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枝野、蓮舫も「増税路線」に距離、復興予算も決まらない「菅降ろし」へ政局は動く
小沢一郎は内閣不信任案を仕掛けるか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2585
2011年04月22日(金) 長谷川 幸洋 :現代ビジネス
永田町がにわかにきな臭くなってきた。4月24日投開票の統一地方選第2弾で民主党の敗北があきらかになれば、政局は大きく動くのではないか。そんな予感がする。
口火を切ったのは民主党の小沢一郎元代表だ。小沢は13日、支持派議員との会合で「菅直人首相自身のリーダーシップが見えないままの無責任な内閣の対応は、今後さらなる災禍を招きかねない」と記された文書を配って菅を痛烈に批判した。
小沢直系の中堅議員らでつくる一新会は19日の会合で「菅内閣では国民を救えない」と倒閣を目指す方針を決めた。桜井充財務副大臣もメルマガで「総理を交代させろと言う声が出るのは当然」と批判した。
■「増税ありきではない」
加えて枝野幸男官房長官にも、ここへきて微妙なスタンスの変化がうかがえる。
枝野は小沢の菅批判について「やむをえない。真摯に受け止めたい」と述べた。さらに復興構想会議の初会合で五百旗頭真議長(防衛大学校校長)が復興財源を増税で賄う方針を表明すると、枝野は「最終的に責任を持って決定するのは内閣であり国会だ」と受け流した。
岡田克也幹事長が「復興財源は税になる」と増税に大きく傾斜しているのと対照的だ。
言うまでもなく復興構想会議は首相の肝いりで設けられた最新の「政府審議会」である。首相の女房役である枝野が斜に構えた姿勢で語ったのは、注目に価する。
もう一人、蓮舫行政刷新相も「増税ありきですべてを決めていくという順番ではない」と批判している。蓮舫は言うまでもなく、もっとも菅に近い閣僚の一人だ。
五百旗頭が初会合で増税に踏み込んだ発言をするのを、菅が事前に知らなかったはずがない。それでも、枝野や蓮舫は後押ししなかった。つまり枝野も蓮舫も菅に距離感を置き始めたのではないか。
閣内には、とっくに「菅ではもうだめだ。愛想が尽きた」と語る閣僚が出ていた。五百旗頭発言が火を点けた増税論議は小沢グループだけでなく、菅に見切りをつける動きが党内に広がるきっかけになりそうだ。
当面の最重要課題は復興対策のとりまとめと原発事故の収束である。ところが、どちらもめどが立たない。
■震災から40日経っても復興予算も決まらない
復興構想会議はスタートしたものの、議論は早くも迷走している。
五百旗頭は初会合で「がれきの山を使って『希望の丘公園』を作ってはどうか」と語り、ひんしゅくを買った。すると会議メンバーである建築家の安藤忠雄は「(行方不明の)子供がいるかも分からないところに町はできない。『鎮魂の森』にしたらいい」と語った。
五百旗頭の公園発言は論外としても、公園だの森だのと机上のアイデアは出ても、少しも議論が具体的にならない。これでは結局、復興具体案が事務方を占める官僚ペースでまとまるのは目に見えている。
そもそも2011年度予算を裏打ちする税制改正法案と特例公債法案がまだ成立していない。復旧・復興策第1弾になる一次補正はこれから国会に提出する。ところが、こちらも財源をめぐって与野党の合意ができていない。
本格的な二次補正に至っては10兆円、いや20兆円と規模をめぐる議論は出ても、増税の是非をめぐって意見が対立し、まったく見通しが立っていない。
ようするに大震災から40日も経ったというのに、復興予算一つ決まらない。すばり言えば、政権機能が事実上、ほとんどストップしているのだ。
こうした中で24日の統一地方選第2弾が迫る。
ここで民主党の敗北がはっきりすれば、小沢グループとしては事実上、菅退陣に動く最後のチャンスになるのではないか。それでも動かないとなれば、逆に「小沢もこれまで。結局は力がない」と党内で見切られてしまう可能性がある。
倒閣運動でモノを言うのは結局のところ、数だ。
衆院480議席のうち議長と欠員2を除くと、過半数は239。このうち与党会派は310なので与党系無所属議員を加えても、80人程度が造反すると、与党は衆院で過半数を握れない。すなわち小沢が造反で内閣不信任案を可決成立させて、菅を政権から引きずり降ろすことが可能になる。
80人という数はハードルが高いようだが、小沢グループに加えて鳩山由紀夫前首相のグループも同調すると、一気に実現味を帯びてくる。鳩山の動き次第では、自民党はじめ野党が「可決の可能性あり」とみて、内閣不信任案提出を本気で考える局面があるだろう。
だが、その先は見通せない。
小沢は仮に菅を自発的辞任に追い込んだとしても、ポスト菅はどうするのだろうか。小沢は子ども手当をはじめとするマニフェスト政策の実現を倒閣運動の大義名分にしてきた。ところが自民党はそれを「バラマキ4K政策」と批判して撤回を求めている。
ねじれ国会に変わりはないので、小沢の容認する人物がポスト菅に就いたところで、復興政策やマニフェスト政策が実現する見通しは立たない。掲げる政策が壁になって、政権運営を展望できないのだ。
まして内閣不信任案を成立させ党を分裂させてしまった後では、バラマキ4K政策に同調して政権を組む相手はいなくなってしまう。
自民党はじめ野党と小沢は菅政権打倒の1点では一致したとしても、その先は政策がまったく異なるので、手を組むわけにはいかないのだ。もっとも菅政権を倒した後で、小沢がドラスティックに政策路線を大修正して、野党と手を組む可能性がゼロとは言えないだろうが。
■増税小連立の可能性
小沢の造反で不信任案を成立させ、民主党が分裂したとする。後に残るのは、元民主党では小沢グループと仙谷由人官房副長官をはじめとする実権派の2大勢力だ。それに自民党と公明党、みんなの党など野党である。
衆院解散・総選挙を望めない以上、次の政権はこれらの政治勢力の組み合わせになる。
もっとも可能性が高いのは、小沢と菅抜きの民主党実権派と谷垣禎一総裁をはじめとする自民党増税派の連立である。
そのとき自民党内に少なくない反谷垣勢力・反増税派は難しい選択を迫られる。谷垣とともに連立参加を選ぶか、あるいは独自路線を追求するか。
反増税派が連立に加わらず、独自路線を鮮明にするなら、出来上がるのは「増税大連立」ではなく「増税小連立」かもしれない。すなわち政界再編そのものだ。
いずれにせよ、24日以降はなんでもありだろう。復興政策は決まらず、原発事故の影響は続く。
まさに目を覆いたくなるような惨状である。
(文中敬称略)
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