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菅直人首相が、「2011年度政府予算関連法案成立」と「大連立政権樹立」を引き換えに「辞意」を固めたという、菅直人首相は6月に正式退陣し、大連立政権は、「1年限定」で次期首相には、自民党の谷垣禎一総裁、副総理には、仙谷由人官房副長官が就任する。民主党は、新代表に輿石東参院議を選び、閣僚として処遇することになる模様だ。一方、刑事被告人である小沢一郎元代表は、党員資格停止という「座敷牢」に閉じ込めたまま、その政治活動を封じ込めておくという。
これらは、民主党の最大支持母体である「連合」の上層部からの情報である。菅直人首相は、予算関連法案の成立の見通しが立たないなかで、東日本大震災の直撃を受け、この難局を乗り切ろうと自民党の谷垣禎一総裁に「副総理兼防災担当相」としての入閣を要請した。だが、菅直人首相が電話で唐突に要請したため、あっさりと断られた。東日本大震災後の緊急事態下、「挙国一致の救国政権」の樹立が、いかに必要であるとはいえ、民主党と自民党とのしっかりした政策協定もしないで大連立すれば、外交防衛政策などの面で必ず亀裂が生ずると憂慮したからである。
しかし、菅直人首相は、「2011年度政府予算関連法案成立」の見通しが立たず、東日本大地震被災地の復旧に加えて、福島第1原発大事故の処理、放射性物質被害による地域住民の救済などの相次いで襲ってくる難問が、重圧としてのしかかり、精神不安定に陥っている。とくに日々の過度の疲労が蓄積し、情緒・感情が極度に不安定になり、怒りのだめ怒声をわめき散らしたかと思えば、突然泣き出したりすることが、このところ頻繁になっているといい、このまま政権を維持するのは、難しい状況になってきているという。
菅直人首相は2010年 6月8日、首相就任の早々から、政権運営について自民党の野中広務元幹事長(元官房長官、選挙区:旧京都府第2区→京都府第4区)に相談してきた。2010年に入ってからは、野中広務元官房長官に声をかけられた加藤紘一元幹事長が、谷垣禎一総裁(元宏池会「加藤紘一派」幹部、選挙区:旧京都府第2区→京都府第5区)と菅直人首相との間に立ち「大連立」に向けて橋渡しをしていた。
また、菅直人首相は、森喜朗元首相にも相談しており、「大連立」について賛意を得ていたという。ちなみに、加藤紘一元幹事長は2001年3月5日のいわゆる「加藤の乱」で敵対関係にあったが、その後かなり経過して、お互いに「水に流す」ことで和解、2010年4月には、加藤紘一元幹事長が地元の酒田市で開催した講演会に森喜朗元首相を講師として招くほど関係は良好になっている。
森喜朗元首相は3月末、自民党の谷垣禎一総裁と会談し、大連立に前向きな考えを示していた。また、野中広務元幹事長の「子分」である自民党古賀派の古賀誠元幹事長も、同調しているという。町村信孝元外相率いる町村派も右へ倣えである。菅直人首相は、高速道路料金について普通車で平日の上限を2000円にするなどの新たな割引導入を見送り、無料化社会実験も中止し、3月29日には菅直人首相が2011年度税制改正法案に盛り込んでいた法人税率引き下げの見直しに言及、子ども手当拡充法案も取り下げるなど公約を相次いで後退させ、自民党の要求にことごとく応じて、大連立に向けて環境整備を進めてきた。
それでもなお、菅直人首相は、自民党から「イラ菅だけは勘弁してほしい」「菅首相でなければ連立可能」との条件を突きつけられた。少なくとも「2011年度政府予算関連法案成立」を果たさなければならない菅直人首相は、もはや「石にかじりいてでも絶対に辞めない」と言って、首相の座にしがみついていられなくなったのである。
小沢一郎元代表でさえ、「菅はなかなか辞めようとしないんだ」と菅直人首相降ろし」にてこずっていたのに、ついに「陥落」(菅落?)せざるを得なくなった。4月10日、24日の統一地方選が終わり、原発事故処理が一段落した時点で菅直人首相は、退陣する。菅直人首相にとって、5月に予定されている米オバマ大統領との日米首脳会談、5月下旬のG8首脳会議への出席が、「花道」となる。
自民党との大連立構想は、元々、小沢一郎元代表が目指した「政略」であった。それが、菅直人首相サイドから、似て非なる大連立構想に自民党が乗ったのは、大震災をキッカケに「挙国一致の救国内閣をつくる」という大義名分のほかに、まったく別の陰謀が働いていたからである。それは、小沢一郎元代表が、「減税日本」を大義名分に掲げている名古屋市の河村たかし市長と手を組み、全国で巻き起こしている地域政党をバックに新しい政治勢力を築こうとしている動きに対して、既成政党である自民党と民主党左派(菅直人首相、枝野幸男官房長官、仙谷由人官房副長官石ら)が強い脅威を感じて、先手を打ったということである。
自民党は、増税路線の旗頭である谷垣禎一総裁を首相に担ぎ上げて、「消費税」に加えて「大震災復興税」(仮称)を新設したいのである。東日本大震災を奇貨として、国民から税を巻き上げようとしているのだ。そのためには、「大減税」を掲げている小沢一郎元代表を叩きのめしておく必要があった。
左翼政権を樹立している民主党左派の執行部は、「脱小沢」路線を維持・継続するために、小沢一郎元代表を「党員資格停止」という「座敷牢」にいつまでも閉じ込めておきたい。ましてや、離党はもとより許さず、「減税新党」などはつくらせたくないのである。かくして双方の利害が一致したということである。要するに、大震災被災地復旧、復興のいずれも関係のない目的で大連立しようという陰謀だ。
かたや、前途を塞がれた格好の小沢一郎元代表は、どういう状況になっているのか。見方によれば、小沢一郎元代表には、窮地に立つどころか、大変好都合な状況に好転してきたとも言える。それは、以下のような理由からである。
@小沢一郎元代表は 2011年に入って菅直人首相に「首相在任は5月まで」と引導を渡し、「花道をつくる」と言って、退陣を求め続けてきた。これに対して、菅直人首相は、頑として首を縦に振らず、政権にしがみつこうとしていた。「菅はなかなか辞めようしないんだ」と困り果てていたので、小沢一郎元代表にとっては、手間が省けた。
A谷垣禎一大連立政権の性格が、「大増税政権」という色彩を濃厚にることになるので、この対極に位置して「大減税政権」をめざす新政党との対立構図が鮮明になる。今回の統一地方選挙で、地域政党が勢力を伸ばせば、自民党と民主党の「大増税派」が窮地に立たされ、共に倒れて沈没する可能性が大である。
B谷垣禎一大連立政権は、「1年限定」の時限政権であり、2013年8月の衆院議員任期満了を控えて、総選挙に向けて、大連立政権は、揺らぎ始める。
C小沢一郎元代表は、「トロイの馬」として政権獲得のチャンスに恵まれてきた。このチャンスを活かすには、東日本大震災被災地域に詳しい「地の利」を活用して、当面は、瓦礫の完全撤去を目指して、復旧作業に全力を上げ、多くの国民の信頼感と期待感を高めるのが、得策である。そして、本格的な復興事業の立役者となり、「現代の後藤新平」と呼ばれる偉大な功績を残すのである。私はいま、「後藤新平と小沢一郎」というタイトルの原稿を書き始めている。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
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