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官邸、再び仙谷主導 独断「仕切り」危ぶむ声も
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110322/plc11032200210000-n1.htm
2011.3.22 00:19 :産経新聞
東日本大震災の発生を機に、被災者支援担当の官房副長官として再び首相官邸入りした民主党のナンバー2、党代表代行の仙谷由人氏の存在感が増している。逆に「弟分」の枝野幸男官房長官は政府・与党間の仕切り役を仙谷氏に譲り、今では主な任務が官房長官記者会見で、さながら「内閣広報担当」だ。ただ、「自衛隊は暴力装置」などたび重なる暴言と失言で、わずか2カ月前に官房長官のポストを追われた仙谷氏だけに、心配もつきまとう。
「食料品(搬送)の流通ルートが途絶えているところがあるので、早急に手当てをしようと話した」
21日、首相官邸で記者団にこう語った片山善博総務相が、被災地への食料品輸送について相談した相手は仙谷氏だった。官房長官時代は「陰の総理」と呼ばれた仙谷氏は今、枝野氏を差しおいて「裏の官房長官」として振る舞っている。
仙谷氏は着任早々、被災地の復興対策を中・長期的な視点で検討し、独自の被災地再建ビジョンをまとめるための私的チームを設置した。メンバーは古川元久前官房副長官、長島昭久元防衛政務官、吉良州司元外務政務官、松井孝治元官房副長官の4人で、民主党の中堅・若手の精鋭だ。
20日には、首相官邸に生活支援にかかわる各省庁事務次官を呼び、「被災者支援を進める上で、目詰まりを起こしているところがあれば、こちらで責任を持つので言ってほしい」と呼びかけた。
仙谷氏は政府の「緊急災害対策本部」(本部長・菅直人首相)の下に設けられた「被災者生活支援特別対策本部」(本部長・松本龍防災担当相)の本部長代理も務め、関係省庁の調整を担っている。
「仙谷氏のように官僚ににらみを利かせ、押しが強い人でなければこの国難は乗り切れない」
官邸筋はこう話す。仙谷氏は「官僚はうまく使いこなさないといけない」が持論で、首相よりも官僚受けがいい。事実、官房長官を退いた後も、議員会館の事務所には官僚が「仙谷詣で」する姿が見られた。
官房長官時代の仙谷氏に頼り切りだった首相や枝野氏にとって、仙谷氏の復帰は心強いかもしれない。ただ、アクの強い仙谷氏の言動は野党やメディアとの軋轢(あつれき)を生みやすく、もろ刃の剣でもある。
また、仙谷氏は中国漁船衝突事件では、海上保安庁が公開準備を進めていた衝突映像の公開にストップをかけた“前歴”がある。インターネット上では東電福島第1原発事故と絡めて「仙谷氏は隠蔽(いんぺい)担当相なのではないか」との疑問も飛び交っており、独断専行に陥りがちな仙谷氏の「仕切り」を危ぶむ声も出始めている。(村上智博)
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