http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/558.html
Tweet |
大地震から1ヶ月が経過したのを機に、12日の菅首相が記者会見を行った。震災後1カ月が経過したので、「人命の救済、救援から復旧・復興へと歩みを進める」と、新たなステージに入ったとの認識を示した。さらに、「その復興は、ただ、元に戻すという復旧ではなく、新しい未来の社会を作っていく、創造する復興でなくてはならない」と、復興のあるべき姿を示した。ここまでは、間違っていない。
続いて復興後には、「自然災害に強い」「地球環境と調和」「人に優しい」社会を作り上げると言う。そのために「被災地域住民の要望、声を尊重する」「政界、官界、学者、民間企業、NPOなど全国民の英知を結集する」と言う。また、復興に必要な予算や法律、政策について野党に協力を求めた。そして、五百旗頭(いおべき)防衛大学校長を座長とする復興会議を立ち上げたと述べた。いろいろ述べたが、簡単に言えば、復興会議に丸投げしました。そう云う風に聴こえた。
未曾有の災害を前にして、東日本の人々が呆然としている。西日本の人々も、災害にこそ遭わなかったが、心理的には大きな影響を受けている。その国民に対して、これから復興だと言うメッセージとして、何も残るものがない。当たり前のことを、当たり前に言う。それでも国民の心を捉える演説はある。それがない。なぜだろう。
処で、首相の記者会見と同じ12日午前に、政府(経産省原子力・保安院)は福島原発事故のレベルを、最も深刻な事故とされるレベル7にすると発表した。これまで、レベル5(施設外への大きなリスクをともなう事故)としていたのを、一挙に史上最悪の原発事故と言われる、旧ソ連のチェルノブイと同じレベルだと認めた。それでも放射性物質の放出量はチェルノブイの10分の1だと付言している。
この事故レベル変更を速報で知った時、ここ1週間の間に、大量の放射能汚染水を海洋に放出したことによるものだと思った。だが、そうではなかった。63万テラベクレルと言われる総放出量の大部分が、3月14日から15日にかけての1〜4号機の爆発によるもので、15日から16日に間に放出されていたのだと云う。しかも、既に3月27日の時点では、この数字を捕捉していたと云う。
1〜3号機が爆発した当時、経産省原子力安全・保安院はレベル3、即ち、放射性物質の外部放出は法定限度の10分の1を超える程度(10分の数ミリシーベルト)の公衆被曝のレベルだと発表した。そして、その1週間後にレベル5に変更した。従って、今回の変更はIAEAなど、外国の目を覆い隠せなくなり、レベル7を認めたのか、或いは事態に急変があった。そのいずれかだと、誰もが考えるだろう。
菅首相の記者会見での話を聞いても、人の心を捉えない。その理由は、国民が抱く不安を解消する、明るいメッセージを発しないからだ。確かに、復旧・復興へと歩みを進める時機に来ている。何時までも自粛を言い、縮こまる必要はない。だが、原発事故対策本部長として、原発事故の収束に向けての強い意志を示すこともなければ、国民が漫然と抱く他の原発への不安を解消することも言わない。これに尽きる。
原発事故レベル5からレベル7に引き上げた。この決定を、原子力事故対策本部長である菅首相の承認なしで行うことはない。ではレベル5に引き上げた時に比べ、事態に変化があったのか。変化が無ければ、なぜ、今になってレベル7への変更なのだ。その決定に首相が関与した、もともとのレベル5は何だったのだ。結論は、菅首相は原子力事故対策本部長として機能していない。そう云うことになるのだろう。
しかもレベル7が世界に与える衝撃は大きい。IAEAやロシアなどは、福島はチェルノブイとは違うのでレベル5だと言う。アメリカは妥当だと言う。レベル7だと、食料品に限らず全ての日本産品の輸出に影響する。もちろん、世界の原子力行政に大きな影響を与える。だが、菅首相は事態収束への決意も無く、誰かの指示に従って、漠然とレベル7を容認した。政治家として理念が無いから、こういうことになる。
12日の記者会見の様子をテレビで視、新聞やネットで知るにつけ、この首相では日本沈没だと強く思うのである。国民は、昨年夏から既に三度、菅政権に「ノー」を突きつけた。民主党議員には、菅直人を首相の座から引き降ろす責任がある。太平洋戦争の真っ最中、日本本土が空襲されている非常時でも、首相は交代している。震災後1ヶ月を経過した。もう空襲は終わったのだ。遠慮は要らない。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=106966
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK111掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。