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憲法前文1項に謳われているとおり、日本国民は国政についての最高の意志決定権を行使出来る主権者であり、憲法制定権を有する。国会・内閣・裁判所などの権能は、何れも国民の信託に係るものである。つまり、国民は国家の統治について最高の地位にあり、国家の全ての権能の源泉となる権能を保持するものである。日本国の主権者は、総理でもない、閣僚でもない、国会議員でもない、裁判官でもない、勿論天皇でもない、我々1人1人が主権者であることを忘れてはいけない。
よって、主権者である国民は、あらゆる機会を通じて、内閣であれ、国会であれ、裁判所であれ、片時も監視の目を緩めてはいけない。少しでも憲法違反の疑いがあるような行動を採った場合には、直ちに之を止めさせなくてはならない。これは国民の権利であると同時に義務である。権利と義務とは、表裏一体をなすものであるから、権利の行使だけでは駄目である。義務の履行を怠ってはならない。吾人は人権宣言に含まれる革命権の存在を忘れてはならない。議会中心の民主政治を理想的に運用していく根本は、国民の政治的自覚を高め、責任ある選挙によって議会の内容の向上を図り、正しい世論をもって議会政治を督励・鞭撻・制御していくほかにはない。
近年日本に於いては、特に20歳代の投票率の顕著な低下が見受けられるので、選挙の二面性について付言する。選挙人は、一面において選挙を通して、国政についての自己の意思を主張する機会を与えられると同時に、他面において選挙人団という機関を構成して、公務員の選定という公務に参加するものである。前者の意味では参政の権利を持ち、後者の意味では公務執行の義務を持つから、選挙には権利と義務の二面性がある。よって、選挙権を放棄する事は、民主政治の危機を招来するのみならず、法的には「公務執行の義務」の不履行になる事を、棄権者は改めて認識する必要がある。
更に付言すると、自分の意に副う候補者が居ない場合には、少しでもそれに近い候補者に投票する必要がある。投票率が75%を上回れば、必ずや日本の政治が活性化して、地球規模の民主化運動への進展を期待する事が出来る。真の民主主義国家を樹立して、その恵沢を確保する為には、憲法12条にも謳われているように、国民の不断の努力が必要である。棄権は亡国を意味する。
「世界から尊敬されるような真の民主主義国家・日本」は座して得られるものではない。祖国日本を愛する国民の、迸る情熱と命懸けの努力、があってこそ樹立出来るものであるという真理に、国民は目覚めなくてはいけない。日本国民の政治的な自覚・成長が強く求められる所以である。因みに日本における過去の投票率の推移から見て、今日の任意投票制の下では77%が限界であり、80%以上を期待するためには、正当な理由なくして棄権する者を処罰する、強制投票制を執る必要があるものと思料される。
http://www12.bb-west.ne.jp/matuoka/
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