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日刊ゲンダイ2011年3月18日掲載
2011年3月21日10時00分
ドサクサに紛れた消費税増税は許されない
東日本大震災で日本列島の半分がメタメタにやられてしまった。被災者は数十万人に上るというし、安否がいまだに不明という人も少なくない。まずは人命救助が最優先となるだろうが、同時に進めていかなければならないのは、復興への歩みである。電気や水道、ガスといったライフラインはもちろん、道路、橋、港湾、病院といったインフラの再整備も必要だ。
阪神・淡路大震災では、直接の被害額が9.6兆円に上った。それに対して国は、3回の補正予算などで5兆円の事業費を投じている。東日本の太平洋沿岸が軒並み被害に遭ったことを考えれば、今回はその何倍もの費用を用意しなければならないだろう。
一部では、震災国債を発行し日銀に引き受けさせるプランが浮上している。先のG8外相会議では、先進各国が国債を買い受けて日本を支援するという話も出たそうだ。しかし、日銀による直接引き受けは、いくら非常時でも避けるべきだ。国債と引き換えるために通貨を刷るのは麻薬と同じ。どんどん増発すれば歯止めが利かなくなり、最終的に通貨や経済に対する信認が失われる。禁じ手はやはり見送るのが妥当だろう。
諸外国に引き受けてもらうのも、調整に時間が掛かりそうだ。やはり、国民全員に負担をお願いする「特別税」の方式がベストになるのではないか。自民党の谷垣総裁は、消費税率を1%引き上げて2兆5000億円を調達するプランを明かしていた。
さすがに悪知恵がしっかり働く。震災特別税に反対する国民はすくないだろう。そのため、1%どころか、2%や5%のアップも許容範囲となるかもしれない。一気の増税が可能になりそうなのだ。だが、特別税は特別税だ。あくまで一時的な措置であり、簡単に普通の消費税に移行できないような仕組みを設けておくべきである。ドサクサに紛れて、十分な議論もないまま恒久増税に踏み切れば、ムダも利権も温存されてしまう。喜ぶのは役人だけだ。
いまは民主党の真価が問われるときだ。菅首相はパフォーマンスを優先し、肝心の対応は現場主導、現場任せにしているとしか思えない。物流は滞り、救援物資は届かず、県や市、町は悲鳴を上げている。首相がやるべきは、東電を怒鳴りつけることではない。復興の青写真を示すことだ。被災地全体の具体的な再建の手順を明らかにすることだ。そうすれば住民の心も少しは落ち着いてくるのではないか。
みんなが「民主党で良かった」と思えるリーダーシップを発揮してもらいたい。
【高橋乗宣】
(日刊ゲンダイ2011年3月18日掲載)
[ 2011年3月21日10時00分 ]
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