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菅“切り札”喪失…小沢の「不信任案」に打つ手なし?
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110414/plt1104141623003-n1.htm
2011.04.14 :夕刊フジ
民主党の小沢一郎元代表(68)が、菅降ろしに本腰を入れ始めた。13日には東日本大震災や福島第1原発事故への菅直人首相の対応を「無責任」と断じる見解を発表。側近議員との会合では「首相を退陣させるには内閣不信任案可決しかない」と述べ、野党が検討している内閣不信任案に同調する考えを示唆したという。ついに倒閣に舵を切った小沢氏。その成否は−。
小沢氏は12、13日の連夜、都内の自宅に自身を支持する若手議員の集まり「一新会」のメンバーを集め、会合を開いた。
出席者によると、小沢氏は菅首相の対応を「失政だ」と批判を続け、12日には「首相を辞めさせるには内閣不信任案を可決させるしかない。それをやったのが宮沢内閣の時だ」と踏み込んだ。そのうえで、「今こそ国民のために行動しなければならない」と話したという。
13日昼には、小沢氏に近い若手議員の集まり「北辰会」で「(菅政権下では)さらなる災禍を招きかねない」などとする見解を発表。震災や原発を菅降ろしの大義名分としたい思惑のようだ。
内閣不信任案が可決すれば、憲法の規定により内閣総辞職か衆院解散となる。菅首相は震災前、解散をチラつかせることで菅降ろしに対抗したが、小沢氏は「東北地方には投票所ができないから、当分選挙はできない」と、菅首相の立場の弱さを解説したという。
内閣不信任案を衆院の過半数(239議席、欠員2を除く)で可決させるには、民主党会派(306議席)から80人程度が造反する必要がある。衆院の小沢グループ(約90人)が同一行動を取れば可決できる。
また、両院議員総会で菅首相の「党代表辞任」を求めるリコール運動をする戦略も浮上している。小沢グループは衆参合わせて約120人の最大派閥で、鳩山由紀夫前首相との「小鳩枢軸」が復活すれば両院総会で過半数を占め、リコールは可能だ。
こうした小沢氏の動きに同調するように、政府や民主党内で菅降ろしの機運は高まっている。
小沢氏に近い三井弁雄国土交通副大臣ら政務三役12人は13日、都内で会合し「菅首相の対応は不十分で、後手後手に回っている」との認識で一致。小沢鋭仁元環境相も12日に党執行部の退陣を求めるなど、中間派からも声が出始めている。
ただ、「刑事被告人」で「党員資格停止」処分を受けている小沢氏の主導にはアレルギーも強く、菅降ろし後の新政権の見通しも険しい。
自民党関係者によると、小沢氏は自民党の大島理森副総裁や森喜朗元首相、古賀誠元幹事長と接触を図り、「菅抜き」の連立を模索しているという。しかし、自民党内には「とにかく、巨額の復興事業に関わりたいのだろう。小沢氏という毒薬を飲む気はない」(幹部)との考えが支配的だ。
そんな空気を見越してか、小沢氏は13日夜、「今は動くタイミングではない」とも述べた。駆け引きは長く続きそうだ。
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