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3.11以降当然の事ながら、ネットも含め被災現場の情報が溢れている。一昨日の記事で瓦礫の中の死体が気温の上昇と共に腐乱し、感染症が爆発的に拡大するリスクに就いて説明した。
しかしながら、読者の多くはこのリスクを頭では理解しても、実感として体験するには至らない。何故なら、映像でも画像でもそしてこういう記事の体裁の文章では腐乱した死体が醸し出す腐臭、異臭を伝える事が出来ないからだ。
何が言いたい方言うと、我々は溢れかえる情報の中で、知っている積りに成っているが、実は何一つ理解していないのではないかと言う事である。
その一方、瓦礫の撤去と共に喫緊の課題である、仮設住宅の建設は遅々として進んでいない。
岩手県では現在、2万人弱が避難所で暮らしている。1万8千戸の仮設住宅を建設する予定だが、21日現在で完成したのは226戸にとどまっている。
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仮設住宅に転居出来ず、止む無く不便な避難所に留まる事で免疫力を低下させ、腐乱死体や復旧せぬ下水設備を原因とする感染症の犠牲となり多くの命が失われるのではないかと危惧する。
これは、決して天災等ではなく、無能で無責任な官邸を加害者とする人災である。
官邸がA級戦犯である事は明らかであるが、政権与党の民主党議員は当然の事ながらこの惨状を座視して良い訳ではない。
戦略なき竹槍戦法とか、愚かなピエロとか揶揄され様とも現地に赴き、辺りを覆う腐臭を嗅ぎ、感染症のリスクを実感として体験し、避難民の惨状を自分の眼で実際に観、追いつめれた避難民の心の底からの訴えを自らの耳で聞くべきである。そして、自分に何が出来るかを真摯に考え、政治生命を賭して行動すべきである。
偶然ブロゴスに吉良州司議員のブログを発見した。吉良議員に就いては、以前より有能で志の高い民主党議員と認識していたが、矢張り開通したばかりの東北道を使って早い時期に被害の大きい石巻市と女川町に現地視察を敢行している。
看過出来ないのは、4月初めの時点で既に死体の腐乱から生じる衛生問題に言及している点である。
被災地では、かなり色々なガレキが混在して匂いが充満しており、医師の方に拠るとかなり衛生状況が悪化してきていて、いつ病気が蔓延してもおかしくない状況だそうです。まだ幸いにも寒いので(勿論、被災者の方々にとっては寒さが厳しいことは本当にお気の毒ですが)、まだ何とかギリギリの衛生状態を保っている状況とのことです。とにかく、この特に劣悪な環境下の避難所におられる方々の一刻の猶予もない、別の避難所や仮設住宅、また別の地域への移動を最優先課題で行わなければなりません(勿論、多くの方々は慣れ親しんだ地を例え一時的とはいえ離れることにかなりの抵抗があることは承知しておりますが)。
惜しむらくは、其の後の成果報告が何もない事である。くれぐれも尻切れトンボとなる事なく、瓦礫の撤去と仮設住宅の建設を早期に実現すべく、粉骨砕身頑張って欲しい。
同じく民主党議員の中村哲治氏の呟きも一見地味であるが極めて重要な話である。
仲間の工務店の人が気仙沼に応援に行った。全て流されてしまって被災地の大工さんには道具がない。仮設住宅も建てられない。古い道具でもと周りに協力を求め4tトラックに詰めて持っていった。泣いて喜ばれた、ということだ。「実際に現場に入らないと分かりません。」と。
震災直後に大工には道具が必要だからと党幹事長室に申し入れをした。「政府に伝えます」ということだったが、本当に伝えただけだったみたいだ。まだまだ現場には必要なものが届いていない。道具の便乗値上げも起きている。今からでも遅くない。独自で取り組みを始めることにした。
当たり前の話であるが仮設住宅建設の為には、建設資材、大工さんそして大工さんが使用する大工道具が必要であり、どの一つが欠けても家は建たない。結果、避難所での生活を余儀なくされ、ストレスの多さから疲れ果て命を落とす人も出て来る。
民主党議員は今少しこの話を真摯に捕えるべきである。右から左の役所仕事の党幹事長室や真面目に取り組まない政府はある意味殺人者である。しかしながら法により守られており、決して罪を問われる事がないので性質が悪い。歴史が示すものはファシズムの広がりは何時もこういう不条理からである事である。
中村議員はゴールデンウイーク明けに被災地に赴き孤軍奮闘頑張るとの事である。ご苦労は多いと思うが、仮設住宅早期建設に向け活躍を期待する。
3.11は結果多くの日本の不条理を焙りだした。
曰く、お粗末極まりない東京電力。管理監督権限と規制に寄りかかる無能極まりない経済産業省と原子力保安院。仕事らしい仕事をせずに金だけ貰っていた原子力安全委員会。
テレビカメラの前での一発芸、瞬間芸のみで地位を掴んだ菅首相とその取り巻きの唖然とするお粗末さ。本部と会議を乱立させ、効果測定、効果検証をしようとしないのは瞬間芸を得意とする三流芸人の悲しい性であろう。本当に最悪の人間をよくも首相にしてしまったものである。
一方、吉良議員や中村議員の如く現地に赴き頑張ろうとする議員もいる事は今一方の事実である。
3.11は国会議員の能力と志の高さを示すリトマス試験紙なのかも知れない。何れにしても民主党議員は被災現場に行き、現場の声を真摯に聞き、政府として一体何を求められているのか?そして自分に何が出来るのか?を真剣に自問自答し、具体的に行動を起こすべきである。
菅首相やその取り巻き連中の妄言は、もう聞き飽きた。繰り返しで恐縮であるが、志の高い民主党議員には瓦礫の撤去、下水道の復旧そして仮設住宅の建設と言った具体的に成果の見える所で貢献して欲しい。
復興に向けてのビジョンが大事との意見は否定しないが、掛け算の九九も出来ない人間に高度な微分方程式等解ける訳かがない。政府であれ、国会議員であれ、先ずは喫緊の案件で成果を出し、避難民の命を守り、結果国民の信頼を得る事が先決である。
山口 巌
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