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今度の大震災は文字通り大震災であったけれど、それは同時にまた
この国の既存の政治がそれにまったく効果的に対応できなかった事を
国民に示してくれました。
この事は既存の政治を根底から変える最初で最後のチャンスでは
ないかと思うのです。
既存の政治が、これまでの発想を超えることなく、大きなビジョン
なく、予算の振り替えや国債発行、増税といった旧態依然とした手法で
復興事業を始めるとすれば、それは私にとって絶望です。
従来の発想を根底から変える方法で大震災の復興はなされなければ
なりません。
キーワードは自然との共生と若者と世界です。
この三つのキーワードによってもう一つの日本を東北から作り上げ
ていく。
私をそう思わせたのは、以下に掲げる愛川欽也氏のやりきれない
言葉でした。
3月31日の東京新聞「言いたい放談」から一部引用します。彼が
その執筆担当を終わる最終回で書いたものです。
「・・・僕は政権交代を求め、それが民主主義の国の形であると信じ
・・・この『言いたい放談』の中でも、いつもこだわって発言してきま
した。
2年前の選挙で政権交代が実現して民主党が与党になりました。鳩山
さんの最初の演説を聞いた時、自然に涙が出ました。
沖縄の基地はできれば海外、そうでなくても県外へ移設するという
素晴らしい発言でした・・・長い自公政権の時代にはこんな事を言う
総理大臣はいませんでした。
だが、鳩山さんは負けて総理を辞めました。菅さんが小沢さんに勝っ
て総理になり、これで政権交代は止まりました。
東日本大震災が起き、統一地方選挙が始まります。その結果がどうで
あれ、その先に総選挙が待っています。これからの日本の政治を誰が担う
ことになるのでしょうか・・・」
愛川さんの言葉はそこで終わっています。
終わっていますが彼の言いたいことは明らかです。
民主党も自民党も、それにかわる第三の党も、そしてそれらの政党の
再編がいくら繰り返されても、もはや政権交代を期待した時の高揚感は
再び起きる事はないだろう。自分が期待した政権交代は二度と起きない
だろう、というやるせない気持ちでしょう。
そしてそれは同時に政権交代を願った国民の多くが感じている事だと
思います。
愛川氏は最後にこう述べています。
「僕は、主宰する『劇団キンキン塾』を中心に演劇、映画を作って
いきます」
と。
これは政治からの撤退宣言のように聞こえます。
そして政治から撤退してもすることのある愛川氏のような人々は
それでいいと思います。
しかし皆が政治からあきらめたらこの国はどうなるのか。
政治家や官僚が支配し、その政治家や官僚との良好な関係を保つ大手
メディアや財界、有識者達の日本が固定化されます。
彼らはそれでいいかも知れない。
しかしもう一つの日本を望む国民にはそれを生きる権利がある。
そんなもう一つの日本もまた彼らと対等に認められなければならない。
それを誰かがつくらなければならない。
東北ルネッサンスという形でそれを実現してみたいのです。
その構想を引き下げて、動かして、それを目指す若者と、それに共鳴する
世界の人々に引き継いで行きたい。
その事について4月からのメルマガで書いていきたいと思います。
了
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