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2011.3.21（その１）
森田実の言わねばならぬ【209】(森田実の時代を斬る)
平和・自立・調和の日本をつくるために [209]
《今日の論点》政府の大震災対策にもの申す（その４）大震災を乗り越えるには、与党も野党も、政治家も官僚も、官も民も、みんなで力を合わせなければならない／日蓮上人の教えに学ぼう
「異体同心なれば万事を生じ、同体異心なれば諸事叶う事なし」(日蓮)
上記の言葉は、「多くの人々が心を一つにすればどんなことでも成し遂げることができよう。しかし、何人いても心がばらばらでは何事も成し遂げることはできない」という意味である。
いま未曾有の国難に直面している。これを乗り切るには、日蓮上人の教えに従って、心を一つにするしか道はないのだ。
菅首相と岡田幹事長にもの申す。
何でもかでも民主党だけでやりたいという子どもじみた考えは捨てなければならない。
大震災によって傷ついた人々を救済し、傷ついた国土を復興させるためには、民主党の力だけでは不可能だ。第一に、全国民の力を結集しなければならない。このためには、思想、信条、党派を超えて広く人材を求め、総結集しなければならぬ。菅首相と岡田幹事長とその側近たちは広い心を持たなければならない。私自身、自らの非力を顧みることなく、複数の民主党幹部に協力を申し込んだが、まともに相手にされず、軽く聞き流されてしまった。「お呼びでない」という感じだった。民主党幹部からは「これは政権をとっているわれわれ民主党の仕事だ。まかせておいてもらいたい」との態度が感じられた。私自身、何の力もないことを十分に知っているが、民主党幹部の態度は傲慢が過ぎているいう感じがした。傲慢病がまだ治っていないのだ。国民の心を一つにするためには、政権党がまず謙虚、虚心にならなければならない。
菅首相らが改心することを前提に、具体的に提言したい。昨日も述べたが、第一は、輿石民主党参院会長提案(「防災相は野党から」)を実行することだ。自民党には防災の大専門家が数人いる。指導力、組織力、機動力をあわせもった大幹部もいる。これらの人々の中から防災相を、三顧の礼をもって迎えるべきである。自民党も党を挙げて協力するであろう。菅首相は谷垣総裁や大島副総裁に入閣を申し込んだというニュースが流れているが、菅首相が本心から謙虚にならない限り、実現性は薄いと思う。初めから大連立を申し込んでも、受け入れられることはない。菅首相は、せっかくの協力の機会を自ら壊そうとしている。
第二は、有能な科学者、技術者を総結集し、原発事故の解決にあたるべきだ。この際、政府として明確な方針を決定すべきである。私案だが、脱原発の方針を決定することだ。東京電力福島原子力発電所は永久に閉じる。原子炉はすべて完全に封印し、再び放射能事故を起こさないようにコンクリートで厳重に固めて地下深く埋める方針を決定すること。さらに、これから30年かけて原子力発電を計画的に廃止し、他の発電手段に切り替え、30年後には全廃するとの方針を決定すること。
第三は、事務次官会議を復活し、数十万人の国会公務員の力を総結集することだ。すべての公務員が意欲的に働くことができるような環境をつくることである。政治主導の名での公務員バッシングはやめることだ。菅政権の高圧的命令的なやり方で官僚を動かすのは無理である。
第四は、すべての経済団体と産業、企業に国難打開のための協力を求めることだ。必要な物資の供給を求める。「自分さえよければ主義」「もうけさえすればよい主義」の経営方針をやめて、国民のための経営を行うように誘導することである。
繰り返す。これを行うためには、菅政権と民主党の幹部が、傲慢を捨て去り、謙虚になり、民主党以外の人々に深く頭を下げる必要がある。菅政権の延命のための「協力要請」には、誰も乗らないと思う。国民的な協力体制を実現するためには、菅首相が自らを捨てる覚悟を示さなければならない。最良の道は、菅首相と岡田幹事長のダブル辞任である。そうなれば、「野党からの防災相起用」はもちろん、大連立も可能になるだろう。
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