http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/415.html
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000034-maip-soci
東京電力福島第1原発周辺で、14メートル以上の津波が押し寄せた可能性があることを21日、経済産業省原子力安全・保安院が明らかにした。設計時に想定した津波の高さの3倍近い。東電と保安院は、津波が原発の安全の根幹にかかわる原子炉の冷却機能を喪失させ、今回の事故につながったとみており、他の原発でも再検証が求められるのは必至だ。
【写真特集】3月11日 東日本大震災発生当日
保安院は同日午後の会見で、「津波の高さは一番高い所で(水が)触れたものを見れば分かる。未確認だが、14メートルの高さの駐車場を超えていると聞いた」と説明した。東電が同原発で設計時に想定した津波の高さは約5メートル。津波は浅い海岸付近に来ると波の高さが急激に高くなる特徴があるほか、連続して押し寄せるため、沿岸に到達した津波の高さ以上まで駆け上がる。
今回、同原発では、3号機を襲った東西方向の揺れの強さが507ガル(ガルは加速度の単位)と、保安院が耐震安全の基準値として認めた数値の1・15倍だったのを除き、揺れはおおむね基準値を下回った。しかし、敷地内にある原発に送電するための鉄塔が倒壊。さらに津波の影響で、原子炉を冷やすための緊急炉心冷却装置(ECCS)を駆動する非常用電源が6号機を除いて使えなくなり、外部からの受電設備も水没して事態を悪化させたとみられる。
東電は今回の事故を、設計時の想定を超えて炉心の損傷につながるような「過酷事故(シビアアクシデント)」と認めている。保安院によると、東電は複数の対策シナリオを国の指示で02年に作成したが、津波による被害は考慮されていなかった。国の「原子力白書」でもシビアアクシデント発生の可能性について「工学的には考えられないほど低い」などとしていた。【八田浩輔、山田大輔】
「地震を表す尺度と被害の大きさ」
地震を表す尺度には、地震の規模を表す「マグニチュード」と、揺れの大きさを表す「ガル」、そして「震度」があります。
マグニチュード(M). マグニチュードとは、地震により放出された地震のエネルギーの大きさを表す単位(M)です。この値は地震毎に定まるものであり、観測場所によって値が変わることはありません。
ガル(1gal=1cm/sec2). ガルとは、地震による地盤や建物等の揺れの大きさを表す加速度の単位(cm/sec2)で、建物等にどの程度の力が加わるかを示しています。
震度. 震度とは、観測点における地震の揺れの強さを簡単に表す尺度で、人間が揺れを感じる程度や家屋の揺れ方、被害の程度等を考慮して決定され、0(無感)から7(激震)までの10階級に分けられます。気象庁は全国の600地点で震度を観測しています。
http://www.tepco.co.jp/nu/knowledge/quake/index-j.html
「東京電力の地震対策」
地震対策 日本は、世界でも有数の地震国といわれています。それだけに原子力発電所の地震に対する安全性については、十分に高いものであることが要求されます。
現在、わが国の原子力発電所は考えられるどのような地震が起きたときでも、設備が壊れて放射性物質が周辺環境に放出される事態に至ることのないよう、土木、建築、機械、地質、地震学など、幅広い分野の技術をもとに、厳重な耐震設計が行われています。
建設予定地周辺を徹底的に調査しています。. 原子力発電所の建設の際には、事前に徹底した地質調査を行い、発電所の敷地を含む周辺の地質・地質構造、活断層および、過去に発生した地震等を確認・評価しています。
原子力発電所の建物や機器・配管などは、歴史上の地震や活断層の詳細な調査結果に基づき、周辺地域でこれ以上の規模では起こり得ないような大きな地震や直下型地震を想定し、これに耐えられる設備とするため、耐震上の重要度に応じてS・B・Cの3つのクラスに分けて設計しています。
また、原子力発電所の耐震設計で発電所の敷地に想定する地震動(地震の揺れ)は、強度に応じて基準地震動Ssとして定義されています。基準地震動Ssは、プレート境界で発生する地震や内陸の活断層により発生する地震など、あらかじめ敷地周辺で具体的に想定される震源による地震動(敷地ごとに震源を特定して策定する地震動)を評価した上で、敷地近傍において特定の震源によらず念のために想定するものとして、震源と活断層を関連付けることが困難な過去の地震について得られた観測記録等をもとに想定する地震動(震源を特定せずに策定する地震動)を併せて評価し、策定しています。
