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毎日新聞 より
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110402ddm008040104000c.html
東日本大震災:震災国債、日銀引き受け案 財源難で「禁じ手」浮上
◇与党検討、政府内は慎重論
東日本大震災の復旧・復興対策事業費の財源確保策として、民主党内で「復興税」の導入や、国が発行する「震災国債」を日銀に直接引き受けさせる案が浮上している。
10兆円を超えると見込まれる被災地の復旧・復興費への支出を賄うため、あらゆる手段で財源をかき集めたいとの思惑が背景にある。
ただ、増税には震災の影響で落ち込む景気への影響を懸念する声がある。
また、戦前の軍事費膨張やインフレの苦い経験から「禁じ手」にされた国債の日銀引き受け(? 筆者)を認めれば、かえって市場の不信を買うリスクがあり、政府内でも慎重論が根強い。【坂井隆之】
復興税と日銀引き受け構想は、民主党の特別立法チーム(中川正春座長)がまとめた「復旧復興対策基本法案」の素案に盛り込まれた。
有権者の不興を買うとして本来、慎重論が強い増税論議が与党から出てきたのは、復興費用の全額を借金である国債に依存すれば、先進国中で最悪の財政悪化に拍車がかかる懸念があるからだ。
また「被災者への国民の連帯意識が高まっている今なら、一定の負担に応じてもらえる」(財務省政務三役)との期待感もある。
ただ、復興税導入には「大震災で消費者マインドが落ち込む中、増税のタイミングが難しい」(与党幹部)と景気への打撃を懸念する声が根強い。
このため、政府・与党内では、当面は復旧費用の財源として「震災国債」を発行、復興需要による景気浮揚が見込まれる12年度以降に増税して、国債の償還に回す案が検討されている。
一方、国債を日銀に直接引き受けさせる案は、与野党内で以前からくすぶっていた。
日銀が直接引き受ければ市場での国債の需給悪化を招かないとの見方のほか、日銀が国債を引き受けた分、市中に出回るお金の量が増え「デフレ対策としても効果がある」(自民党議員)との見方もある。
しかし、日銀の国債直接引き受けは戦前、膨張する軍事費を賄うために実施され、急激なインフレなどで国民生活を混乱させた経緯がある。
戦後、財政法で原則禁止されたのは、この反省に立ったものだ。
このため、日銀は「中央銀行が国債引き受けを行わないのは世界で確立された考え方。
異例の政策は通貨の信認を失墜させる」(白川方明総裁)と反対しているほか、野田佳彦財務相も「財政法は過去の歴史の教訓を踏まえた大変重たい規定」と否定的な立場だ。
実際、3月末に「日銀引き受け」構想が報道された際、市場では「財政規律の喪失」が想起され、長期金利が上昇する場面があった。
そんな市場の動向も踏まえ、与謝野馨経済財政担当相は「日銀引き受けはあり得ないし、絶対にさせない」と民主党の動きを強くけん制している。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「(震災を受けた)危機対応策が、新たな危機(財政危機)を生むことは避けるべきだ」と、賢明な財源策の必要性を指摘する。
毎日新聞 2011年4月2日 東京朝刊
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【私のコメント】
>戦前の軍事費膨張やインフレの苦い経験から「禁じ手」にされた国債の日銀引き受け
世界恐慌後の1930年代の高橋財政のことをいっているのであろうが、世界恐慌から日本の昭和恐慌へと続くなかで、当時の蔵相高橋是清は、思い切って国債を発行して公共投資をさせた。
そして日本経済は立ち直ったのだ。
立ち直ったのを見てここが潮時だと思った高橋是清はその膨張財政を打ち切ろうとしたが、軍事拡張をねらう軍部が予算削減に反対し、1936年の二・二六事件で高橋是清は暗殺された。
その後軍部が暴走して、軍事拡張が止まらなくなったというのが歴史の真実だ。
上の記事は二・二六事件後の軍備拡張だけを取り上げて、それ以前の高橋財政の成功を書いていない。
これは歴史上の事実の誤認である。
本当は高橋財政の成功をこそ取り上げるべきなのだが、本末転倒している。
国債を発行し通貨量を増やせば、円安が進む。
円高に苦しむ日本にとっては願ってもないことだ。
実際すでに日銀の金融緩和によって円は一時84円台にまで値を下げた。
今の円は高すぎる。
アメリカなどはとうの昔に中央銀行(FRB)に国債を直接引き受けさせ、ドルを刷りまくっている。その結果ドル安はますます進み、逆に円は上昇する一方である。
アメリカにとってはドル安の流れにストップをかけることは許せないことなのだ。
これは財政規律の問題ではなく、アメリカのドル安の流れにストップをかけるかどうかの問題である。
裏を返せば円高の流れにストップをかけて日本の復興ができるかどうかの問題である。
そこの本音を上の記事は隠蔽している。
日本にとっては震災国債を発行して通貨量を増やし、震災で失われたインフラの整備に全力を挙げることが急務である。
そしてそれは同時に為替相場を円安に誘導することでもある。
私にはそのことに対してアメリカが反対しているように思えてならない。
菅直人はここでもアメリカの顔色しかうかがっていないのではないか。
そうだとすれば、この内閣は亡国内閣、売国首相である。
もっとアメリカに対してにらみを利かすことのできるような政治家、例えば小沢一郎のような政治家がこんな時こそ求められている。
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