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菅また暴走視察「オレが行く」周囲に怒鳴りまくり
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110402/plt1104021512001-n1.htm
2011.04.02 :夕刊フジ
菅直人首相(64)は2日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市と、東京電力福島第1原発の事故対応の拠点となっている「Jヴィレッジ」を視察。メディアで「引きこもり」などと揶揄されている汚名返上に乗り出した。ただ、前回の現地視察では、野党に「原発事故の対応を遅らせた」などと批判されており、「逆風がさらに強くならなければいいが…」(官邸筋)と不安視されている。
菅首相は2日午前6時過ぎに官邸屋上から自衛隊ヘリで出発し、市街地の大半が津波にのまれた陸前高田市の避難所などを確認。その後、原発から約20キロ離れたJヴィレッジ(福島県広野町、楢葉町)を訪れ、事故作業にあたる自衛隊や消防、東電関連社員を激励。
ただ、被災地の関係者は、菅首相の視察に複雑な思いを抱えている。震災発生から3週間、自衛隊と在日米軍、海上保安庁は1日から3日間にわたり、岩手、宮城、福島の各県沿岸部で、行方不明者の集中捜索に乗り出しているためだ。民主党ベテランはいう。
「首相の視察となると、同行秘書やSP、番記者など数十人単位で人が動く。当然、現地の県警は厳重な警備態勢を敷かなければならない。昨年5月、鳩山由紀夫前首相が沖縄県を訪問した際は『1000人規模の警備態勢』と報じられた。自衛隊も万が一の故障を考え、複数のヘリを待機させる。集中捜索の最中に、地元の負担となりかねない」
実は、菅首相は21日にも現地視察を予定していた。「天候不良のため」として中止が発表されたが、官邸筋は舞台裏をこう語る。
「周囲が必死に止めたのです。菅首相は『震災発生から10日』という節目の視察を熱望していたが、『被災地はとても視察を受け入れられる状況ではない。もう少し待ちましょう』と。今回も『まだ早い』という声があったが、菅首相が怒鳴りまくるので、誰も止められなかった」
1995年の阪神大震災。当時の村山富市首相は、震災直後こそ「初動が遅い」と批判されたが、その後、決断力があり、霞が関の信頼も厚い小里貞利氏を災害担当相に大抜擢し、「責任はすべて私が取る」といって全権を与えた。私心を持たない村山氏がトップにいたことで、官邸と霞が関、県が一体となって危機に立ち向かった。
一方、菅首相の場合は180度違う。
震災翌日の原発視察や、東京電力への乗り込みなど、パフォーマンスばかりが目立つ。閣僚や官僚を人前で怒鳴りつけるため、多くが面従腹背となり、官邸と霞が関の一体感も見られない。自民党の谷垣禎一総裁に副総理兼震災担当相就任を要請したのも、電話1本というお粗末さだ。
さすがに、首相官邸も最近、メディアの厳しい報道に神経質になっているようだ。外務省関係者が明かす。
「菅首相とオバマ米大統領の電話会談が30日午前に行われたが、あれは福山哲郎官房副長官がルース駐日米大使に泣きついて実現させた。新聞各紙が『原発事故をめぐり、日米関係がギクシャクしている』と報じ始めたため、官邸は焦っていた。電話会談があった、という事実をアピールするのだけが目的で、中身はほとんど何もない。お互いに『ハロー』と言い合った程度だ。米国側も大迷惑という雰囲気だった」
未曾有の危機に、こんな官邸で大丈夫なのか。
政治評論家の浅川博忠氏は「菅首相は最高指揮官の心得が分かっていない。首相は官邸中枢でどっしり構えて、それぞれの分野に責任を持たせるべき。幅広い情報が入る態勢を整えておき、最後に重要な決断を下せばいい。現場を考慮しないパフォーマンスは百害あって一利なし。全体像が見えなくなる。震災翌日の原発視察で失敗した教訓から何も学んでいない。現在、大連立の動きが浮上しつつあるが、このままでは『菅外し』『菅抜き』で進むことになるのではないか」と語っている。
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