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茨城県は20日、福島県境の北茨城市で18日採取したホウレンソウから、食品衛生法上の暫定規制値の12倍に相当する、1キロあたり2万4千ベクレルの放射性ヨウ素131を検出したと発表した。放射性セシウムも暫定規制値を超える同690ベクレルを検出した。栃木県でも宇都宮市など4市町のホウレンソウから暫定規制値の最大約2・8倍の放射性ヨウ素や、規制値の1・6倍にあたる放射性セシウムが検出された。
栃木県は20日、農業団体に対し、出荷品の自主回収と今後の出荷自粛を要請した。そこで今日は、放射性物質と放射能について解説する。“放射性物質”と“放射線”の区別は、非常に大切。放射性物質は放射線の発生源。生物に害を与えるのは放射線。
“放射能”とは放射性物質が放射線を発生する能力のこと。原発の大事故が起こると、大量の放射性物質が微粒子になって大気中に流れ出す。そもそも、沸騰型原子炉は核分裂をゆるやかに制御しながらその熱を水蒸気として取り出しタービンを回し発電するものであり、核分裂生成物を取り出すものではない。そんなこと世界の常識である。だから五重の壁と云われる安全神話があった。
五重の壁とは、第1の壁はペレット。第2はペレットを密封した燃料棒(被覆管)。第3は原子炉圧力容器。第4は原子炉格納容器。第5が一番外側の建物の壁。この五つを「五重の壁」と云う。核分裂生成物を撒き散らせば、その責任は周辺住民のみならず国際的にも極めて重篤である。
被覆管はジルコニウムで出来ているが、通常は冷却材(純水)で冷却されている。しかし冷却材が何らかの要因で失われ、燃料棒が露出すると水蒸気とジルコニウムが反応し水素を放出する。この際、ジルコニウムが変質し脆くなり、高熱になるとその中の燃料が溶融し、核分裂生成物が放出される。核分裂生成物のうち象徴的な物質はセシウム137(とヨウ素)である。セシウム137は、セシウムの放射性同位体で、主に核分裂により生成する。
現在環境中に存在しているセシウム137などの多くは、1940年代〜1960年代の核実験や核事故で放出された核分裂生成物であり、人工物である。即ち、本来なら被覆管の中に収められているはずの核分裂生成物が、明らかに燃料棒の被覆管損傷等により外部に放出されたことは確実と云うことになる。
セシウム137は「原子力発電所などでウランの核分裂に際して副産物として」生じる。この放射性同位体の形から安定同位体に戻る過程で、ガンマ線という非常に波長の短い電磁波を放射する。ガンマ線を遮蔽できるのは、コンクリートと鋼鉄、鉛のみである。セシウムは非常に「反応しやすい」金属なので、屋根材やコンクリートや土壌と容易に結合する。
人体に取り込まれやすく土壌粒子と結合しやすいため農作物を通して体内被ばくの原因ともなる。核実験等の結果生じる「死の灰」の一つ。米スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故後も大気中から検出された。ひとたび汚染された物質から、放射性セシウムを除去することは不可能に近い。当時チェルノブイリ原発事故を調査していた国際原子力機関は、「ロシアの人々は何年にもわたってセシウムの除去を試みたが、結局諦めてしまった。」と結論している。
そのような下、放射性セシウム体内除去剤が密かに緊急輸入されていた。2011年3月15日日本メジフィジックスが放射性セシウム体内除去剤1000瓶を製造供給元の独ハイル社から緊急輸入したことが分かった。「関係当局からの要請を受けたもので、今後、東日本大震災の被災地に輸送され、国主導で患者に無償提供される」という。
整理すれば、例えば原子炉事故の場合、よくテレビなどで云われている、放射能は距離の二乗に反比例して低くなるとの説明は、誤解を招き、正しくは“放射性物質”が放射線を出し、その“放射性物質”が原子炉事故で生じることにより外気に水蒸気などとともに上空に放出され、それが風に流されて、最終的に雨や雪などのかたちで地上に降下し、その“放射性物質”が農作物などに取り込まれ、人体に摂取されるのが放射能汚染なのである。
チェルノブイリ原発事故後の調査で、事故炉心から200キロも300キロも離れた場所で、相当濃度の“放射性物質”が検出されており、それは自然界の風や雨の降下地点と関係している。これは、事実に基づく報告である。なお『セシウム137は、自然界に存在しない物質』であり、そのような物質が安全であると誰が云えよう。
福島第一原発事故は、チェルノブイリ原発事故とは原因が異なりスリーマイル島に似ているが、それでもベントすれば“放射性物質”が大気中に放出されることは確実である。その原因が、燃料棒の被覆管損傷レベルなのか、燃料溶融レベルなのかは今後の事故調査によるが、いずれにしろ核分裂生成物が放出されたことは事実であり、政府は重篤な責任を免れないだろう。
原子力災害対策特別措置法第十七条
原子力災害対策本部の長は、原子力災害対策本部長とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 原子力災害対策本部長は、原子力災害対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
今般の原子力事故に係る責任者は菅直人総理である。小紙は、本件事故は地震・津波と云う自然災害ではないとの見解であり、今後、原子力災害対策本部長たる菅直人内閣総理大臣の責任を追及する所存である。 以上
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