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「立派な後継者が出てこなかった」〜石原都知事4選出馬の真相〜 - {BLOGOS編集部 - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース}
http://news.livedoor.com/article/detail/5433533/
"引退"から一転、4月10日投開票の東京都知事選に立候補を表明した、現・東京都知事の石原慎太郎氏の会見が自由報道協会の主催で原宿・ニコニコ本社にて開催された。
石原氏は、「150%(知事選に)出るつもりはなかったが、もろもろ考えて出ざるを得ないと判断した。都議会最終日の引退宣言を(3月)10日の未明に書き換えた」「ヨットレースの予定も、妻と長い旅行に出る予定もキャンセルした」と、ギリギリの判断だったことを示した。東日本大震災に対する政府の対応の悪さにも触れ、
「未曾有の国難に、命令系統が混乱しきっていて話にならない」
「官邸(会見)に外国のメディアを最初から入れていれば、海外からの支援ももっと増えた」
「蓮舫大臣も(会いに)やってきたが、話を理解しないまま帰って行った」
「現場の事がわかってない東京から原発の現場に無理な指示を出すなど論外な話だ」
「太平洋戦争末期の大本営に似てきた」
と次々に批判した。
また、都の予算を国が法人事業税の分割基準を一方的に変えて、年3600億円持っていっていることにも触れ、「この予算を取り返し、防災対策に使いたい」と財務省に注文をつけた。
記者との質疑応答
−消防隊員への激励の涙と天罰発言が矛盾していないか
あの放水はよくやってくれた、被曝して帰ってきた隊員にしみじみ良くやってくれたと思い、涙ぐんで挨拶した。天罰発言については、言葉だけを引き抜いてマスコミが使うのはフェアじゃないと思うが、確かに使うべき言葉ではなかった。被災者に申し訳ないと思い謝罪した。ただ、私が言いたかったのは、祖父の死を弔いもせず隠し続けて、年金を騙し取るなんていう奴が出る社会は世界に日本だけ。象だって仲間を弔う。日本人のアイデンティティは"我欲"になっていないか。これを恥じて反省すべきという意味で、天罰という言葉を使ってしまった。
−中央防波堤埋立地と新海面処分場の帰属をめぐって江東区と大田区が争っているが
最終的には都全体にとって有効な目的に使用すればよろしい。東京都内の土地は非常に高価。領地争いは双方の言い分を公平に聞いて判断する。
−築地市場豊洲移転について、今回の震災で豊洲が液状化を起こしている
埋立地は上に物が立っていなければ、ある程度の震度の地震が起きれば液状化は起きるもの。
−液状化が起きれば、地下から汚染水が上昇してくる。盛り土をしても有効ではないのでは。この再調査をするのか。そしてこの震災でビクともしなかった築地の再整備を考えることはないのか
築地を作り直すには非常に時間とお金がかかる。日本の土木工学を用いれば、下に何があろうが、汚染物質は除去できます。きちっとした基礎を作って、上に建物を作れば、液状化は起きません。調査はもちろんします。オープンにやります。隠したってしょうがない。
−これだけの大震災があり、人々の関心が災害にある今選挙をやると、新銀行東京などの批判をかわせるのではないでしょうか
銀行の経営は安定してきている。批判の対象にならない。今の経営陣はほかの銀行がやらないような努力を良くやっている。地震にかこつけて批判をそらそうというつもりは毛頭ない。
−では、多選の批判については
私は多選に反対だ、出るつもりは150%なかった。久しぶりにヨットレースにも出ようと思っていたし、妻と旅行に行こうとも思っていた。オープンカーでドライブしようとしていた。本当に後味は良くないが、立派な後継者が出てこなかった。実は、いい人がいて、口説いたんですが断られた。努力はしたんだが、自分が出るしかなかった。宿命かなと思う。
−築地市場移転・リスクのある豊洲移転にこだわる理由は?
