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http://diamond.jp/articles/-/11596
官邸、東電、経産省、記者クラブ、御用学者による「安全デマ」が、日本を滅ぼそうとしている。
「安心だ」「安全です」「ただちに影響を及ぼすことはありません」という根拠の薄い楽観論に拠って、国民を絶望の淵に連れて行こうとしている。
戦前の日本が、敗戦という最悪の事態に言及する「非国民」を次から次へと抹殺し、鬼畜米英の合言葉のもと、国家の暴走を始めたのがちょうど70年前である。
日本は再びその悪夢の道を歩もうとしているのか。
筆者に貼られたレッテルは
「デマを飛ばすインチキ記者」
震災発生以来、最悪の事態を想定して、各国政府の方針や海外メディアの論調をソースを明示しながら、その可能性に触れてきた筆者への評価は、「デマを飛ばすインチキ記者」という匿名の批判に集約される。
とくに、福島第一原子力発電所の事故について、「水素爆発」「人的被害」「80キロメートル圏外へ退避勧告」「農作物被害」「首都への放射能汚染」「メルトダウン」などの可能性に触れた途端、それは頂点に達した。
内閣官房を筆頭に政府からも批判され、大手メディアからは白眼視された。だが、結果はどうか。もはや何も言うことはない。
東電のスピンコントロールにまんまとはまり、「安全です」といい続けてきた政府の発表こそが、結果として「デマ」だったではないか。
3月11日の東北関東大地震発生以来、フリーランス記者は首相官邸で毎日開かれている官房長官会見から締め出されている。
笹川武内閣広報室長と西森昭夫内閣調査官が「上の指示」という理由で、ずっと排除してきているのだ。
彼ら官邸役人の上といえば、枝野幸男官房長官である。その枝野長官の会見に筆者が参加できたのは一回だけ。ようやく先月(2月)に始まった毎週金曜日午後の定例会見だけである。
3.11以来、フリー記者は締め出し
ようやく得た質問の機会に…
「枝野官房長官、寝ていらっしゃいますか?」
大震災発生以来ほとんど寝ていないという枝野長官を労う意味もあって、筆者はようやく得た質問の機会の冒頭にこう切り出した。
「現地において、本当に厳しい状態で、寒さに耐えて眠れないという方も少なからずいらっしゃるという状況です。あるいは、救援、救難活動に現場で努力をしていただいている自衛隊の皆さん、警察の皆さん、消防の皆さんはじめ、あるいは医療関係、不眠不休でやっていただいております。それだけではなくて、例えば、さまざまな行政機関の皆さんも不眠不休の努力を続けていただいております。私自身、もちろん政治家の役割責任はまさに判断をすることだと思っておりますので、その判断に悪影響を与えることは結果的に国民の皆さんにご迷惑をおかけすることだと、呆けない範囲で最大限やらせていただいている」(2012年3月18日/官房長官会見)
この前フリ後、筆者はどうしても聞きたかった質問を繰り出した。
上杉――この一週間、官邸に情報があがっていないんじゃないかという、あるいは誤情報をつかまされているんじゃないかという危惧があります。海外メディア、海外の政府もいろんな形で情報判断を行なっています。アメリカはじめ、イギリス、フランスなど多くの国が、福島第一原発の80キロ圏外への避難を指示している。ところが、日本政府は30キロです。この間の50キロをどうとらえればいいのか、当然ながら地域の住民の方は非常に不安に感じている。海外の政府が正しいければ、日本政府が対応を変更するか、逆に日本政府が正しいのだったら、海外の政府に対してデマを流すなと抗議するか、どちらかにしていただきたい。
海外諸国の多くは「80km」圏外へ
果たして官邸に情報は上がっていたのか?
筆者の質問に対して、枝野長官はこう答えた。
「原子力発電所からの退避指示の内容については、いくつかの国が日本におられる自国民に対する指示等の内容と政府が発表している内容が確かに異なっております。しかしながら、これまでも何度も申し上げてきているが、海外におられる自国民保護という観点からは一般的に求められている水準よりもより保守的な水準でさまざまなことを指示をするというのが、私はそれぞれの政府の当然の対応だと思っております。私が同じ立場に、つまり国外で同種の事態が生じて、日本国民の退避についてさまざまな判断をするに当たっては、科学的、客観的に適切だと思われるのを超えて、 さまざまな指示をすることは当然、政府の責任としてあり得ると思っております。そうしますとその中で、日本政府としては、今さまざまお話がありましたが 今、私どもが把握をしている専門家の意見を含めたデータの中で、適切と思われる退避に対する指示等を出させていただいている。そしてその数字の違いについては、アメリカ政府の中からも日本政府の判断は適切であるという趣旨のご発言も出ているというふうにも受けたまわっております」
果たしてそうか。またしても官邸には情報が上がっていないのでないか。なぜなら、この会見の直前、オバマ米大統領は、次のような米国の対応を決定していたからだ。
福島第一原発から80キロ圏外への退避勧告。
米国チャーター機で約100人を台湾へ退避させる。
外交官らの家族約600人に退避許可。
米軍人の家族2万人の国外退去を支援。
その情報を受けて、筆者は次のように尋ねた。
「日本もアメリカも正しい」
それでは答えになっていない
上杉――本日、オバマ米大統領は在日米国人に対して、福島第一原発の80キロ圏外に出るように指示を出しました。80キロは世界中の政府が最低限の基準としているものです。ということはオバマ大統領や他国の首脳が言っていることが間違いなのでしょうか。それとも日本だけが違うのですか?
枝野 「それは、わが国のまさにきちっと責任ある立場として、実際に得られているデータ、情報、専門家の分析に基づいて、日本政府としては国民の皆さんに対して、適切な判断として 今の指示をさせていただいております。しかしながら、他国のそれぞれの政府が外国による自国民保護の観点からさまざまな判断に基づいて、これと異なることをなさることは逆の場合、私は当然あると思っておりますので、あり得ることだと思っています」
まったく答えになっていない。いったい日本人だけが放射能に強いのだろうか。そこで、さらに次のような重ねた。
上杉――1週間前、枝野長官は3キロ圏外への退避と仰いました。それが次に10キロ、その次に20キロ、またその次に30キロと増やしていったんです。それが国際的に不信感を生む結果になり、住民も不安になっている原因ではないんですか。政治は結果責任です。このような形で不信を世界に広めていったことは、結果としてデマを広げたことと変わりません。間違えたら訂正するべきです。枝野長官、間違えたと今ここでおっしゃってください。
枝野 「私はそれぞれの事態の状況に応じて、その時点で必要とされる判断を専門家の皆さんの意見を踏まえて、政府として判断したものを伝えさせていただいております。この間、事態は変化をしてきている。それぞれの状況、現状を踏まえてその時点で、より事態が万が一悪くなることも想定しながら、その時点でとり得る策を指示しているのであって、状況が一週間前と同じであるならば、それは一週間前の判断が間違っていたということだと思いますが、今時点のたとえば、さまざまなデータ、それから現地の状況から考えて今、想定される事態の中では今の水準で退避をしていただきたい」
この会見から5日後の23日、退避圏外の40キロ地点の農地から、通常の1600倍にあたる放射能レベルの土壌汚染が確認された。
もはや隠蔽とごまかしは許されない。2011年、またしても「大本営」が繰り返されようとしている。
地震発生から、2週間が経とうとしている。すでに東京には放射性物質を含んだ雨が降り注いでいる。住民の、そして多くの日本人の不安は日々募っている。
官邸、東電、経産省、記者クラブ、御用学者による「安全デマ」は、ついに日本を滅ぼすようだ。
日本に祈りを――。
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