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興味深い出来事が日本で起こりつつある。それは、怒りだ。やることなすこと全てがうまくいかずに世界の注目を集めることになった福島第一原発の危機に対して、日本人は怒りを隠せないでいる。
いつも不満ばかり言っている米国の保守派の草の根運動「茶会党」や、外国からのちょっとした批判に対して誰にでも食ってかかる中国人に比べれば、それでも抑制された対応だ。1億2700万人の日本人は、よほどの怠慢がなければ怒りを表したりしない。それほど日本人にとっては和や社会的団結、顔を立てることが重要なのだ。だが、日本が第二次大戦後最大の危機に直面している中で、不運に見舞われた東京電力の対応ぶりを目の当たりにして、日本人はそんなことは言っていられなくなってきている。
原発危機で日本人全体の血圧が上昇している様子を見て、一つの質問をせずにはいられない。東電は日本にとって何としてでも必要な変革を推し進める触媒になり得るかという問いだ。十分なり得るだろう。
日本人は東電という企業が、政界と財界の癒着や旧態然とした経済モデルといった数多くの問題に見舞われている現代日本の縮図であることに気付きつつある。
東電が抱える問題は、3月11日の地震と津波、福島第一原発の放射性物質漏れ事故によって白日の下にさらされた。今回の危機によって、日本にはびこる官僚主義、非効率性、戦略的計画の貧弱さ、日本株式会社をより良い未来に導くビジョンの欠如などが暴かれるとの見方が広がっている。
シンボル・・・
だからこそ東電はこうした日本問題を象徴するシンボルになった。世界の目が福島にくぎづけになる中、東電が今でも収束の見通しがつかないまま作業を続けており、第二次大戦以降の日本国民の忍耐を無に帰そうとしている。また、菅直人首相が東電を国有化できないことは、指導者不在の懸念を強めた。
かつて日本人の誇りだった東電は、いまや一部の人からエンロンやリーマン・ブラザーズと同様の害毒類に入ると思われている。東電による検査報告の改ざんやリスクの過小評価などが毎日のように明らかになっているにもかかわらず、同社の取締役は何の責任を問われることもなく給料をもらい続け、首にもなっていない。
東電の取締役を恥ずかしくさせるようなこともあった。ソフトバンクの孫正義社長(53)が被災者支援のため、個人として100億円寄付するほか、退任までの報酬を全額寄付すると発表したのだ。このような新聞の見出しに載るような支援の申し出が東電の取締役からあっただろうか。
偉大なリーダー ・・・
福島第一原発の危機を特徴づける透明性の欠如は、日本の企業社会全般に広がっている。今でも何千社もの企業が同じ日に株主総会を開催していることには理由がある。投資家から突っ込んだ質問をされるリスクを制限しているのだ。
日本人は自分たちの持つ権利を問い直している。そのことがどのような結果を導くか興味深い。菅氏が率いる民主党は自民党を政権の座から追いやった。自民党は、東電を甘やかし、責任を取らない幹部に国を踏み台にすることを許したほか、日本に先進国で最大の債務を負わせることになった。菅首相には偉大なリーダーになるチャンスがある・・?。
これまでのところ菅首相は今回の難局を乗り越えてはいない。菅氏が何度も日本の土台をより安定させる意向を示してきたのは正しい・・?。問題はそれを実行することだ。
日本は暮らすには素晴らしい国だ。効率的かつ清潔で豊かで、教育水準も高く、犯罪も少ない。だが、日本を何世代にもわたって支配しているのは、自分たちを取り巻く世界が急速に変化していることに気付かない、偏狭で責任を取らない政治家や官僚や企業幹部だ。変革の時は今だ。(ブルームバーグ)
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