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http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/8_fax.html
3月25日晴れ。前回に続き、今回も傍聴希望者の抽選はなし。やっぱり震災の影響か。裁判所の地下にあるコンビニに行ってみると、昨日も品薄状態だった店内から、ペットボトルの飲み物がさらに消えていた。どうやら、東京都の水道から乳児の飲用基準を超える放射性物質が見つかったため、売り切れてしまった模様。エレベーターも節電のために稼働台数が減っている。当然のことだけど、この大震災の下では裁判所も正常ではないということだ。
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10時開廷。午前は検察側の証人として、池田光智被告の取調べを担当した蜂須賀三紀雄検事が出廷する。池田氏は3人の被告のなかで、2010年1月の逮捕時は32歳と最も若かった。そのこともあってか、蜂須賀検事も見た目は30代後半ぐらいで若い(※読売の記事によると38才とのこと)。まずは検察官の尋問から。(── は検事、「」内は蜂須賀検事の証言)
── 取調べのときの池田氏の態度は?
「言葉を選びながら注意深くという態度で、最初はあいまいで、だんだんはっきりしてきました」
── 調書をとる際に気を付けていたことは?
「本人の記憶について気を使っていたので、そのレベルにあわせた表現をしました」
── 池田氏は大久保氏に収支報告書についてどう報告していたと話したのですか?
「私が最初に確認したときには気づかなかったのですが、どういう確認をしているかをきいたところ、(東北で活動をしている)大久保氏のいる所にFAXを送って確認してもらったり、上京したときに確認したということでした」
── 池田氏は大久保氏に内容を見せて承認をもらったことはないと主張していますが
「その話は違うと思います。私は、大久保氏が岩手にいたとは気付かなかったし、池田氏から大久保氏にFAXを送っていたという話を聞きました。小沢氏にも積極的に見せていたとのことでした」
そのほか、蜂須賀検事は池田氏の供述が本人の証言をもとに正しく行われたことを張する。これはこれまでの裁判でも繰り返し検察側の主張として語られていることなので、割愛する。
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続いて弁護側の反対尋問。弁護人は「大久保氏に収支報告書の報告した」という池田氏の供述は検察側の作り上げたストーリーだとして、蜂須賀検事の矛盾点を追及する。
── 収支報告書は50ページもありますが、池田氏はそれをFAXで送ったと供述したのですか?
「はい」
── 池田氏はどこに送っていたと話していましたか?
「そこについては(大久保氏は)いつも同じ事務所にいたわけではないので、その都度の場所に送信していたとのことでした」
── FAXの送信記録は調べましたか?
「私は取調べ官ですので、その捜査をしているかどうかの確認はしていません」
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思わず「そんなアホなっ!」と心の中で叫んでしまう筆者。池田氏が作成した収支報告書の内容を大久保氏に報告したかどうかは小沢事務所内の共謀を認定する材料であるため、裁判の行方を左右する重要なこと。にもかかわらず、検察側は50ページにも及ぶFAXの送信記録が確認できておらず、これまでの公判でも証拠として提出していない。そもそも確認しなかったのか、それとも確認したが見つからなかったのかは不明だが、だからといって供述のみによって裁判が進行していることに、あらためて驚く。
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昼休憩をはさみ、13時15分再開。午後は蜂須賀検事の後任として池田氏の聴取を担当した花崎政之検事が出廷。まずは検察側の尋問から。これまでと同じく、「被告は裁判でこのような発言をしているが、本当か?」という問いに、「いいえ、記憶にありません」と答えるパターン。これまた内容が同じなので、印象に残った部分だけを紹介。(──は検事、「」内は花崎検事)
── 池田被告に(調書をサインさせるために)「保釈はない」と言ったことは?
「ありません」
── 心当たりはありますか?
「逮捕拘留されて本人が気にしているのは『今回、自分はどうなるのか、裁判になるのか』という話がありましたので、私の個人的経験から、『否認していたら保釈されないこともあるけど、それは裁判官が決めることなので、私の経験では否認しても保釈されることもある』と話しました。池田氏はそれを曲解したり歪曲しているのではないかと思います」
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検察の尋問終了後、弁護側の尋問が始まる。弁護人に対しても、花崎検事は同じような回答を続ける。(──は弁護人、「」内は花崎検事)
── 大久保さんが関与していない可能性については考えなかったのですか?
「可能性はありましたよ。ただ、予断で決めつけたことはなかったです」
── 岩手のどこにFAXしたことは確認しなかったのですか?
「具体的に聞いてないかもしれません」
── 池田さんは「だまされた」と言っていますが
「それは本人が言っているだけで、事実とは違います」
── 池田さんが弁護人にあてた手紙も、あなたが言ってもないことを手紙に書いているということですか?
「そうですね」
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以上で第8回公判が終了。弁護団は蜂須賀検事と花崎検事に対して捜査の矛盾点を追及したが、両検事は弁護人の主張を淡々と否定するのみだった。
この裁判では調書の任意性が問われている以上、双方の言い分が衝突することはしょうがない。だが、これまでの公判を見てみると、供述調書の任意性に重点が置かれるあまり、物的証拠が軽視されているのではないか。特に、第8回で弁護人が指摘した50枚のFAX送信記録などは、なぜ検察が証拠として提出していないかが理解できない。
供述調書を裁判官が証拠採用するかどうかは、裁判官の心証も大きく影響する。であるがゆえに、密室で行われた供述調書の任意性が争点となれば、「言った」「言わない」の水掛け論になることは避けられない。裁判官とはいえ所詮は彼らも人間であり、主観を完全に排すことはできないことを考えると、こういった裁判で公平・公正な判決を期待することは不可能だと思う。
裁判は供述調書の任意性を争うための水掛け論ではなく、それ以外の証拠物によって有罪か無罪かを判断できるようにすべきで、そのためにも「取調べの可視化」があらためて必要だと感じる。
次回公判は4月22日。石川議員の女性秘書が出廷する予定。
〈構成・文責:《THE JOURNAL》編集部 西岡千史〉
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