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「居座り首相」の果ては…「何でもあり」の政局か
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110423/plc11042314250014-n1.htm
2011.4.23 14:24 :産経新聞
菅政権が早期解決を目指してきた東京電力福島第1原子力発電所事故の処理は、終わりが見えない長期戦となった。
東電によると、1〜3号機の原子炉を安定的な「冷温停止状態」にするまで6〜9カ月程度かかるという。第1原発の1〜4号機は廃炉の方向だが、廃炉にするまでのプロセスは定まっていない。汚染された土壌の改良や、賠償問題など課題はあまりにも多すぎる。
お粗末な危機管理
3月11日の東日本大震災の発生から、菅直人首相(64)は原発対策に専念し、最重要課題としてきた。「原子力に詳しい」と自負し、自ら東電本店に押しかけるなどの「政治主導」もみせてきた。
しかし、初動の遅れが災いし、短期決着は失敗に終わった。東電側の抵抗があったとしても、国には原子力災害に対処する責務がある。原発に専念したことで、他の被災地の支援対策も遅れた。首相の結果責任は問われる。
「トンチンカン」ぶりも出た。
原発事故や大震災の「対策本部」なる組織を、戦略性のないまま乱立させた。その数は20ほどになり、指揮命令系統を複雑化させ、霞が関全体が大混乱に陥った。官僚を信用できないと「内閣官房参与」も乱発させ、官僚と官邸の距離を広げることになった。
菅首相は、東京工業大の後輩である公明党の斉藤鉄夫幹事長代行(59)に細野豪志首相補佐官(39)を「原発災害担当相」にしたいと漏らせば、評論家の松本健一内閣官房参与(65)には、第1原発周辺は「10年、20年は住めない」と述べて話題になったという。
「何でもあり」の政局
復旧・復興対策の担当として迎えた仙谷由人官房副長官(65)とは、いつの間にか復興対策で主導権争いをしている。首相番記者とのぶら下がり取材は、大震災以後、拒否したままだ。記者団が追いかけるようにコメントを求めると、せいぜい一言で終わらせ、逃げるように去っていく。自ら発信ができないとしかいいようがない。
そもそも、違法である外国人からの政治献金が発覚して退陣寸前まで追い込まれていたのが、大震災発生による「政治休戦」のおかげで延命できた。大震災や原発事故の対応次第では名誉挽回もできた。ところが、この1カ月は、政権への不信を高める不手際ばかりだった。
統一地方選の前半戦(知事選など)で民主党は大敗した。18日の参院予算委員会で、野党から首相退陣を求める発言が相次ぎ、たちあがれ日本の片山虎之助参院幹事長(75)は「復興に道筋がついたら、日本の政治のために辞めるのが良い選択だ」と追及した。
「欲張りかもしれないが、復旧・復興に、当初から言っていた財政再建に道筋がつくところまでやれば政治家として本望だ」
堂々たる「居座り宣言」である。
しかし、統一地方選の後半戦は24日で終わる。菅首相が政権浮揚に失敗したことで、いよいよ「何でもあり」の政局モードに突入する。
歴史法廷では…
司馬遼太郎の著作に、幕末の越後長岡藩を率いた河井継之助を主人公とする「峠」と「英雄児」がある。
執政となった河井は藩政改革や洋式兵備に取り組み、7万石余の小藩を中立国家のようにしようとした。しかし、降伏を迫る新政府軍と戦争に突入、河井が指揮した長岡藩は善戦するも、長岡が焦土と化す「何の得るところもない戦さ」に終わった。
「峠」は河井が戦争の途中に死んだところで終わるが、「英雄児」は続きがあり、河井の墓碑に鞭を加えたり打ち砕いたりする者が絶えなかったとしている。そして、こう締めくくる。
「英雄というのは、時と置きどころを天が誤ると、天災のような害をすることがあるらしい」
司馬は河井を、武士道倫理を追求した幕末の英雄の一人として評価した。ただ「英雄児」では、河井は長岡を破滅に導いたとして住民の恨みを買った事実を冷徹に記した。もっとも、河井の知人に「あの男の罪ではない。あの男にしては藩が小さすぎた」と弁明させているが。
英雄でも「害」をすることがある。大震災で延命した菅首相はどうだったか。
また、菅首相が政権のモデルにしようとした中曽根康弘元首相(92)は「政治家は歴史法廷の被告だ」という。菅首相は、歴史法廷でどのような裁きを受けることになるか。(政治部 今堀守通)
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