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今回の東電原発事故は、東電、政府、経産省管轄の資源エネルギー庁の特別機関である原子力安全・保安院、さらに内閣府にある原子力安全委員会の身内で起こした人災と言っていい。東電をチェックすべき原子力安全・保安院と原子力委員会も、結果論として全く役に立たなかったということである。
原子力安全・保安院の職員は全体で803名(2007年10月現在)もいる巨大組織である。現在はもっと増えているかもしれない。年間予算は巨額で、2008年には376億4000万円も計上している。これだけの職員とカネをかけながら、結果として、事故は防げなかった。つまり、役には立たなかった。いくら、東電の事故報告をして仕事をやっているような顔をしているが、東電と同じ報告なら意味がない。
この組織は以下から成り立っている。途轍もなく大きい組織である。
企画調整課、原子力安全広報課、原子力安全技術基盤課、原子力安全特別調査課、原子力発電安全審査課、原子力発電検査課、核燃料サイクル規制課、核燃料管理規制課、放射性廃棄物規制課、原子力防災課、保安課、電力安全課、ガス安全課、液化石油ガス保安課、鉱山保安課、産業保安監督部
上記の組織図の中には、「原子力安全広報課」がある。広報とあるからには、社民党福島党首が先日国会でただしたように、政府が原子力は安全であると副読本まで作って小学生に教えていたデータを出していた部署なのであろう。また、原子力発電安全審査課は、原子力施設建設のための審査を行って、東電や他の原発の建設許可を付与していたはずである。今回の地震、津波の建築基準も設定していただろうが、これの組織も役に立たなかった。
一方、もう一つの「安全」がキーワードの原子力安全委員会の宣伝パンフレットの最初には以下のように書かれている。
『原子力は、電力の供給や放射線の利用などにより多大な恩恵をもたらす一方、潜在的な危険性があり、安全確保のためのたゆまぬ努力が不可欠です。それでは、実際に我が国の原子力の安全確保の体制はどのようになっているのでしょうか。例えば、発電用原子炉を新増設又は改造する場合、原子炉等規制法に基づき、経済産業省等による厳正な審査が行われています。さらに、経済産業省等が行った審査に関して、原子力安全委員会及び原子力委員会が異なる独自の視点より再審査します(ダブルチェック)。また、設置許可等の後の建設及び運転段階の規制行政庁による安全規制(後続規制)活動が適正かどうかを監視・監査し、不断の改善・向上を促すことを目的とした規制調査を実施しています』と書かれている。
原子力安全委員会は、原子力安全・保安院の活動をダブルチェックしているとしているが、これも全く役に立たなかったということである。何がダブルチェックだ。ダブルチェックしていたなら、今回の事故は起こらなかった。
この委員会には委員が5人常勤しているが、平時には常勤といっても定例会議は週1回だけである。会合も最短で10分弱、長いもので1時間半程度というものであったらいしい。これで約1650万円の年収をもらっている。カネを返せと言いたい。これらの機関は、安全基準を超える津波が過去にあったとしても、無視してきた。
原子力事故だけは、後から想定外だから仕方ないでは済まされない。しかし、先日の国会での東電の清水社長は、国の規則を守っていて、起こったのだから仕方ない、という言い方であった。ここには、世界規模で迷惑を掛けて影響のある動力を使っている意識はない。何か天災で事故が起こっても、基準を守っている限り自分たちには責任はないという感覚を作り上げてしまった。これが小沢氏が言う霞が関の支配の弊害である。規制が無ければ、企業の自己責任となるから、必死で安全対策を考えるだろう。
今回の原発事故で、自民党が民主党を糞みそに批判しているが片腹痛い。別に菅民主党を弁護するつもりは毛頭ないが、少なくとも安全基準を作ってきた責任は自民党、公明党にある。
「原子力は安全だ」という前提から全ての対策が組立てられているから、今回のような放射能が外部に飛び散ったような事故自体も想定されていない。つまり、事故があることは考えてはいけないものなのである。したがって、何か事故があった場合も、放射能対策された消防車、特殊部隊、ヘリコプターや監視ロボットもいらないのである。つまり、想定されていないものには予算は付けられないからだ。
ここに政府が進めてきた原子力行政の根本的な問題がある。政府、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、東電において、どこも責任を取らない構造になっている。上記の機関がぐるっと回って繋がっていて独立していない。独立してないから誰も責任を取らない構造になってしまう。日本の政治は誰かが犠牲がないと変わらないが、少なくとも菅政権が続く限り、会議は踊って社会構造変革の絶対的チャンスも失ってしまうだろう。
http://31634308.at.webry.info/201104/article_20.html
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