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大災害で露呈する人と組織の本性 PJ NEWS
http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/521.html
投稿者 gikou89 日時 2011 年 3 月 24 日 12:14:05: xbuVR8gI6Txyk
 

http://www.pjnews.net/news/269/20110322_1

大災害で露呈する人と組織の本性(上)

未曾有の災害となった東日本大震災。世界116カ国から支援の手が差しのべられた。日本人のたくましさや思いやりを海外メディアはこぞって賞賛する。有難いことだ。そのかたわら、福島原発の事故処理の手ぬるさと隠蔽体質への批判がここ数日にわかに高まってきた。

自然災害を英語で「Disaster」、原子力災害は「Nuke disaster」、生物災害は「Biohazard」、化学災害は「Chemical disaster」と表現する。この度の大震災はまぎれもなく「Natural Disaster」である。だが、この大震災を世界的に増幅させたのは、東電福島の「Nuke Disaster」、原子力災害である。ダブル災害なのである。

人災「Man‐made Disaster」といってはいい過ぎか。大震災発生後11日を過ぎた22日午後、東電の鼓紀男副社長は、設計上の安全対策が不十分だったという認識を示した。政府の原子力安全委員会の班目春樹委員長も、「原発設計の想定が悪かった」と認めた。遅い、遅すぎる。

そもそも「危険構造物」の管理者の立場にある菅政権のドタバタぶりと、政治主導で事を処理しようとする無様さは目を被うばかりだ。 新任の被災者支援担当は仙谷由人官房副長官というが、松本龍環境大臣は防災担当大臣兼務のはず。何のためのポストか疑問だ。屋上屋、一帯感がない。これでは災害対策の方向が定まるワケがない。

わずかな救いは、不眠不休で真摯な対応を見せる枝野幸男官房長官だ。「カナダの小説家ウィリアム・ギブスンがツイッター上で”Edano Sleep”と書き込んだ」と韓国の代表紙朝鮮日報は伝える。イギリスのテレグラフ紙は、人気ドラマシリーズの主人公ジャック・バウアーにたとえ、その活躍ぶりを報道している。

事故直後の15日、政府は東電との統合連絡本部を設置したが「遅きに失したのは明らかだ。水素爆発が起きた12日から、規制・監督の当事者、原子力安全・保安院では主導者不在から官邸、保安院、東電という三者の間で危機管理のタガが次第に外れていくのを感じた」というのは、日経ビジネスの小瀧麻里子記者である。

事故発生当初から、東電の清水正孝社長は姿を見せない、何故か。事故処理を警察・消防・自衛隊に依拠し、社長自身が陣頭指揮をしないのは何故か。「果敢に立ち向かう50名の勇者」は、東電の正社員か、そうではあるまい。

30数年前の秋、東電茨城管内で感電事故が起こった。笠間市のガソリンスタンドのサインポールの取替え作業中、孫受け業者が高圧線に近づき感電、墜落、死亡したのである。墜死した父親を救急車で見送った息子さんは、けなげにもその日の工事をすべて終えて通夜の席に座った。翌日から付近の電線すべてが黄色の被覆線に覆われた。予見できることに手を打たない。事故が発生すれば沈静化につとめる、これが東電の本性だ

大災害で露呈する人と組織の本性(下)
http://www.pjnews.net/news/269/20110322_3

【PJニュース 2011年3月24日】際立っているのは、危機意識の欠如した政府だ。大災害に際し統一感など一向に感じられない。菅内閣の主要閣僚の服装を見れば一目瞭然だ。総理、官房長官は揃いの青い作業服。他の閣僚は背広や省庁の作業衣。常日ごろ道化風の北澤俊美防衛大臣は、青い作業着、背広、自衛隊の迷彩服と着せ替え人形だ。緊張感に欠けている。菅政権にユニホームがないのだ。「unit」がないのは民主党の本質か。

震災早々、現地視察を敢行するなど、パフォーマンス以外のなにものでもない。数多い被災者、人手の足りない警察官や消防署員、ようやくたどり着いた自衛隊員…彼らのジャマになると考えないのか。

もっとも愚かな政治家は民主党員だけではない。阪神淡路大震災の直後、都内新橋のうなぎ屋の一室で「いやね、あの騒ぎでしょ。神戸直接ではムリなんで、大阪から船を出させましてね」と得意顔で視察風景を語ったのは、自民党の現職議員。首相候補と噂されたこの男、その程度の見識しか持ち合わせていなかったのだ。

数を頼んだ東電と原子力保安院の記者会見に比し、地震発生以来ただ一人で会見に臨んだのは、気象庁の横山博文地震津波監視課長だ。予報不徹底を批判する声もあったが、連日疲労しきった表情は痛々しかった。その一方、お粗末なのはテレ朝系「報道ステーション」の古舘伊知郎。山梨県の笛吹市を「ふえふき?うすい?」と混乱し、静岡県函南町を「はこなみまち」と呼ぶ始末。ニュースキャスター以前に、アナウンサーとしての基本ができていない。

「天罰」発言の石原慎太郎都知事。「消防庁隊員への恫喝」発言の海江田万里経済産業相。「震災は天の恵み」発言の長田義明大阪府議会議長。「節電に協力しろということでしょ」と不快感を示した倣岸不遜の巨人滝鼻卓雄オーナー。これが彼らの本音である。声を出す度、明らかになる本性。わたしは60年来の巨人フアンをやめた。ヨミウリの購読も断った。お上の声ではない。庶民の意見なのである。

不利と知ってか、沈黙を守る人もいる。退官直後に東電顧問に就任した経済産業省資源エネルギー庁の石田徹前長官。わが国エネルギー政策の第一人者で、原発推進論者の加納時男前参議院議員。地元の大災害に意見も言わず、報道されない民主党の小沢一郎元代表…大手メディアは知らないのか、聞かないのか。報道したくないのか。さらには「専門家」と称する人たちから「原子炉の構造」など、幾度聞いても仕方があるまい。視聴者は、問題の解決、対策、時期を知りたいのだ。メディアの質が今問われているのだ。

だが、わたしの近辺にはいい話題が多い。京都の若い友人は「1週間ほどかかるようですが、電池でも何でも送ります」と云ってくれた。「宮城や山形の方に申し訳ない」と丁重に断った。韓国忠北大学で教える友人の根本真嗣氏は「大学の教職員食堂に、地震被害の募金箱が設置された」と伝えてきた。仕事で知り合った和菓子屋の店主は「名物のどら焼き、売り上げ丸ごと寄付に当てます」とブログに書いた。消息不明の韓国青年ナム・ミョンヒョン君は「毎晩心配で眠れない」と深夜の電話があった。大学同窓の中国人ウエイ・ホンさんは「主人ともども日本に帰化し、子どもも元気」とわたしを喜ばせた。

政府や大企業に統一感はなくとも、日本人に一帯感が生まれた。とくに若者たちの動きと考えは素晴らしい。センバツの開会式で「私たちは16年前、阪神淡路大震災の時に生まれました。いま東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです」と選手宣誓した岡山創志学園の野山慎介主将。次世代を担う若者はすくすく育っている。  

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