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3月12日の福島原発一号機爆発に至った経緯の分析第二弾。丹念に見て行くと、実はとんでもないことが3月12日未明に進行していたのではないかと思えて来る。
(第一弾)
時系列のまとめ
前回、文章で書いたが、
http://blueconifer.blog59.fc2.com/blog-entry-1.html
とりあえずイベントを表にしてみた。
福島原発一号機の爆発まで以下のような経過をたどった。
■11日
14:46 地震発生
15:42 1号機原子力災害対策特別措置法10条通報(全交流電源喪失)
16:36: 1号機原子力災害対策特別措置法15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)
21:23 半径3キロ圏内の避難指示
21:52 官房長官記者会見「現時点で原発はコントロールできている」
■12日
01:20 1号機格納容器圧力異常上昇により15条通報
02:30 菅が視察を決定する
03:00 海江田経産相と小森明生・東電常務が会見、ベントを行う旨、発表
03:00 東京電力がベントを行うことにしたとの文書は発表
03:12 官房長官記者会見(東電からベントの必要性について報告受けた)
04頃 1号機中央制御室でガンマ線150μSv/h
05頃 原発正門付近で放射性ヨウ素検出
05:44 半径10キロ圏内の避難指示
06:09 管コメント「場合によっては現地で必要な判断を行う」
06:14 菅陸上自衛隊ヘリコプターで官邸屋上ヘリポート発
06:50 原子炉等規制法64条3項によるベント命令
07:11 菅と原子力安全委委員長、福島第一原発現地入り
07:19 菅福島第一原発の重要免震棟へ
07:23 菅へ東京電力副社長による説明。池田経産副大臣同席。
08:04 菅福島第一原発視察終了
09:04 東電が1号機ベント作業着手(一つ目の弁を開ける)
10:17 二つ目の弁の開放に着手、だが不具合で開放が確認できず
10:47 菅官邸に戻る
14過 急きょ調達した空気圧縮機を使って午後2時すぎに再度開放を試みる
14:30 1号機ベントによる圧力降下を確認
15:36 1号機棟で水素爆発
空白の6時間
注目したいのは、東京電力がベントをすることにしたと発表した午前3時から実際にベントに着手したとされる午後9時4分までの空白の6時間である。
この午前3時から午後9時までの空白に何があったのか。
シナリオを考えてみた。
【シナリオ1】東京電力サボタージュ説(可能性:低)
政府の見解である。東京電力は何度言っても指示に従わなかったとの主張である。しかし、3時の時点で東京電力はベントすると発表している。一方で、官邸が3時まで待たせたと言っている。前回書いたように、そもそも東京電力にサボタージュする動機がない。格納容器の圧力は上昇し続けており、一刻も早くベントしたかったというように理解した方がいいだろう。
【シナリオ2】東京電力水素爆発危惧説(可能性:低)
3時の時点まで政府に待たされた。いざ、ベントしようにもすぐにはできない。そうこうするうちに5時頃までには原子炉内が危険な状態になってきた。温度等から考えるとベントの結果、水素が出るかも知れない。東京電力の現場は、その爆発の可能性に既に5時頃には気づいて別の方策を考えていた。
しかし、菅にどやされて何でもいいからベントしろと言われたため、後を顧みずベントしてみたら、やはり爆発してしまった。但し、これは後付の理由であり、可能性は低い。
【シナリオ3】ベントなど簡単にできなかった(可能性:中)
この説は産経新聞が採っている。
「ベント作業 10時間ロスで致命傷
遅れの最大の理由は、12日朝の菅直人首相の視察ではなく、電源喪失だった。東電は手作業によるベント開放に手間取ったのだ。この間に炉心溶融が進み、圧力や高熱で圧力容器や格納容器が損傷し、「閉じ込め」機能が失われた可能性がある。」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908340010-n1.htm
実際に14時30分になってやっとベントできたのだから、手間取ったのは確かで説得力はある。しかし、9時04分に作業に着手するまで、いったい何をしていたのか疑問が残る。作業班の編成や防護服の準備で手間がかかったと言うが、3時から9時まで6時間も必要だったのか。それとも着手という言葉の定義の問題で、3時頃から断続的にトライしていたのか?
