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菅首相は本気で「救国大連立」を実現したいなら、自らは身を引いて谷垣氏に首相の座を譲ったらどうか 「でんき予報」をなぜやらないの? { 高橋洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス [講談社]}
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2293
東北関東大震災による影響はまだまだ収まらない。福島原発では、政権に対し海外メディアから情報開示が不十分との指摘がでてくる中、現場では自衛隊、消防庁等が必死の活動をしている。
かつて日本軍は兵士や下士官は一流だが将校は三流といわれた。それは今でも同じだ。被災地の現場の活躍は一流で感動モノだが、東京永田町・霞ヶ関ではとんだ三流政治芝居が行われている。
3月19日の午後、菅直人首相は谷垣禎一自民党総裁に電話し、副総理兼防災担当大臣での入閣を要請した。これに対し、谷垣総裁は断ったのである。
これを、菅首相が挙国一致内閣への協力を求めたのに谷垣総裁が袖にしたと考えるべきでない。そもそも、たとえ戦時下であろうと大政翼賛会のようなものは基本的に好ましくない。谷垣総裁がいうように野党として建設的に協力すればいいだけだ。
そもそも谷垣総裁は、財務省に洗脳され、震災時でも増税を指向している。同じく財務省にいいなりの菅首相との連立では、震災復興という名の下で増税大連立となってしまう。それが回避できただけも、よしとしよう。
ないより菅首相が本気で国家の危機を乗り越えようと大連立を考えていたのか、は疑わしい。もし本当に菅政権が救国大連立を実現したいのであれば、かつて自社大連立が村山富市社会党党首をかついだように、菅首相が身を引き、谷垣自民党総裁を首相におせばよかったのである。これなら谷垣氏も拒否できまい。
要するに、菅総理は救国を本気で考えておらず、自己の保身や責任逃れに使っているのが透けて見えてしまった。
増税大連立こそ実現しなかったが、菅・谷垣は、ともに増税指向であり、震災復興の財源としての増税を念頭においている。それへの対抗策として、先週の本コラムで「復興国債の日銀直接引受」を紹介したが、多くの方から賛同をいただいた。
これに対し、与謝野馨経済財政相は、日銀直接引受について「法的にできない」とコメントしているが、間違いだ。現に、財政法5条ただし書きに基づく日銀直接引受は毎年行われている。ちなみに、来年度の予算でも予算総則で記載されていて、財政法5条但し書き「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない」の中の「特別な事由」として、「国会の議決」を受けている。
そもそも、政治が「法的にできない」という言い方をするときには、官僚の言いなりである。必要な政策を法的にできるようにするのが政治家の仕事だからだ。是非国会でしっかり議論してもらいたい。
ふるさと納税を活用しよう
いずれにしても、こうしたこの国のトップの情けない様を見せつけられると、政府に頼らずに、国民として自分で何ができるかを考えざるをえない。
ボランティアとして現地で働きたい人もいるだろう。ただ、すべての人が従事できるわけでない。となると、義援金を送りおカネの形で支援することになるだろう。
援助団体経由で義援金を送るのもいいだろう。ただ、ときたまトラブルも聞こえてくる。そこで、そうしたトラブルのない「ふるさと納税」を紹介したい。
この制度は安倍晋三政権の時に菅義偉総務大臣の発案で私も設立の際に深く関わったものだ。いずれかの自治体に寄付すると、払っている住民税の1割までを税額控除する(詳しくはこちら)。いってみれば、住民税の1割までについて、自らで使う先を決められるのだ。
ふるさと納税は自分の出身地へすると誤解されているが、どこでの自治体でもできるの。だから被災地の自治体を選べばいい。被災地に納税すれば、震災のために使うことになる。
しかも、サラリーマンでも、確定申告を行えば税額控除なので、義援金のかなりの部分が還付金で戻ってくる。他の義援金では所得控除しかうけられず還付額も少ない。これは、ふるさと納税だけのメリットだ。
ふるさと納税が誤解されているのは、財務省等の役人の反対を押し切って作ったので、財務省等の役人の情報だけで記事を書くマスコミが正確に書かなかったためだ。
ちょっと余談だが、財務省の反対理由は、「地方税は居住地の地域サービスを受ける対価なので、住んでいない地域に税金を送る制度はおかしい」とか、「寄付は自己犠牲という崇高な理念なので税額控除を認めるのはおかしい」だった。
前者については「地方財政のうち地方税より国からの補助金や交付金が多い」から理由にならない。後者は「中央官庁は国民のカネも税金で巻き上げ自分たちの権限で使って当たり前と考えているだけだ。しかも、カネを使う段階で、自らの天下り先を使ったりしてムダ使いしている」と反論できる。
それでも、財務省は頑強に反対し、結果として税額控除の対象は地方税の住民税だけになった。
前回のコラムで書いたが、はたして今回の震災で住民税控除額の引き上げや控除対象を住民税から所得・法人税に拡大することができるかどうか、政権の実力が問われている。増税指向と義援金税額控除の発想はまったく正反対であるので、復興支援に対する方向性をみる上でも、リトマス試験紙になるだろう。
蓮舫さん、「でんき予報」をすぐに始めましょう
最後に、国民が今でもできることを書こう。それには、政府がほんの少し工夫すればいい。
今首都圏では計画停電によって、大きな混乱が生じている。これは、かつて行われていた電力需要の予想を発表する「でんき予報」を復活させることによって、かなり改善する。
海江田万里経産大臣が急に記者会見をして節電を国民に訴えるより、「でんき予報」でいつも総需要予想と最大供給量を流してくれたほうが、節電効果があるのではないか。
今であれば、テレビ画面の周辺部分に、原発、停電、満潮、交通などの情報欄が設けられている。そこにリアルタイムで電力需給状況を加えることは可能だろう。
情報を政府がもって、急に政府が号令をかけるより、情報を国民に知らせて、国民の合理的な行動を促す方が、国民も納得できていいだろう。
なぜ私が「でんき予報」をいうかといえば、計画停電にかえ、電気料金に税を上乗せして調整しようとする動きがあるからだ。電力量により電力料金で調整するほういいという、経済学からみると一見最もらしい理屈だ。しかし、これは増税指向グループのものだ。
その提言が間抜けなのは、需要期に電力料金を高くして需要をコントロールしようと思えば、電力会社が電力料金を変えれればいい話だからだ。わざわざ政府が税をかける必要はない。震災のどさくさ紛れで増税とは何とせこい。スマートメーターで、ピークの電力量などを落とす仕組みでもいえばいいものを。
こうした筋悪の増税話を消すためにも、私と同じく現代ビジネスの連載執筆者である蓮舫節電相には、「でんき予報」はすぐにも実現してもらいたい。
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