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菅政権は機能しているか?
時計の針をいったん震災の日に戻そう。
菅直人首相は3月11日朝、政権発足以来最大の危機を迎えていた。この日の朝日新聞朝刊が「菅首相に在日韓国人から違法献金の疑い」と大々的に報じたからだ。
2月17日に民主党の1年生議員ら16人が会派離脱届提出による造反行動を起こして以降、松木謙公農林水産政務官の辞任、衆院愛知1区選出の佐藤夕子氏の離党、さらに、前原誠司外相の辞任という大問題が次々と菅首相を襲った。誰がどう見ても、政権は末期状態だった。そこに首相本人のスキャンダルが発覚した。政治資金規正法は外国人からの寄付を禁じている。当然、菅首相は退陣に追い込まれてもおかしくない状況だった。
この日、国会議事堂本館3階西側にある参議院第1委員会室では午前8時55分に参院決算委員会が始まり、自民党の野上浩太郎、岡田直樹、岡田広の各氏が菅首相のこの問題を執拗に追及していた。午後2時半ごろ、ようやく自民党側の攻撃が一段落して、議題は子ども手当の是非に移った。
とりあえず難を逃れた菅首相が安堵の表情を浮かべようやく落ち着きを取り戻した午後2時46分、東北・三陸沖を震源とする巨大な地震が国会議事堂をも揺さぶった。
振動する窓、大きく揺れるシャンデリア。頭上を見上げながら机にすがる議員、壁際に寄り添う議員、叫ぶ者……。鶴保庸介決算委員長はやむを得ず、委員会を「暫時休憩」とすると宣言した。ほぼ同時刻、首相官邸から猛スピードで発進した首相専用車は数十秒後には国会議事堂にすべり込み、菅首相を拾った。菅首相は、その2分後には首相官邸執務室に駆け込んだのだった。
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