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東京電力:政府管理へ 公的資金を投入
http://mainichi.jp/select/today/news/20110401k0000m010169000c.html
2011年4月1日 2時33分 更新:4月1日 2時58分 :毎日新聞
政府は31日、東日本大震災に伴い福島第1原発で深刻な放射性物質の漏えい事故を起こした東京電力について、公的資金による出資を通じて政府管理下に置く方針を固めた。政府高官は同日「国が一定程度(経営に)関与するため出資する形になる」との見通しを示した。公的債務保証も検討する。長期化する福島原発事故の対応を徹底し、周辺住民らへの巨額の賠償訴訟に備えるとともに、日本経済や国民生活に不可欠な電力供給の安定を図るには、東電の政府管理が不可欠と判断した。
福島第1原発は、大震災と大津波で原子炉の炉心冷却機能が停止。炉心が溶融するなど米スリーマイル島での原発事故をしのぐ、深刻な放射性物質の漏えい事故となった。事態収拾に向けた冷却機能の復旧作業は難航しており「(原子炉が)最終的に安定するにはかなりの時間がかかる」(東電の勝俣恒久会長)見通しだ。
東電は31日、事故対応と電力供給事業の継続に必要な資金を賄うため、メガバンク3行などから約1兆9000億円の緊急融資を受けた。しかし、炉心の冷却機能復旧にこぎ着けたとしても、同原発1〜4号機の廃炉に向けた費用や、損害賠償などに巨額の負担を迫られるのは確実。特に避難を強いられた原発周辺の多数の住民や農漁業者らへの損害賠償は数兆円単位に上ると見込まれ、東電独力では負担しきれない可能性が高い。
原発事故に適用される原子力損害賠償法には「異常に巨大な天災や社会的動乱」時に電力業者の賠償責任を免責する規定もあるが、政府高官は31日「免責はあり得ない。国民感情が許さない」と適用を否定。国が支援する場合にも、東電に相当程度の負担を求める考えを明らかにした。
一方、出資規模について、同政府高官は「(出資比率が)半分を超えたら国有化になる。その規模ではやらない」と完全国有化することには否定的な姿勢を示した。
東電に対する今後の対応に関連し、菅直人首相は31日、サルコジ仏大統領との共同記者会見で「事故が収束した中で、今後の電力会社のあり方も、存続の可能性も含めて議論が必要になる」と述べた。【山本明彦、宮城征彦、青木純】
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