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原発事故発生直後から指摘されていた「菅首相の原発視察で初動が遅れ、事態が悪化した」という問題が、より詳細に報じられている。一方、菅政権はこの報道を否定しているが、誰でもわかる下手なウソであり、あまりにみっともない。
「経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の11日夜、東京電力福島第1原発事故に関して、3時間以内の『炉心溶融』を予測していたことが27日、分かった。(略)しかし菅直人首相は12日早朝、原子力安全委員会の班目春樹委員長と予定通り現地を視察。政府与党内からは、溶融の兆候が表れた非常時の視察敢行で、応急措置の実施を含めた政策決定に遅れが生じたとの見方も出ている。初動判断のミスで事態深刻化を招いた可能性があり、首相と班目氏の責任が問われそうだ。(略)
与党関係者は『首相の視察でベント実施の手続きが遅れた』と言明。政府当局者は『ベントで現場の首相を被ばくさせられない』との判断が働き、現場作業にも影響が出たとの見方を示した」(共同通信 )
「枝野幸男官房長官は28日午前の記者会見で、東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所の事故発生当初、被害拡大を防ぐため菅直人首相が東京電力に対し、放射性物質を含む気体を原子炉から抜く作業を速やかに行うよう指示したものの、東電側が直ちには対応しなかったと説明した。『将来検証が必要だ』とも語った。(略)
枝野長官によると、12日の首相の福島原発訪問は、炉の気体を抜いても安全性は確保できると判断し、実施を決めたという」(時事通信 )
おそらくこれから、菅政権と東電による醜い責任のなすりつけ合いが続くだろう。どちらにも責任があるのは明らかであり、特に菅首相と東電社長は、まったくリーダーシップを発揮できていないのだから、速やかに交代すべきだ。菅首相に至っては、リーダーシップを発揮しないどころか、現場の邪魔をしまくっており、これ以上首相を続けられると復旧・復興の妨げになるだけだ。
言うまでもないが、現場で命がけで頑張っている人たちに責任はない。菅政権を除くすべての日本国民は、被災地、原発で頑張る現場の人たちを一丸になって応援している。これはマネジメント側の問題である。「将来検証が必要だ」というのは、国民が言うべきセリフなのであって、当事者の菅政権が口にするセリフではない。
ところが、菅政権は下手なウソをついて責任逃れをしようとしている。枝野氏は、記者会見で明らかなウソをついたことになるのだから、これまで発表されたこと、これから発表されることについても、政権に都合の良いようにウソばかり含まれていると疑われることになる。今回の大震災で「ポスト菅」として名を上げた枝野氏だが、国民無視で政権延命だけが目的のウソをつくのはやめた方がいい。
誰の目にも明らかなウソなので、いちいち分析する必要もないかもしれないが、一応整理しておく。枝野氏は、視察前に菅首相がベントを指示していたと言っている。さらに、ベントをしても安全だから視察は可能だとも言っている。
しかし、ベントをすれば放射性物質が大気中に放出される。菅首相が本当にベントを指示したなら、視察は中止されたはずだ。あるいは、最低でも防護服を着た状態で視察をしたはずである。もっとも、首相が防護服を着ている絵は恐怖感を煽るので、視察自体を中止するのが自然だ。また、ベントが実施されていないのであれば、やるまで何度も指示をしているはずで、「俺が言ってもベントをしないなら、指示はいったんやめて、とりあえず視察でもするか」となるのはおかしい。
やはり、菅首相は当初、原発事故についてまったく理解しておらず、政治的パフォーマンスを優先したと考えるべきだろう。その結果、事態は悪化した。菅首相の目論見ではパフォーマンスによって「頼りになる菅さん」と賞賛されるはずが、逆に「現場を邪魔して、日本国民の団結心を政権延命に悪用した菅さん」という現実が明らかになってきた。
菅首相が「撤退はありえない」と東電を脅したのも、自分自身の犯した深刻なミスに気づいていたからではないか。菅政権としては、「東電=官僚的組織」とレッテルを貼り、事業仕分けの時のように、東電を叩いて政権を「正義」の側に置くつもりなのだろう。しかし、そんな茶番劇をしたところで、「俺のミスをカバーするために、現場の人間は命をかけろ!」と、われわれの指揮官が錯乱した事実は消せない。
菅政権の相変わらずの無能ぶりが明らかになるにつれて、ようやく野党からも、4月になったら退陣要求も考えるとの声が出てきているようだ。ただ、本来なら、昨年の尖閣事件の時点で菅政権を倒しておくべきだった。それを「仙谷下ろし」などという次元に矮小化して、菅政権を3月11日まで延命させてきた野党にも責任がある。「菅政権のまま解散総選挙をしてくれた方が勝てる」といった醜い計算をしているようなら、そんな野党は要らない。
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