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「殺風景な男だった」首相、避難者の心つかめず
2011.4.21 20:54 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110421/dst11042121010037-n1.htm
「何もできない。はっきりしない。何とも殺風景な男だったなあ」
福島県富岡町と川内村の住民が避難する郡山市の「ビッグパレットふくしま」。視察に訪れた菅直人首相は、ここでも住民の心をつかめなかったようだ。
首相は午後1時半すぎに到着。バスから降りて出迎えた避難者に手を振りながら足早に館内へ。
富岡町の50代の女性は、「牛20頭を放して避難してきた。今さら来られてもねえ。本当は言いたいことがいっぱいあったんだけど」と冷ややかに首相一行を見つめた。
「にらみつけてやった。先見性がない首相だから原発を止められないのよ。福島県民をなめるな」
介護施設でリハビリの仕事をしていた川内村の横田律恵さん(50)は、「夫が公務員なので応急仮設住宅の順番はきっと最後だろう」という。「だから郡山にアパートを借りて5月から住む。でも私の仕事は見つからない。首相はみんなのそんな気持ちを分かっているのかしら」と憤りを隠さなかった。
富岡町で一人暮らしをしていた長女のみなみさん(22)は看護師。「郡山でも仕事はみつかりそうですが、一時帰宅は無理でしょうね」という。
父親が心配して警戒区域設定の後で行う一時帰宅に反対しているという。「春、夏物の服を取りに行きたいけど、こっちで買います」。
首相は避難所の1区画で富岡町民と“対話”を行った。首相に詰め寄る人はなかったが、「すみませんって言うだけだったな」「首相に言っても何も変わらない」と感想は冷ややか。
他の区画は無言で握手だけして立ち去るケースが多かったという。80代の女性は「ニヤニヤして握手されたが、『頑張ってね』『体は大丈夫ですか』って言ってくれた方がよっぽどうれしかった」。
首相はこのあと、陸上自衛隊が実施している仮設浴場に立ち寄るなどして、記者団のインタビューに応じたが、地元記者の「県民に言いたいことは」という質問に対し、明確な謝罪の言葉はなかった。
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