今の築地は古すぎる、狭すぎる、危険、汚い。アスベストがたくさん使われている。震災で崩れたらえらいことになる。土壌汚染の対策にせよ、日本の土木技術は一番進んでいる。その技術を日本人が信じなくてどうする。一流の学者達に(土壌を)調べてらった。築地を残すことは国民、都の利益にはつながらない。
−青少年健全育成条例改正案の運用について、多くの優れた作品を生み出した"作家"石原慎太郎にはどう映っているのか、反対者の声を聞きながら条例を運用するつもりはあるのか
運用については、当然いろんな方の意見を聞いてやって行く。過剰なものにはしない。みなさんは規制の対象になる作品を見たことがありますか。小学生が先生と肉体関係を持って結婚、姉弟が近親相姦するような漫画はまともでない。ただ、私はそれを描くなといっているんじゃない、子供の目に触れないところに置いてほしいといっているだけ。表現の自由を制限するつもりはない。そういう本は大人が変態性欲を是とする人が買って読めばいい。諸外国ではこういった作品は絶対に公開されることはない。日本は寛容すぎると思う。それでも、禁じようというのではない、子供の目に触れないようにしようというだけ、理解してほしい。
−首都圏構想について具体的に何をやるのか、松沢神奈川県知事が立候補を降りる条件として受動喫煙防止条例などを引き継ぐ事としていたが、それはOKしたということでいいのか。
そうです。分煙はWHO(世界保健機関)が決めたこと。松沢さんの言っていることは悪くない。分煙はして行かなければいけないこと。今まで首都圏連合として、排気ガス規制などもやってきた。これからも一緒にやることはたくさんある。首都圏は日本の核。広域行政は国が好まない。なぜ国は排ガス規制をやらないのか。これからも首都圏連合でやって行く。
−知事は"我欲"と言いましたが、後継者がいないといって出馬するのは我欲では?
我欲を言えばヨットレースに出たいし、長い旅行に行きたいし、好きな車を乗り回したい。それを(出馬することによって)ふさがれてしまっている(笑)
−全国連合の危機管理システムを作らないのか、日本版FEMA(フェデラル・エマージェンシー・マネージメント・エージェンシー Federal Emergency Management Agency 「アメリカ連邦緊急事態管理庁 」)のような形は考えているか
9.11米国テロのとき、(私は)ワシントンにいた。あの時FEMAは非常に役に立っていた。帰ってきて、当時の小泉首相に作ったらどうだと話したが、「いらない」と言ったので、首都圏だけで作った。いちいち内閣の危機管理室を通していたのでは役に立たない。本当は全国で作るべき。
−震災の影響で節電が叫ばれているが、夜8時まで選挙活動をするのか
そうしようとは思わない。私は現職の知事なので、やらなければいけないことがたくさんある。福島にはずいぶん借りがある。やれることを考えなければいけないし、他の候補者のようにはいかないが、それは仕方ない。天命だよ。
"石原節"全開の会見となったが、「いい人を口説き切れなかった」「後継者がいなかったから仕方なく出馬した」と言うのでは、担ぎ出された現職の神奈川県知事、松沢成文氏がさすがに不憫に思えてくる。自らの4選出馬を"天命""宿命"と言いながらも、そんな頼りない後継者を候補者として一度擁立した事を忘れてはいけない。
そして、会見の最後に石原氏はこう切り出した。
「みなさん、いい知恵があったら貸してよほんとに。日本人は捨てたものじゃないとみんな思うでしょ。でも当たり前なんだよ。この緊急事態に。ただ、(講演でこれから行く)西日本ではお祭りやっている。世の中そんなもんだ、それはしょうがないよ。しかしね、戦争中の日本なんて、北朝鮮よりひどかった。天皇を本気で神様だと思っていた。それから開放されたんだ。国があり、民族があり、私たちにはこの国しかないんだから、肩寄せ合って、スクラム組みなおして行くかということを考えないと、この国は本当にに持たないと思う」
石原氏の日本を憂う気持ちは都民に届くのか―
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