http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/600.html
Tweet |
小沢一郎事件でつくづくと思い知らされたのが、この国の腐敗の構造であった。政・官・財に報道が加わっての小沢つぶしは、その足並みの揃い方で、彼ら既得権益擁護勢力の正体を私たちの目の前にあからさまに見せてくれた。しかしそれはまだまだ甘い認識であった。福島原発事故はさらにもう一つの汚い存在を浮かび上がらせている。いわゆる学者・専門家という存在である。
連日テレビでは福島第一原発を取り上げている。消防車で注水が始まれば問題はすぐにも解決すると解説する学者や専門家。次には、外部電源さえつなげばすぐに問題は収まると、したり顔で解説する連中。その間、事態は悪化する一方だが、相変わらずテレビからは、「心配ない」の大合唱しか聞こえてこない。
大気汚染も心配ない。
野菜の汚染も心配ない。
水道汚染も心配ない。
土壌汚染も心配ない。
海洋汚染も心配ない。
「直ちに人体に影響はない」政府・マスコミの宣伝を保証し裏付けているのが、いわゆる学者・専門家という連中である。不思議なのは、この放射能汚染に危機感や警報を鳴らす学者・専門家は、テレビ画面には一人も登場しない。放射能が検出された水道水について「この程度のレベルでは数回ミルクを飲ませても全く影響はない」と言っていた奴がいた。「数回」!乳児は少なくとも、1日4,5回ぐらいは飲むのではないか?
テレビはこんな学者や専門家ばかりを選んで出演させているのか?それとも、こんな奴しかいないのか!このテレビの共同歩調は小沢報道以上の見事さである。多分、原子力発電という部落共同体があり、学者もその共同体の構成要素なのであろう。内閣府に原子力安全委員会という組織がおかれている。委員は5人。国会同意人事である。
この5人のもとに約400人の学者・専門家が各専門ごとの部会に所属している。水も漏らさぬ布陣である。事務局は100人もの役人で構成されている。事故など起こるはずのない完璧な構成である。
原子力安全委員会
【専門審査会】
*原子炉安全専門審査会
*核燃料安全専門審査会
【専門部会等】 助言組織
*緊急技術助言組織
*原子力艦災害対策緊急技術助言組織
*武力攻撃原子力災害等対策緊急技術助言組織
専門部会
*原子力安全基準・指針専門部会
├ 火災防護対策分科会
├ 立地指針等検討小委員会
├ 燃料関連指針類検討小委員会
│ ├ トピカルレポートワーキンググループ
├ 体系化検討小委員会
└ 格納容器に係る安全審査指針類検討小委員会
*放射性廃棄物・廃止措置専門部会
└ ウラン廃棄物埋設検討小委員会
*放射線防護専門部会
├ 環境放射線モニタリング中央評価分科会
└ 原子力安全委員会の安全審査指針類における
放射線防護にかかる記載の考え方検討WG
*放射性物質安全輸送専門部会
*原子力事故・故障分析評価専門部会
*原子力安全研究専門部会
*原子力施設等防災専門部会
├ 被ばく医療分科会
└ 防災指針検討ワーキンググループ
特定の調査・検討組織
*耐震安全性評価特別委員会
├ 地震・地震動評価委員会
施設健全性評価委員会
├ 地震・地震動評価委員会及び施設健全性評価委員会(合同)
│ ├ ワーキング・グループ1
ワーキング・グループ2(第72回(3/15(火)))(※開催を延期しました。)
ワーキング・グループ3
│ └ ワーキング・グループ4
└ 地質・地盤に関する安全審査の手引き検討委員会
*試験研究炉耐震安全性検討委員会
*再処理施設安全調査プロジェクトチーム
*特定放射性廃棄物処分安全調査会
どう考えても事故など起こりようがないではないか。400人の学者・専門家。100人の役人。それらを統べる5人の超一流の学者先生。
第13回 原子力安全委員会速記録
平成 23 年2月28日( 月)午後2時〜内閣府742会議室
議 題(1)東北電力株式会社東通原子力発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更)について(答申)
(2)その他
配付資料(1−1)……(1−5)
まず班目委員長の挨拶があり、続いて議題に入る。そして委員の説明がある。
○久住委員 ご説明いたします。本申請の主な変更内容は……。審議の詳細につきましては事務局からお願いいたします。
この間、二分の一ページ足らず。ついで事務局の説明がある。
○説明者(日高審査指針課安全調査管理官) それでは、資料の第1−1号に基づきまして、技術的能力に関する調査指針結果について、ご説明いたします。……。以上でございます。
これがほぼ2ページ半。
○班目委員長 どうもありがとうございました。それでは本件につきまして久木田委員の方から何か補足等ございますでしょうか。
○久木田委員 特にございませんが、1箇所だけ記載の訂正をお願いしたいと思います。資料の第1−1号の一番最後のページ、4ページ目の下から3行目のところで、「申請者には」と書いてありますけれども、「申請者は」というふうに訂正した方がよろしいと思います。お願いします。
○班目委員長 どうもありがとうございました。他に何かございますでしょうか。それでは何か他の委員の方からご質問、ご意見等がありましたらお願いしたいと思いますが、何かございますでしょうか。よろしゅうございますね。それでは経済産業大臣あて答申することといたしたいと存じます。答申文案を用意してございます。資料1−4でございます。これを読み上げ、事務局の方からお願いいたします。
前もって答申文案ができていた。何なのだ、この会議は?
○説明者(日高審査指針課安全調査管理官) 原子力安全委員会委員長から経済産業大臣あての答申案、文案でございます。
○班目委員長 ありがとうございました。それではこの文案どおり答申したいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
本日他に審議する事項はございますでしょうか。
○水間総務課長 ございません。
○班目委員長 それでは、本日の会合はこれで終了させていただきたいと思います。大変ありがとうございました。午後 2時12分閉会
午後2時に始まって午後2時12分の終了である。12分間の非常に濃密な会議であった。
時間の節約からか、大臣に出す答申は事前にできあがっている。もちろん優秀な事務局の役人が作成している。実に合理的な運営である。説明はすべて役人が行い、5人の大先生方は十分に納得してお帰りになる。
経済産業省のもとには、原子力安全・保安院がおかれている。これまた数多くの専門部会が設置されている。二重・三重のチェックが行われているのである。しかもそれらの運営は、専門知識では学者先生以上の役人が当たっているのである。法律にはむやみと詳しい役人と、紙と鉛筆での計算では超一流の学者先生たちが、月に数回、12分にも及ぶ長時間の会議を開いて目を光らせている。
おまけに、優秀な役人がめちゃくちゃいっぱい天下っている電力業界である。彼らが厳正な監視を行っているはずである。事故など起こるわけはない。カネと票が欲しくて良心を売り渡すような政治家がいるわけはない。社会の木鐸たるマスコミが、少しばかりの広告費が欲しくて東京電力の提灯など持つはずもない。本当は、福島第一原発は事故など起こしてなくて、今日も正常に稼働しているのかもしれない。テレビに映る映像は夢か幻、それとも私の錯覚なのかもしれない。
http://yamame30.blog103.fc2.com/
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK110掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。