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福島原発事故について 〜 戦争と原発事故の違い(誰も通らない裏道)
http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/823.html
投稿者 判官びいき 日時 2011 年 4 月 19 日 13:52:25: wiJQFJOyM8OJo
 

相当以前に一度書いたのだが、私の父親はいわゆる戦後民主主義を標榜してきたが、1945年8月15日の呼称については「終戦記念日」でいいと言っている。というのも、あの頃は勝とうが負けようが何でもいいからとにかく「終わって」欲しかった。それが「終わった」のだから「終戦」はあの時の気分に合っている。

まぎれもない敗戦だから、もちろん「敗戦記念日」が正しいが、それを強調すると「もう一度、戦争をやって今度は勝ちたい」などというおかしな連中が出てくる。だから「終戦記念日」でいいンだというのである。たしかに、この8月15日前後のことを書いた本などを読んでみると、「終戦」で世の中の空気がガラリと変わったことが伝わってくる。

もちろん、広島や長崎では原爆による悲惨な状況が続いていたし、東京にしても焼け野原だった。しかし、「やっと終わった」という解放感はあったわけで、その後、日本は焼け跡闇市を経て高度経済成長へと奇跡的な復興を果たした。私は戦争というのはいかなる形であれ絶対に反対だが、しかして核兵器を使わない限り、人間がやめさえすれば戦争は終わるのもまた事実だ。

3月11日の大震災とそれに伴う原発事故を日本の第二の敗戦だという意見がある。しかし、戦争と原発事故は本質的に異なる。なぜなら、原発事故というのは、一度起きてしまうと、世界中の人間が止まって欲しいと願っても止まらないからだ。核というのはいったん制御不能になった瞬間から、人智の及ぶところではなくなる。

つまり3・11というのは「始まりの日」なのである。では、この問題にはいつ「終わりの日」が来るのか?おそらく、私が生きているうちには終わらないだろう。私の子どもが生きているうちにも終わるかどうかわからない。しかも、これから生まれてくる子どもたちが生きている間にすら終わるかどうかわからない―。

3・11以降、私は「原発事故というのは本当に始末の悪いものだな」と思っているのだが、その最大の特徴はスローパニックであることだ。たしかに今、福島第一原発の周辺は大変なことになっているわけだが、しかし首都圏にいる人たちは平然としている。私にしても、最初こそうろたえたが、そのうちなんとなくこの状況に慣れ始めてしまった。

ネットで情報を集めて東京電力の会見を見ていれば、事故の状況がまったく改善されていないどころか悪化していることはわかる。だが、外を歩くと街は普通であり、いつも通りに多くの人が歩いている。先日、東日本大震災チャリティ落語会へ行くために久しぶりに息子と一緒に渋谷へ行ったが、その人の多さにはビックリしてしまった(田舎者の息子はグッタリしていた)。

「放射能で人は死んでいない」「煙草の方がずっと有害」という与太話も相変わらずはびこっており、「放射能は安全」などとわめきたてるわけのわからない“芸風”の東大卒と称する医者まで出てくる始末である(逆に「ただちに影響が出ることはない」と繰り返していた政府首脳は、いざ自分が現地へ視察へ行く段になると、防護服で身を固め、まわりの人がマスクしかしていない場所でもフルフェースだったのには失笑するしかないが)。

こうしたなかで、原発を推進してきた電力会社や原子力推進団体、官僚、メーカーなどの人びとは、もはや後世のことなどまったく頭になく、ただひたすら自分が逃げ切れればいいと考えているものと思われる。

そして――。彼らは原発事故が起きてから大きな被害が顕在化するまでの間に一定の時間がかかることを最初から熟知しており、シビア・アクシデントが起きても時間稼ぎをすれば自分たちは逃げ切れると踏んでいたのではないだろうか。ただし、その目論見が成功するためには、マスメディアを徹底的に抱き込んでおく必要がある。

だから彼らは原発の安全度を高めることよりも、マスメディアに広告費をぶち込むことだけを考えていたのだろう。そして現在までのところ、この目論見は完全に成功している。小沢一郎は先日のネット会見で、「国民や若い人はもっと行動するべきだ」と言っていた。この先、国民の政治意識がどのように変化するかはわからないが、もしこのままの状況が続けば、放射能による影響はさらにどんどん拡大する一方で、多くの人がこのままの日常を続けていくのだろう。

そうして5年後、10年後に取り返しのつかない被害が顕在化した時、この事故について責任を負うべき人物はほとんどこの世になく、残された政府や東京電力(この会社がそのまま残っているとは考えにくいが、事業を引き継いだ会社)は、原発事故と被害(たとえばガン)との因果関係を認めようとしないだろう。そして、裁判などをやっているうちにズルズルと年月が過ぎて行き、被害を訴えた人もまたこの世を去っていく、、、そのようなことになっていくのではないだろうか。
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/
 

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コメント
 
01. taked4700 2011年4月19日 15:47:46: 9XFNe/BiX575U : Dqc5CGFSuB
>そして――。彼らは原発事故が起きてから大きな被害が顕在化するまでの間に一定の時間がかかることを最初から熟知しており、シビア・アクシデントが起きても時間稼ぎをすれば自分たちは逃げ切れると踏んでいたのではないだろうか。ただし、その目論見が成功するためには、マスメディアを徹底的に抱き込んでおく必要がある。

 不思議なのはマスメディアの、または、普通の公務員の方たちがあまり危機感を抱いているように見えないことです。このまま社会が傷んでいけば、彼らこそその影響を一番受けるのに、そのことが実感されていない。今まで優遇されてきたからそれが続くと思い込んでいるのですね。次はいよいよ自分たちの番だと言うことが分かっていない。彼らが多少でも危機感を抱いて、少なくとも浜岡だけでも止めればかなり危険性が低くなるのですが。


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