントの遅れが指摘されていることについて、東電の担当者を前に、
「判断するということがやりにくい会社」
などと東電批判の言葉を何度も口にした。
細野氏は、「(3月11日から12日の)初期の対応について、どういう問題点があったと思うか」と問われ、
「津波に対する評価が十分であったかと言われれば、全く十分ではなかったと思う。電源喪失に対する備えも、十分ではなかった」
と、備えが十分ではなかったことを認めた上で、
「ベントをどのようにやっていくのかということについて、率直に言って、様々な政府と東京電力とのやり取りの中で、十分なコミュニケーションが取れなかったということも、現場にいて感じている」
と、ベントを実行するまでのスピード感のなさに対して不満を口にした。
さらに、「ベントの実施が、なぜ遅れたのか」と問い詰められると、
「『ベントすべし』という判断は、実質的には11日の深夜、遅くとも12日の海江田大臣と東京電力の副社長が会見をした時点で、政府としては、『東京電力は腹を決めてベントをやるつもりだ』という共通認識に立っていた。ただ、なかなかベントが行われないということで、朝方、6時50分に命令に切り替えた。従って、11日夜から12日朝にかけて『ベントをすべし』という判断は、政府としては一貫して変わらなかった」
と、東電の判断が遅れたことを強調。判断が遅れた理由については、
「東京電力からの説明が国会などで様々にされているが、技術的な問題とか、(放射)線量が上がったとか、そういう報告がなされている。その東京電力の言い分を、我々は官邸から見ていた」
と、「言い分」という言葉を使って突き放した。
「結果的にあの時間になった」と釈明
細野氏は東電の対応の遅さに相当業を煮やしていた様子で、
「一言だけ申し上げると、ここは東京電力なので、若干申し上げにくいが、東京電力という会社自体は、非常に電力を供給するというルーティーンワークに非常に慣れた会社であって、何か大きな判断をするということが、若干やりにくい社風だったのかなぁ、といったことは感じていた」
と、具体的な東電批判すら口にした。
一連の批判に対して、細野氏の隣に座っていた、松本純一・原子力・立地本部長代理は、
「なにぶん、電源がないという状況。真っ暗な状況で現場の弁を探して、結果的にあの時間になった」
と釈明するのが精一杯だった。
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