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元記事http://www.tsushin-bunka.co.jp/?p=1253
このところ、「大連立」をめぐる報道が盛んだ。民主党に自民・公明両党が相乗りする形の政界再編で、東日本大震災への対応がこれを後押しする。しかし、私見では国民新党の存在を薄め、郵政改革法案を葬る意図を感じる。用心が必要だ。
「大連立」をめぐる動きは3月19日、菅直人首相が谷垣禎一自民党総裁に入閣を打診したのが始まり。副総理兼震災復興担当相への就任を求めたが、「応じられない」と拒否された。
この構想は4月5日までに谷垣氏と公明党の山口那津男代表が公に否定している。亀井静香国民新党代表は6日の会見で、菅首相が「自分の方で大連立を働き掛けていることはないと言っていた」と明かした。では一体、「大連立」を画策する者は誰か。
構想の主は、郵政民営化見直しを頓挫させたい勢力と確信する。郵政改革法案の漂流と軌を一にするからだ。同法案を審議するための衆議院特別委員会は、約束の3月中から4月7日に見送られ、さらに12日へと延期された。民主党から国民新党へ一方的に通告されたという。
一回目の理由は亀井氏によれば、「荷崩れしたまま法案を通したくないから」だそうだ。「荷崩れ」とは政界用語で、法案が衆院で大もめして通過すること。参院でも波乱が予想される。自民党は郵政改革法案を提出するなら、子ども手当法案の参院での審議を欠席すると言い出した。
亀井氏は「公明党までやる(出席する)と言っているのに。そんなことで一週間延ばすのは、誠意がないという以外説明のしようがない」と怒り、統一地方選での候補者推薦の取り消しをちらつかせた。
二回目の理由は、「統一地方選に関する議員活動のため」と国民新党に伝えられた。亀井氏は「そんなことは最初から分かっていたこと」とやりきれない表情を見せた。しかし、前日の安住淳民主党国対委員長の説明は、「自民党側への配慮」としている。
「大連立」の報道は、実態より大きく扱われる。自民党の存在を大きく意識させることで、民主党側に譲歩を引き出す効果がある。マスコミは政治家以上に、外圧に対して従順に映る。
そもそもこの構想は、亀井氏が唱える「挙国一致体制」をわざと曲解した策謀とみる。国民新党は震災直後、菅首相に4項目の緊急提言を申し入れた。その筆頭項目は、「災害対策本部には各党から参画させ、挙国体制をつくること」。これは閣外に全与野党から頭脳を集めるもので、亀井氏は谷垣氏の閣僚としての起用を「似て非なるもの」と断じた。
この形容は、「救国内閣」の提言を受けて与謝野氏を入閣させたときの評価と同じだ。正論を曲解して実行するやり方は、非道なブラックユーモアである。
「大連立」を盛り立てる報道は、民主党の分裂を誘う報道の延長上にある。2月に原口一博前総務相の「分党」提唱が大手全紙とNHK、在京全キー局で報じられた。
3月7日号の本欄で指摘したが、これも現政権の枠組み変更を迫るもので、実現すれば郵政改革法案の審議を阻むことができる。
マスコミが最近、亀井氏を露出させる仕方も、これを促すためと考える。昨年の大臣辞任以降無視され続けた氏の登場は、連立破壊に役立つものばかりだから。先月下旬、「バカ足すバカ足すバカは、やっぱりバカ」との発言が記事にされた。閣僚の3人増設について評するものだ。賢明すぎる読者は快哉を叫んだに違いないが、民主・国民新両党に亀裂を入れるのが狙いの報道ではないのか。
報じた産経新聞は9日、「亀井氏が宮城、福島を視察へ『入閣に意欲?』の声も」と題する記事を載せている。口をとがらせ、髪ぼうぼうの写真を添え、「亀井氏の豹変(ひょうへん)ぶりに『入閣意欲の表れか』(周辺)との見方も出ている」と結ばれている。悪印象を植え付ける意図が表れており、政権離反への期待がうかがえる。
7日には「役人をうまく使えるのは一に亀井さん、二にわたし、三に仙谷(由人官房副長官)さんかな」との首相発言が各紙に載った。亀井氏が会見で明かした話だ。亀井氏が小沢氏の起用を求めた発言も、複数のマスメディアが取り上げた。当人の意図とは裏腹に、いずれも「菅抜き」をあおる効果がある。
胸のすく亀井節の再登場の陰で、郵政改革法案に光を当てる記事はない。火事場にすき入ろうとする勢力がうごめく中、国民には正邪を見極める目が必要だ。
(南下軍の喜)
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