http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/808.html
Tweet |
国家最高指導者である首相は、「将帥」であるから、「事務の圏外に立ち、超然として、つねに大勢の推移を達観し、心を索按と大局の指導に集中し、適時適切なる決心をなさざるべからず」(統帥綱領)の鉄則を守り、情報収集に努め、指揮命令系統を単純明瞭にして、全省庁の官僚を臨機応変、縦横無尽に使いこなさなくてはならない。
私は、このブログでさんざん力説してきた。菅直人首相が、今回の国難に直面して、およそ国家最高指導者にあるまじき、醜態を演じていたからである。とにかく、首相執務室を抜け出して、やたらとウロチョロしすぎる。政府から発信される情報は、バラバラである。福島第1原発に関しては、枝野幸男官房長官、経済産業省原子力安全・保安院、東京電力本社、福島第1原子力発電所などが、それぞれ勝手に発表している。
しかも、時々、チグハグになる。本当は、首相官邸に一本化しなくてはならないのに、統制が取れていない。枝野幸男官房長官は、省庁間、政党間などの調整役の仕事を放り出して、スポークスマン生活のどっぷり浸かっている。おまけに、菅直人首相が官僚嫌いなので、各省庁の官僚たちは、あっち向いてホイ。高見の見物を決め込んでいる。
こうしたことが、洗いざらい暴露される場面が、ようやく訪れた。参議院予算委員会は4月18日、東日本大震災・大津波・福島第1原発大事故について集中審議した。このなかで、菅直人首相の大震災対応の指導力欠如やデタラメさが、次々に摘出された。
@自民党の脇雅史参院国対委員長はじめ野党議員は、国家最高指導者である首相が、時々刻々、事態が推移している最中の震災翌日に、菅直人首相が福島第一原子力発電所を視察したことについて「最悪のタイミングだった」と厳しく批判した。このことについて、日本テレビが4月18日午後4時18分、「自民党、菅首相の福島原発視察を厳しく批判」とのタイトルで以下のように報道した。
「国会では18日、参議院予算委員会で東日本大震災をめぐる集中審議が行われている。自民党は、震災翌日に菅直人首相が福島第一原子力発電所を視察したことについて『最悪のタイミングだった』と厳しく批判した。自民党・脇雅史参院国対委員長『そういう大変な事態に、本部長が何で抜けることができるのか。どんな責任感を持っているのか』菅首相『私はそのところ(福島第一原発)で、〈東京電力〉の現場の責任者と現地の所長とも話をして、その後の対策にとっては大変有効であったと』脇参院国対委員長『このことすら反省できないような、そういう首相をもったことを、この危機に対して悲しく思います。情けない話です』この上で、脇参院国対委員長は『菅首相は日本の首相としてふさわしくない。一刻も早く辞めていただきたい』と辞任を求めた。菅首相は『政府全体の対応については、国民に一定の評価はいただいていると理解している』と強調した。また、委員会に出席している東京電力・清水正孝社長は、震災発生後の初動の遅れを指摘されると『緊張を伴う事象の連続で、高い緊張感を持って対処した」と釈明した』
最大の不幸は、菅直人首相自身が、国家最高指導者として、本当は、どうすべきかの自覚がないことだ。正式に指揮官教育を受けてこなかったのが、災いし、多くの被災者にさらに災いを及ぼして、不幸のドン底に陥れている。
Aまた、自民党の脇雅史参院国対委員長は、菅直人首相が、首相官邸を離れて、法的根拠もなく、閣議決定も得ずに、法的根拠もなく、閣議決定も得ずに、東京電力本社に乗り込み、政府と民間企業である東京電力との「合同対策本部」を設置したことを追及した。
併せて、歴代政府が作成していた「原発事故対応マニュアル」があるにもかかわらず、菅直人首相自ら、これを無視して、独断専行して、いろいろな対策本部を設置していることについても厳しく批判した。これらの質問の結果、菅直人首相が、まるでコントロールの利かない原発さながらに、ムチャクチャな指示を繰り返し続けていることが、明るみに曝されてきたのである。
Bさらに、この集中審議では、東京電力が公表した「福島第1原発事故収束の工程表」が、相当杜撰に作成されているという疑惑が濃厚になってきた。それは、米国のヒラリー・クリントン国務長官の来日が迫るなか、菅直人首相が、東京電力を盛んにせっつき、無理矢理作成させたことが原因である。
四国新聞SIKOKUNEWSは4月18日午後1時18分、「福島原発収束の工程表実現に全力/参院予算委で首相」とのタイトルで、次のように報じた。
「菅直人首相は18日午前の参院予算委員会で、東京電力が公表した福島第1原発事故収束の工程表に関し『できるだけ早く実現できるよう政府としても全力を挙げて協力する』と述べ、全面的に支援する考えを表明した。枝野幸男官房長官は質疑に先立つ政府報告で『重要な一歩だ。これを契機にこれまでの応急措置の段階から計画的、安定的措置の段階に移行したい』と強調した。
首相は原発の在り方について『幾重かの安全体制を組んでいるとの認識で肯定してきたが、従来の先入観を一度全て白紙に戻し、徹底的に検証する必要がある』と言明。原発内に使用済み燃料が保管されていることも問題視し、核燃料サイクルの最終処分地の問題も含めて検証する考えを示した。自民党の脇雅史氏が政府の原子力総合防災訓練が生かされなかったと指摘したのに対し首相は『十分反省しなければならない」と述べた。参考人として出席した東電の清水正孝社長は「発電所周辺や福島県民、広く社会の皆さんに大変なご迷惑とご心配をお掛けし、心からおわびします』と謝罪した。
首相は東日本大震災への政府対応を『百パーセントとは言わないが、国民にも政府全体としては一定の評価を頂いている』と強調したが、被災地からは異論が出そうだ。仙台市に権限と財源を持った『復興院』を新設するとの提案には『(既存の省庁との)権限の調整にエネルギーを取られ、強力で独立した組織が必ずしも機能しない場合もある』と否定的な認識を示した。片山善博総務相は復旧・復興に関する被災自治体の負担に関し『極力ゼロに近くなるようにしたい』と述べた。同日の参院予算委は、東日本大震災に関する集中審議で、震災後、首相が国会で答弁するのは3月29日の同予算委以来で2度目」
この工定表について、記者団のなかから「復旧への目標数値である3カ月と6カ月という目安の根拠は? 特に、2号機の格納容器の修繕はできるのか」との質問が出た。これに対して、最高経営責任者である勝俣恒久会長が「かなり成功するのではないか」と楽観視しつつ、「2号機については、絶対に期間内に修繕できる保証はない。
だから、多様な収束方法を考えている。100%これできるものはないが、できる限り、いろんな方法を考え、めどとして、3、6カ月という目標を達成したいということだ」とかなりいい加減な答弁をしていた。この無責任さには、ホトホト、呆れ果てさせられた。メディアのなかには、「専門家からは早くも懐疑的な見方が出た」(埼玉新聞)と報じているものもあるほどだ。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK111掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。