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東京都水道局の金町浄水場(葛飾区)から放射性ヨウ素が検出され、ミネラルウォーターのペットボトルが街角から消えた三月二四日、四月一〇日に行なわれる東京都知事選挙が告示され、一七日間にわたる選挙運動が始まった。
石原慎太郎都知事は港区南青山の選挙事務所で「これから日本は大変だ。東京が経済復興のダイナモにならないと」と第一声を発するや、午後には金町浄水場に視察へ。コップに注がれた水道水を飲み、「東京の水はおいしい」と安全性をアピールするパフォーマンスをみせた。都知事としての震災対策の活動がメディアでの露出増となり、そのまま選挙活動にもなりそうな勢いである。
そして、前参議院議員・小池晃候補(日本共産党推薦)は新宿西口で「チェンジ石原を訴えているのは私ただ一人だ」と、前宮崎県知事の東国原英夫候補は新宿区西新宿一丁目交差点で「危機管理は行政の一丁目一番地。私の経験を生かして元気な東京、元気な日本をつくっていきたい」と、外食大手ワタミ前会長・渡邉美樹候補(都議会民主党推薦)は東京スカイツリー前で「都を日本再興のエンジンに」と、それぞれ第一声をあげた。
今回の都知事選挙では、石原四選の是非が争点になるわけだが、ならば、肝心な対立候補の政策はどうなっているのだろうか。
石原都政と都議会の二大対立案件ともいえる「築地市場の豊洲移転」と「新銀行東京の経営(清算)」の問題に、特に注目してみたい。
「高濃度の毒性物質に汚染された東京ガス跡地の危険は明らかです。市場関係者や都民の多くが反対する豊洲への移転は白紙撤回します」(「新しい福祉都市・東京 小池ビジョン」より)
「築地の新市場については、都議会の結論も踏まえ、豊洲移転と現在地建替えの両案を平等に検討し、事業費・費用対効果・汚染・老朽化・築地の賑わい創出等様々な観点から検証し、場外場内関係者等の意見に十分耳を傾け一年以内に成案を得る」(「東国原英夫マニフェスト」より)
「市場の豊洲移転問題については都民の食の安全確保を最優先にします。今回の大震災の影響を含め、正確な安全に関わる情報を精査の上、期限を区切って決断します。世界に冠たる「築地」ブランドは大切にし、新たな豊洲ブランドを含めた総合的なグランドデザインを行うという視点で東京ブランド全体の向上につなげます」(「わたなべ美樹ローカルマニフェスト」より)
小池候補が明確に移転反対の考えを示すほかは、東国原候補と渡邉候補は「両案を平等に検討します」「期限を区切って決断します」と、現時点での判断ナシの「先送り」式マニフェストになっている。
そして、かつて石原が「口利きは政治家の仕事」と開き直った新銀行東京の経営についても、「破たんが明白な新銀行東京から撤退、処理する」(新しい福祉都市・東京小池ビジョン)、「新銀行東京の今後の経営のあり方(維持、縮小、撤退〈法的整理や事業売却等〉)を検討する第三者委員会を設置し、今後の方向性を予断なく決定する」(東国原英夫マニフェスト)、「新銀行東京は、経営力で銀行の価値を高め、都民の負担の軽減をはかります」(わたなべ美樹ローカルマニフェスト)と、築地移転と同様に「先送り」式のマニフェストが目につく。
都政において重要な案件である「築地市場」「新銀行東京」の行く末について、都知事の候補者、それも有力とされる候補者に、明確な方針がないとは論外である。
重大な問題の方針について書かれているからこそ有権者の判断材料となるマニフェストに「検討します」式の記述がまかり通るならば、それはマニフェストではない。重要政策についての判断を、自身のマニフェストで「先送り」する候補者に対して、果たして何を期待すればいいのか。
全く都民である有権者をバカにしたハナシであり、候補者本人らはこの意味をわかっているのだろうか。
小谷洋之・ジャーナリスト
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