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中米の力関係逆転兆候と朝鮮半島の対話(下)
2011/3/31(木) 午後 2:07
リ・グン北朝鮮米州局長とトム・ピッカリング元国務次官との朝米非公式会談がドイツ南部の町で3日間行われ、「国交正常化」や「非核化」についてリ・グン米州局長は30日、「真摯な意見交換ができた。両国間の問題を対決ではなく話し合いで解決することで共通認識を持つことができた」と述べた。
今回の会談に米側から現役当局者が参加していないことから「実効性は不透明」との見方もあるが、客観的な状況が対話局面へと大きく動いていることは間違いない。
「中米の力関係逆転兆候と朝鮮半島の対話(中)」で「朝米対話、南北対話は“我慢比べ”が続こう。
双方共に決め手がなく、逆に足元に弱点を抱えているからである」と書いたが、ここに来て米国の足元が急速に揺らぎ始めたと読める。
http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/42676388.html
その要因の第一が、中東民主化のドミノ現象である。
青天の霹靂のようにチュニジアに始まったジャスミン革命は、エジプトのムバラク政権を崩壊させ、ヨルダン、サウジにも波及しつつある。
いずれもアルカイダなどイスラム原理主義を抑えてきた中東の親米独裁国家であり、米国の世界戦略の基本となっている反テロ戦争は重要な足場を失い、曲がり角に差し掛かっている。
象徴的なのがリビアである。、
米国は反政府民主化勢力の側に立ち、空爆でカダフィを圧迫しているが、ことはそう単純ではない。カダフィは「反政府精力はアル・カイーダが主導している」と訴え、北大西洋条約機構(NATO)のスタブリディス欧州連合軍最高司令官(米海軍大将)も29日、米上院軍事委員会の公聴会で「リビア反体制派の内部にアル・カーイダにつながる勢力がいる可能性がある」と証言している。オバマ大統領が2〜3週間前、CIAによるリビア反体制派支援の秘密工作を承認する命令に署名していたと複数の米紙が伝えるが、カダフィに代わるイスラム原理主義の台頭を怖れている証左である。
リビアへの全面軍事介入を避け、指揮権を英仏などに譲ろうとしているところに、イラク、アフガンで手一杯の米国の限界、衰退をはっきりとみることができる。。
中東にイスラム原理主義が台頭したら米国には単独で対応する力はもう残されていない。
他のもう一つの要因が、同盟国の日本の地震、津波、原発事故による未曾有の混乱である。
いまだに原発を制御できない危機的な状況にある日本の復興には膨大な時間と資金が不可欠であり、自国の衰退を日本の協力で補強しようとした戦略は完全に破綻したとみるべきである。
これは一時的な現象ではない。
ソ連・東欧社会主義圏自壊で一人勝ちした米国が、リーマンショックに続く上記二つのネガテイブナ要因によって激しく地盤沈下を起こし、ポスト冷戦秩序が根本的に変動していることを示している。
米国にはもはや北朝鮮、中国と事を構える余力は残されておらず、対話でしか問題解決を図る道しか残されていない。
まさにそこに、今回の北朝鮮との非公式会談に応じた最大の理由がある。クリントン国務長官が対北人道支援まで口にし始めたのも偶然ではない。
抜け目のない北朝鮮は米国の足元を見透かしている。
韓国が一年前に砲撃戦があった延長坪海域で射撃演習を開始したにもかかわらず、北朝鮮が沈黙しているのはもはや脅威と感じていないことを物語る。
李明博政権も状況をそれなりに読んで、北への経済支援に前向きになりつつある。
だからといって、金正日政権が決定的に有利になったわけでもない。
安全保障問題が峠を越し、食糧不足など内政問題が重要な解決課題として浮上しているが、可視的な成果を依然として示すことができないでいる。また、相手に食糧支援を求めながらの対米外交にも自ずと限界がある。
米国に経済代表団を送り、市場経済を勉強しているが、改革・開放政策の速度が遅すぎる。
(新世紀人コメント)
さて、米国が震災・原発破壊で弱った日本から金を収奪するかどうかを見てゆこうではないか。火事場泥暴をやるかどうかをだ。
弱った日本を更に痛めつけるか? 又は原発被害の拡大阻止に止めるか? 注目の的としようではないか。
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