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http://www.pjnews.net/news/794/20110411_3
石原慎太郎都知事再選の絶望と希望
2011年04月13日 08:48 JST
【PJニュース 2011年4月13日】東京都知事選挙が2011年4月10日に投開票され、現職の石原慎太郎氏が再選した。インターネット上では小池晃前参議院議員の人気が高まっていたが、石原氏の圧勝という選挙結果に一部ネチズンからは失望の声が出ている。
小池氏は以下の理由から共産党支持とは限らないネチズンからも支持された。第一に脱原発を明確に打ち出した点である。原発の新規建設計画を中止し、東海地震の震源想定域にある浜岡原発を停止し、自然エネルギーへの転換を訴えた。これが福島第一原発事故を政府発表やマスメディア報道以上に深刻な問題と考える人々に支持された。これまで原子力の平和利用も必ずしも否定しなかった日本共産党にとっては民意に応じた方針転換であり、教条的という共産党への悪印象の解消にもつながった。
第二に改正青少年健全育成条例の廃止である。改正条例は創作活動を委縮させ、表現の自由を脅かし、マンガ文化やアニメ産業の発展にも、民主主義にも反すると主張した。漫画やアニメ好きな若年層に支持を広げることになった。
第三にナイトクラブ営業に関する公開質問状への回答である。東京では数多くのクラブが警察の取り締まりによって営業停止に追い込まれている。この現実に対し、クラブカルチャー育成協議会は都知事選候補者に「客を踊らせる営業を深夜行うことが、風紀の乱れにつながるとお考えでしょうか」などの質問を行った。
石原氏以外の多くの候補が回答を寄せ、「風紀の乱れにつながらない」と回答したが、特に小池氏の回答が丁寧でクラブ文化を理解していると評判になった。小池氏は以下のように回答する。
「クラブカルチャーは、アートや音楽で活動している人々や、アートや音楽をクラブの現場で楽しみながら学びたい、そして多くの出会いを得たいという人々が集まって文化を生み出す場として、正当に評価されるべきと考えます」
また、「都内のナイトクラブが深夜1時以降も営業可能な条例を作って頂けますか」との質問に対して、肯定する候補者もいる中で以下のように条例と法律の相違を踏まえて回答した。
「営業時間は、国の法律である風俗営業法で制限されていますので、現行法のもとでは、1時以降も営業可能とする条例を、都が定めることはできません。しかし、関係者や都民のみなさんから強い要望があれば、都知事として国に働きかけることを含め、積極的に取り組みます」
この回答によって小池氏が制度についても正確に理解しているとして、クラブ文化に関係するアーティストの支持も広がった。これらの要因によって、インターネット上では小池氏が人気候補となった。ウェブサイト「リアルタイム世論調査」のアンケート「2011年東京都知事選挙、誰に投票しますか?」では小池氏が5割近くの票を集めた。また、ツイッターなどでも小池氏支持の呟きが多く見られた。
小池氏支持者の中には石原氏の再選だけは阻止したいという消極的支持も多い。石原氏は原発推進論者と公言してはばからず、青少年健全育成条例を進め、クラブの取り締まりの背後にも「浄化」を唱える石原氏の政策がある。石原氏の対極に位置するために小池氏が支持された格好であるが、反石原の対立候補として事実上の共産党候補である小池氏が認識された点がポイントである。
前回の都知事選挙は反石原候補が分裂した点が反石原陣営にとって失敗であった。今回も投票結果を見れば前回と同じように見えるが、渡辺美樹氏も東国原英夫氏も反石原を明確に打ち出していた訳ではない。一方で共産党公認の国会議員であった小池氏は一般の共産党系無所属の首長候補以上に共産党色が強く、これまでの発想では幅広い支持は難しいが、少なくともネットでは反石原の本命候補と評価された。
ここには市民派にとって絶望の中の希望がある。これまで市民派の協同と言えば社会党や民主党を軸に考えられてきた。当時の野党第一党であった社会党や民主党を軸とすることには一応の合理性がある。そこでは非妥協的な共産党は協同を破壊する印象が強かった。唯我独尊的な共産党は結果として自民党を利していると批判されたほどであった。
しかし、社会党の後継の社民党は縮小した。民主党は政権交代を果たしたものの、多くの市民派を失望させる結果となった。ここにおいて市民派協同の軸として最有力の政党は好むと好まざるとにかかわらず共産党になる。
一方で共産党には拒否感や抵抗感があることも事実であり、それが共産党にとってはネックとなっていた。共産党候補が唯一の市民派候補でも、市民派から支持されるとは限らなかった。このネックは現実世界では依然として問題であるものの、ネットの世界では小池氏は乗り越えた感がある。【了】
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