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これほど福島原発事故の深刻な状況が一ヶ月以上も放置された
ままであるというのに、なぜ大手新聞やテレビは菅首相の指導力の
なさを正面から批判しないのだろうか。
雑誌や、ネットではそういう声が満ち溢れているというのに。
菅首相批判はすべて小沢派にやらせて、非常時に菅首相を批判
する小沢派を貶めようとするつもりなのだろうか。
私はいまや菅首相を批判する急先鋒の一人だ。
その批判の強さは、もはやブッシュの戦争を支持した小泉首相
に対する時以上だ。
かつて民主党政権による政権交代をあれほど強く望み、菅首相
から参院選の出馬まで打診されたこともある私が、なぜここまで
菅首相を批判するようになったか。
それはもちろん菅首相の対米従属外交があまりにもひどいからだ。
米国を尊敬、評価している風でもない。それどころか米国の政策
と異なる考えすら持っているように感じられる菅首相が、総理を
続けたいばかりに米国に従う。これは最悪だ。
しかし私が最も腹立たしく思うのは、保身、責任逃れのために
平然と国民に嘘をつき続けて恥じない、その厚顔である。
それは福島原発事故に対する発言に如実にあらわれている。
ついに福島原発事故の被害度が12日、史上最悪の原発事故である
チェルノブイリ事故と並ぶ「レベル7」に位置づけられた。
しかしその同じ日の記者会見で、菅首相は福島原発事故は「一歩
一歩安定化に向かっており、放射性物質の放出も減少傾向にある」と
言ってのけた(4月13日日経)。
この発言こそ菅首相の正体を見事にあらわしている。
これまでの菅首相の原発事故に対する発言は嘘ばかりだ。
嘘というのが言い過ぎであれば二枚舌だ。
要するに言っている事に誠がないのだ。
自己正当化の国会答弁なのだ。
未曾有の災害時にこういう自己中心的な首相では、被災地の住民は
もとより日本国民の命と暮らしは守れない。
政局以前の問題である。
なぜ大手新聞とテレビはそれを指摘しないのか。
なぜ菅直人首相が居座り続ける事を許すのだろうか。
この国が崩壊の道を突き進む理由は、そのだらしなさ、けじめの
なさに違いない。
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