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2011年3月30日 (水)
震災のどさくさに紛れ政治を私物化する菅直人氏
東北関東大震災のどさくさに紛れて、政治の変質が生じている。
本来、菅直人氏はとっくに総理大臣の地位から引いていなければならない存在である。2010年7月の参院選は枝野幸男幹事長(当時)が明言したように、菅内閣に対する信任投票だった。この信任投票で、菅内閣は主権者国民から不信任の判定を受けた。この時点で菅内閣の正統性には明確に終止符が打たれている。
さらに、3月11日ころには、菅直人氏の政治資金規正法違反が明らかになった。適正な法手続きが取られるなら、菅直人氏は逮捕、起訴され、3年以下の禁固または50万円以下の罰金刑に処せられて、公民権がはく奪される状態にある。
刑法第38条の、故意でない場合は処罰しないとの規定が強調されているが、何度も会食し、一緒に釣りにも出かけていて、外資系金融機関の理事を務める人物が外国籍であったことを知らなかったとの弁明は通用しない。
菅直人氏は一秒でも早く総理大臣の座を退くことが主権者国民から求められている。
ところが、この局面で地震が発生した。被災地での人命救助が最優先の課題であり、被災者の生命と健康を守るための政府の責務は重大であり、このことに鑑みて、政治休戦が実施された。その結果として、暫定的に菅内閣の延命が認められたのである。
ところが、菅直人氏はこの経緯で、暫定的に政権を維持したにもかかわらず、この政治休戦を不正に利用する行動を示している。その行動の最大の問題は、民意の欠落=政治の私物化である。
三つの問題点を指摘しなければならない。
第一は、2009年8月総選挙で示された民意が、主権者国民の了解を取り付けることなく、勝手に無視され始めたことである。
子ども手当、高速道路無料化、農家の個別所得補償、高校授業料無償化などの施策は、総選挙で主権者国民の意思を問うとのプロセスを経て実行に移されている施策である。これらの施策を主権者国民の意思を確認することなく、勝手に菅直人氏が変更することは許されない。
第二は、国会の決定により内閣を退いた仙谷由人氏や馬淵澄夫氏が、このどさくさに紛れて内閣に復帰させられた。国会の意思決定を踏みにじる暴挙である。
第三は、最重要の施策である震災被害の復旧、復興に向けての予算措置がまったく進んでいないことである。菅直人氏や岡田克也氏は「コンクリートから人へ」を強調するが、それほど単純な話ではない。
各県に整備された空港など必要性は乏しいが、予算配分のメリハリを利かせて、明治三陸地震の際に発生した規模の津波への備えとして、東北地方太平洋岸に巨大な防潮堤を、万里の長城のように整備していれば、今回の被害は回避できたはずだ。
一概にコンクリートが悪いのではない。「良いコンクリートと悪いコンクリート」があることを認識する必要がある。国民の生命と生活を守るために、何が本当に必要なのかを真摯に考える姿勢が欠けていたのだ。
巨大な防潮堤を作ることを大資本は希望しない。日本の政治が大資本の力によって歪められていることが、根本的な問題だ。政・官・学・電が癒着して原子力発電を推進してきたのは、大資本が自己の利益のために原子力を推進してきたからだ。
政治がこの方向に誘導されたのは、企業献金が存在するからだ。いまの局面で法人税減税などあり得ない選択であるが、こんな時代錯誤の法人税減税が大手を振ってまかり通るのも、企業献金が認められているからだ。
政治は民のために存在するものだ。それが、企業献金の存在によって、民のためでなく大資本のための政治になってしまっている。
財政のあり方については、稿を改めて記述する。
いずれにせよ、震災に伴う政治休戦によって延命した菅政権の暴走を認めるわけにはいかない。ただひたすら、震災対応を講じればよいのだ。まず何よりも優先されなければならないことは、福島原発の現場を完全に掌握することだ。政府要人の誰一人として、福島原発の現場で指揮を執らず、65キロも離れた「現地」対策本部で遠吠えを発するだけでは、事態の解決は見込めない。福島原発の現場に対策本部を設けることが最低限必要である。
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