Sクラスの設備は、基準地震動Ssによる地震力、さらに建築基準法で定められた3倍の規模の地震力に対しても、十分に安全であるように設計することで、原子力発電の「止める」「冷やす」「閉じ込める」という安全機能を維持しています。
(津波への対策)
原子力発電所では、敷地周辺で過去に発生した津波の記録を十分調査するとともに、過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じています。
以上が、東京電力がホームページに載せている地震対策です。
これに対して、津波の規模について下記の歴史があります。
明治三陸大津波 [編集]大津波の第一波は、地震発生から約30分後の午後8時2分に記録されている。到達した範囲は北海道から宮城県にわたった。
波高は、北海道の襟裳岬では4m、青森県三戸郡八戸町近辺(現・八戸市)で3m、宮城県牡鹿郡女川村(現・女川町)で3.1mであったが、岩手県の三陸海岸では下閉伊郡田老村(現・宮古市)で14.6m、同郡船越村(現・山田町)で10.5m、同郡重茂村(現・宮古市)で18.9m、上閉伊郡釜石町(現・釜石市)で8.2m、気仙郡吉浜村(現・大船渡市)で22.4m、同郡綾里村(同)で21.9mと軒並み10mを超える高さを記録している。
特に綾里湾の奥では入り組んだ谷状の部分を遡上して、日本の本州で観測された津波では最も高い波高38.2mを記録した[2]。
チリ地震津波でも、5.0mを超える地域が観測されている。
世界では100mを超える津波が観測されているというのに、5.0mとは如何なものか。
また原発の耐震設計の基準は建築基準法とは別に算定されており、前述の様に、S、B、Cの3段階に分けられています。
水平地震力は、地震層せん断力係数Ci に、次に示す施設の
重要度分類に応じた係数を乗じ、さらに当該層以上の重量を乗
じて算定するものとする。
Sクラス 3.0(倍)
Bクラス 1.5(倍)
Cクラス 1.0(倍)
ところが、最初に紹介した記事の中に下記のようなものがあります。
「今回、同原発では、3号機を襲った東西方向の揺れの強さが507ガル(ガルは加速度の単位)と、保安院が耐震安全の基準値として認めた数値の1・15倍だったのを除き、揺れはおおむね基準値を下回った。」
これは原発の耐震設計に用いる際の想定震度を450ガルとしていたことになります。
次に一般的な建物に対して建築基準法に規定されている耐震基準は
震度5では建物の構造は一部の破壊が見られても相対的に安全であること。
震度6では、構造的な破壊があっても倒壊までには至らないこと。
となっています。
そこで問題になるのが、震度表示とガルとの関係です。(一部を抜粋します)
震度の階級:地震と加速度の目安 階級 説明 相当加速度
震度4 家屋の揺れは相当激しく花瓶などは倒れ多くの人は戸外に飛び出す。 25〜80ガル
震度5 壁に亀裂が走り、煙突/石垣等が破損する程度。
多くの人が強い恐怖を感じ、行動の支障を感じる。
棚においてある物、食器、本、TVが落ちたり、家具が倒れたりする。
耐震性の低い家屋は壁、柱に破損を生ずる。
中程度の地震:普通は震度5でも80〜100ガルが多い 80〜250ガル
震度6 家屋の倒壊は30%以下で多くの人は立っていることができない。
固定していない重い家具が殆ど移動、転倒する。
耐震性の低い家屋は倒壊する。
極めて大きい地震(300〜400ガル)の表現が該当
関東大震災:震度6 300〜400ガル 250〜400ガル
震度7 家屋の倒壊は30%以上で山崩れ/地割れ/断層を生ずる。
耐震性の高い建物でも傾いたり、大きな破壊を受ける。
自分の意思では行動できないほど揺れる。
阪神淡路大震災:震度7 600〜800ガル 400ガル以上
これでお解かりと思いますが、原発の耐震設計で450ガルを想定して構造計算すること自体が間違っているのです。
ちなみに阪神淡路大震災でも、極一部では1000ガルを超えていました。
今回も震度7を記録した内陸部では2000ガルクラスの揺れがあったと報告されています。
最初の記事が、今回の地震で受けた福島原発の耐震設計が想定外であったことを言い、止むを得ない状況であるということを証明するために捏造されたものと考えるか、
本当にそんなあやふやな耐震基準で原発を作ってきたのか。いづれにしても許せないことであります。
我々にとっては、原子力行政のありようの方が「想定外」であったということです。
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