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被災者も呆れた…菅“卑怯”な延命工作 放逐へ蠢く小沢&仙谷
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110411/plt1104111605004-n1.htm
2011.04.11 :夕刊フジ
菅直人首相率いる民主党は統一地方選前半戦(10日投開票)で大惨敗を喫した。国政での与野党対決型となった東京、北海道、三重の3知事選では民主党系候補が完敗。道府県議選でも大幅に議席を減らし、公認候補の4割が落選した。これまでの政権運営に加え、東日本大震災や福島第1原発事故での後手後手の対応が否定された形だ。党内外から「菅降ろし」の声が強まるなか、菅首相は卑怯な延命工作に乗り出している。
「統一選惨敗は事前に分かっていたため、少しでも衝撃を和らげようと別のニュースをぶつけてきたのだろう。ただ、このタイミングでやっても拍手を送る人はゼロ。国民はまったく評価しない」
政治評論家の小林吉弥氏はこう語る。「別のニュース」とは、統一選投開票日に合わせるかのように突然動き始めた菅首相の行動を指す。
菅首相は10日、3度目となる被災地視察にわざわざ出かけたうえ、翌11日には、有識者を集めた「復興構想会議」を立ち上げ、第1次補正予算の与野党協議も開始。さらに、福島第1原発から半径20キロ圏内としている避難指示の範囲を広げることを枝野幸男官房長官が明らかにした。これら一連の行動が、あからさまな“延命工作”というのだ。
報道各社の出口調査などで「大惨敗」が濃厚となった10日夜、菅首相は官邸で、民主党の岡田克也幹事長や輿石東参院議員会長らと会談し、復旧・復興のための2011年度第1次補正予算案の取りまとめや、その後の国会運営に関し、野党と丁寧に話し合う方針を確認した。
その後、岡田氏は選挙結果について、「地方選挙なので、直接政権に対する批判とは受け止めていない」「震災で、政府・与党はそちらに重点を置かざるを得なかった」などと記者団や報道番組で語ったが、一般的な受け止め方とはほど遠い。12都道県知事選や4政令市長選、41道府県議選、15政令市議選という統一地方選前半戦の結果は、まさに「菅政権への審判」だからだ。
このため、野党・自民党の自民党の石原伸晃幹事長は「人心が離れた政権が国難に対処できるのか。菅首相は国民の声を聴いて謙虚になるべき」と述べ、退陣を迫った。
連立与党である国民新党の下地幹郎幹事長までが「政権交代(の成果)と復興対策が争点だったが、両方とも国民の信任は得られなかった」と厳しく指摘した。
菅政権は今後、被災地のがれきの除去や仮設住宅建設など緊急措置が中心の1次補正について4兆円規模とし、5月の大型連休前の成立を目指す。その後、本格的な復興対策を盛り込んだ2次補正を6−7月に提出する段取りを描いている。
衆参ねじれのなか、菅首相は「国難打開」の体制強化のため、自民党との「大連立」をなお模索するとみられるが、今回の統一選大惨敗で菅政権への逆風は裏付けられた。
勢いづく自民党は、「5Kを撤回・排除せよ!」と要求している。5Kとは、「バラマキ4K」(子ども手当、農家の戸別所得補償、高校無償化、高速道路無料化)に、菅首相自身(1K)を加えたもの。補正賛成や大連立に向けた最大の障害は、菅首相自身というわけだ。
民主党内でも「菅降ろし」が始まっている。
反主流派といえる小沢一郎元代表のグループは虎視眈々と「菅降ろし」を狙っている。複数の民主党幹部は、小沢氏が「菅抜き」の大連立に向けて、自民党サイドと接触しているとされる。
小沢氏の懐刀、松木謙公前農水政務官は10日、「僕の意見は変わっていない。菅首相は1秒でも早く辞めればいい」と言い放った。
「影の宰相」こと仙谷由人官房副長官の動きも怪しい。仙谷氏の官邸復帰で閣僚や官僚が「仙谷詣で」を繰り返したため、誰かれ構わず怒鳴りつける菅首相はさらに孤立化し、両氏の関係は芳しくないというのだ。仙谷氏は周囲に「もう少し待て」と意味深長なセリフをもらしている。
こうした党内外からの攻撃に対し、菅首相が政権維持のために繰り出した狡猾な策が、冒頭に挙げた「震災対策」というわけだ。
ただ、こうした延命策は「戦略性なし。菅首相は切羽詰まってきている」(小林氏)と分析する政治のプロたちだけでなく、被災地の避難民らも見透かしている。宮城県石巻市で避難生活を送っている男性は「菅首相は『頑張ってください』というだけ。一体何をしにきたのか…」とあきれ果てた。これが、国民の大方の意見だろう。
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