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「斎藤貴男 二極化・格差社会の真相」
平成23年4月12日発行
これだけ余震が頻発しているのに原発を止めない国の恐怖
もはや一刻の猶予もない。少なくとも太平洋岸に林立している原発は、この際、軒並み停止させるべきである。
地震浸けの日々が続いている。福島県の浜通りを震源とする昨夕の揺れは特に激しかった。
しょせんは余震と割り切れない。3・11と4日後に静岡県富士宮市で観測された震度6強、今月9日に鹿児島県種子島沖で発生したマグニチュード5・7との関係も、何もわかっていないのだ。
残る東京以西の太平洋岸。いわゆる東海、南海、東南海に、南九州まで連動した大震災の恐怖に怯えているのは、筆者だけではないはずである。
──などと口走ると、またぞろ「科学的でない」「情緒的に過ぎる」「バ力、アカ、サヨク」の悪罵が飛んでくるのだろう。だが、すでに結果は出てしまっているではないか。
原発は危険に過ぎるのだ。日本のような地震国ではコントロールが不可能で、また火山活動なども考慮すれば、現在は地震の頻発期らしい、と。
周辺住民は逃げるしかない。農業や漁業は壊滅的な打撃を被った。今後も場合によっては東京を諦めざるを得ない可能性を示唆する専門家もいる。
せめて浜岡原発だけでも停止されなければならない。中部電力が静岡県御前崎市で運用する5基の原発群は、かねて巨大地震が想定されてきた東海地震の、なんと震源域のど真ん中にあった。
過去に大津波を経験した地域の原発も。とすれば太平洋岸だけでなく、瀬戸内海も、北海道の日本海側、秋田、新潟。なぜか「津波はない」と信じ込まれていた北陸でも、最近は電力会社自身が対策の必要を口にし始めた。
統一地方選では、原発銀座の福井県でも大消費地の東京都でも、現職の推進派が多選を果たした。彼らを操る財界の野望を有権者たちは知らない。「原子力行政は胸を張れ」と吐いた日本経団連会長の妄言は前回で紹介した。経済同友会はといえば、さる6日に発表した「緊急アピール」で、原発の停止どころか、4年前の中越地震で休止した柏崎刈羽原発の3基を再開せよと迫っている。
道州制の導入や消費税増税も重ねて強調していた。要は従前のまま、飽くなき利潤追求を目指した国家改造を、ドサクサに紛れて強行してしまおうという代物だ。
筆者はヒューマニズムだけでは発言していない。この期に及んで人間を顧み.ない経済成長一本槍の価値観が、相当の確率で起こり得る次の災厄の前に、経済はもちろん、日本という国をも終わらせかねない近未来を危惧している。
(隔週火曜掲載)
さいとう・たかお 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「経済学は人間を幸せにできるのか」「消費税のカラクリ」など著書多数。
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