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去る3月27日に行われたドイツ南西部バーデン・ビユルテン
ベルグ州議会選挙で連立与党が敗北し、環境政党「緑の党」が躍進
した。
そのニュースを見て私が驚いたのは、翌日にメルケル首相が「福島
原発の大事故を巡る議論が敗因となったのは明らかだ」と述べたこと
だ(3月29日朝日)。
それだけでも驚きであるのに、4月5日の東京新聞の記事を見て
更に驚いた。
ウェスターウェレ副首相が4月3日、福島原発事故が争点となって
大敗した州議会選挙の責任をとって、5月に予定されている与党・自由
民主党の党首選に立候補せず、党首を引退すると表明したというのだ。
ひるがえって日本はどうか。
福島原発を起こした張本人の国である。
ドイツや世界に影響を及ぼした国である。
原発事故の放射能流出を4週間もたった今も止められないで
いる国である。
勝手に放射線汚水を海に放出して、隣国などから抗議されても、
国際法上問題ない、と外務大臣が強弁する国である。
原発事故の対応のまずさを散々指摘されても、それを逆手に
とって復興は自分の手で行なうと権力に固執する首相を許す国
である。
なによりも唯一の被曝国にもかかわらず、このような深刻な原発
事故が起きても反原発の気運が起きない国である。
日本に寄せられた同情と賞賛はやがてあきれと怒りに変わる事
だろう。
試されているのはこの国の指導者だけではない。
日本国民もまた世界から試されているのである。
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