考えられるのは、午前3時から5時頃まで2時間程度、何とかしようと思っていたのだが、うまくいかない、その後、菅が来るため5時頃から8時まではベント着手は事実上できない状態になってしまったという流れである。ただでさえ、原子炉格納容器のある力上昇により10k圏内の住民に避難指示を出し、大変な状況なのに菅は、視察を強行した。菅の視察は3時間程度のロスを招いたことになり、罪は大きい。
【シナリオ4】菅によるパフォーマンス(可能性:中)
午前3時に行われると思っていたベントが、作業に手間取って5時頃になっても終わっていない。これに目をつけた菅は、最大のパフォーマンスのチャンスだと画策を始める。まず、5時頃の時点で自身の7時の到着までベント着手の延期を明確に求めた。もしくは、7時頃には行くから、対応をよろしくなどということを言って暗に圧力をかけた。そして、早朝6時に出発、自分が到着するのに合わせて、6時50分にとってつけたような原子炉等規制法64条3項に基づくベント命令発令、7時11分到着、そして現地での颯爽とした指揮を狙った。この場合も3時間ほどのロスになる。
【シナリオ5】悪魔のシナリオ 欺瞞とパフォーマンスの官邸(可能性:大)
(政府はすぐベントできないことを知っていた)
次のようなシナリオも成り立つ。
東京電力は、電源喪失でベントがすぐできないことを官邸に12日の午前零時頃には報告していた。よく考えれば、東京電力はそのくらいのアセスメントはできたはずだ。多分、いまはすぐには無理かも知れないが、7時頃までには何とかなると官邸に東京電力は報告した。そして、政府も専門家らが東京電力から説明を聞いてベントがすぐできそうもないと理解はした。
しかし、7時まで何もできませんとは発表できない。既に1時40分に保安院が記者出した発表資料には、以下のようなシナリオが書かれている。11日22時50分炉心露出、23時50分燃料被覆管破損、24時50分燃料溶融、27時20分(12日3時20分)ベントの実施。
7時までも何もできませんなどと言うことは、政府も東京電力もできない、したくない。ともかく、3時20分頃までには何かをする必要がある。ここで、官邸は、以下のたくらみを企てた。東京電力も菅に怒鳴られて共謀したと考えられる。
(欺瞞のベント会見)
とりあえず、東京電力は午前3時に実施できる見込みのないまま、ベントをするという。
官房長官も3時12分からの記者会見で今すぐにでもベントができそうな説明をする。3時の段階になっても64条3項の命令を出さなかったのは、命令してもすぐ実施できないことがわかっていたからだ。そうなったら政府も東京電力もメンツを失うし、非難される。そこで政府は、東京電力を怒鳴りつけて東京電力が自主的にやると言わせた。すぐにできないものをすぐできそうな説明をされた東京電力は酷く困惑しただろ。すぐにできないとわかっているベントの遅延責任が東京電力に負わされたからだ。
これは、12日午前3時の経産相と東京電力の会見の以下の記事からもわかる。
「ほどなく、海江田経産相と小森明生・東電常務が会見した。海江田経産相は「ベントを開いて圧力を下げる措置を取る旨、東電から報告を受けた」と説明し、すぐに小森常務にバトンを渡した。これに対し、小森常務は「国、保安院の判断を仰ぎ、(ベント実施の)判断で進めるべしというような国の意見もありまして」と述べる。「東電の判断」という海江田経産相の説明と微妙な違いを見せた。」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm010040035000c.html
実際にすぐはできないことは、政府はわかっていた。しかし、そんなことは隠蔽した方がいい。この政権では「パニックを押さえる」「不利な情報を出さない」これが最優先される。
(菅の計略)
一方、支持率低下と献金スキャンダルにあえいでいた菅は、これを絶好のパフォーマンスの機会だととらえた。パフォーマンスの計算が始まる。7時頃にベントできるなら6時頃官邸を出ればよい。そして、自分の到着に合わせて、6時50分に命令、7時11分到着、そして現地での颯爽とした指揮。完璧だ。
状況証拠は−菅有罪
空白の6時間のシナリオについては、すべて憶測である、しかし、悪魔のシナリオ説は、結構説得力を持つと思う。
大体、午前2時30分視察を決定して、朝6時の出発はいかにも唐突である。東京電力が本当にベント指示に従っていなければ命令を一つ出せばすむだけである。菅がどうしても現場に行く必要がある緊急事態なら、朝2時半だろうが、緊急にヘリを飛ばせていけばよい。3時半か4時までには着く。それがなぜか出発時間が早朝6時である。このような中途半端に異例な時間に首相が現地に行くためにはそれなりの理由があるはずだ。それが、7時頃なら何とかなるという東京電力の説明だったのだろう。もし、東京電力が、8時頃にできると言っていれば、出発時間を1時間遅らせ7時にしただろう。
シナリオ通り、東京電力は、ベントをしますと言いながらも、実際には、結果が出ない状況が続く。そして、菅のお出まし前の6:50分に命令が出る。この命令も前回ここに書いたようにパフォーマンス以上の意味は持たない。そして、7時11分到着。
専門家からは、ベント(ウェットベント)による放射性物質の放出が微量と説明を受けているはずで、現場で「ただいまからベントを指示します。」とやりたかったのではないか?緊急事態のはずなのに、なぜかカメラマンが帯同して菅の活躍を撮影していたということもこの説を裏付ける。
その後、爆発してしまったため、慌てて菅は東京電力の責任にしているが、真相はこのようなことではないか?原発事故のショックが強すぎてみな忘れかけているが、当時、支持率低下と献金スキャンダルで菅の命運は風前の灯火だった。また、3月23日に既にレベル7だと認識していたのに統一地方選が終わるまで原発の事故の国際評価尺度のレベルを5に据え置くような政府である。悪魔のシナリオの動機と飛びつくいやらしさは十分にある。
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