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「日本一新運動」の原点(46)── 巨大震災と原発災害に想う
巨大震災の翌日、達増拓也岩手県知事からの電話で、「この悲劇は神話の世界にある惨状だ」と聞かされた。何故、純粋で共生の精神を生かして暮らしてきた東北の人々に、わが国の有史以来最大の悲劇が降り掛かるのか、この世には、神も仏も無いものかとの思いに駆られた。
この大惨事の中で、被災地や被災者を救援するため、自治体、関係団体に住民が加わって、被災者ともども共に生きようと必死になって活動している報道映像を見た世界中の人々から、これら人間愛に賞讃の声が寄せられている。東北で発生した歴史的悲劇が、「弱肉強食のハゲタカ資本主義」の反省を促し、新しい人類の在り方を示す教訓・思想となる可能性を感じることで、怒りに狂いそうになる自分の気持ちを落ち着かせている。
また、福島第一原発の震災・津波による原発施設損傷による放射能防御という未曽有の被災に対して、東電職員・自衛隊・警視庁機動隊・消防庁レスキュー隊など現場の人々が、文字どおり、生命を懸けて対応している事態に心から敬意を表したい。
原発問題の解決は世界が恐怖の中で注目しており、人類の将来が掛かっている。国際的不安の中で、さまざまな妨害的デマに悩まされての作業が続いている。最悪の事態にならないことを祈る。
■極限に至った民主党の劣化
3月17日(木)午後2時29分、私の手元に一通のファックスが届いた。
"民主党本部から節電や募金呼掛けの用ののぼりやチラシ、ポスター、リストバンドを送ってくるとの連絡あり、本部は狂っているとしか思えない。そんなことをするおカネと労力があるなら、もっとすべきことがあるはずだ。高知県連からは強い抗議の申し入れをした。"
これは、民主党高知県連・大石宗幹事長のツイッターからの発信である。また、18日(金)午前6時50分に放映されたテレビ朝日のニューヨーク特派員は、「米国では、日本政府が外部からのアドバイスを受け入れなくなっていると報道されている」とのこと。これらの指摘が、菅民主党政権の統治能力、ことに、ダメージコントロールの問題点を突いている。
政権の中で、懸命の活動を続けている政務三役を始め、政府職員にはひとしく敬意を表するが、菅首相や岡田幹事長ら政治指導者の国家危機に対する基本認識を反省してもらわないと、これからの国家の存立にかかわることになるので敢えて言わせてもらう。16日(水)から「各党・政府震災対策合同会議」が発足した。自民・みんな・共産・社民・新党改革の5党が参加している。野党各党は原発被災に対して強い不安を示しているが、政府の説明は「安全で問題ない」の繰り返しで、「きちんと説明しろ」と不満を募らせたとのこと。
この最中、民主党の有志から、非常事態に対する政治活動のシュミレーションについて意見を求められた。私の体験を参考にして何回かアドバイスをしたが、まったく民主党のコンセンサスとなっていない。
17日(木)の政府・与党連絡会議で、ようやく輿石参議院議員会長が「野党に協力を求め、各党党首クラスを菅内閣の緊急災害対策本部に加えて欲しい」との提案をした。ところが岡田幹事長は「各党・政府震災対策合同会議の仕組みがある。民主党の対応が遅いとはいわれていない」旨、主張したとのこと。こんな発想では未曽有の巨大震災と原発被災への適切な対応が出来るはずがない。まして巨大震災の救済や復興を、選挙などの政治に利用するようでは、民主党が非常事態の足を引っ張り、人命を無にしているといえる。
■菅首相は原子力を本当に知っているのか?
菅首相は16日(火)夕刻、官邸を訪ねた内閣府特別顧問の笹森清元連合会長に「ボクはものすごく原子力に強いんだ」と、東工大応用物理学卒の経歴を誇るように言ったという報道があった。私はこれを聞いて、よくも言えたものだと驚き、平成19年7月の参議院通常選挙のことを思い出した。当時、私は民主党高知県連代表を務めていた。東電のプルトニュウム汚染物を高知県東洋町に埋める話があり、反対運動をやっていた。民主党高知県連は、エネルギー対策の中長期構想として、「プルトニュウムという核兵器になり、有害物質を発生させる現在のウラニュウム原発政策を順次変更すべきだ。そのため、プルトニュウムを焼却でき、かつより安全性が高い"トリウム溶融塩原子炉"(ja.wikipedia参照)の研究開発を復活すべきである」ということをまとめた。この趣旨を参議院選挙のマニフェストに入れてはどうかと、私は当時の小沢代表に進言した。小沢代表は「それは良い考えだ。私から菅代表代行や鳩山幹事長にいうと上から命令する感じになるので、君から二人によく説明して、是非マニフェストにいれるようにして欲しい」と応じてくれた。
早速、菅代表代行に会って、小沢代表の意向を踏まえて説明したところ、実に素っ気なく、「文科系の君から原子力の話を聞いても仕方がない」という不遜な態度であった。驚いたのは「トリウム溶融塩炉による原子力発電なんか知らない」という言葉であった。この人は政治家として、ウラニュウムによる原子力発電の危険性について認識していない。これ以上、民主党内でこの説明をしても無駄だと思い、鳩山幹事長には説明することをやめた。
東電出身の笹森氏は記者団に「(首相は)原子力について政府の中で一番知っていると思っているんじゃないか」と、皮肉交じりに語ったという。この菅首相の驕りが、12日(土)早朝の自衛隊ヘリによる福島第一原発事故現場に行くという暴挙につながり、爆発防止の現場で結果的に初動作業の邪魔をすることになる。
同日の与野党党首会談で、「危機的状況にならない」と、菅首相が断言するのを待つかのように1号機で水素爆発が発生し、原子炉建屋が崩壊した。15日(火)早朝の東電本社での恫喝行動といい、官邸での「東電の馬鹿野郎」との怒鳴り散らし発言といい、福島第一原発をめぐる菅首相の判断ミスには際限がないのでこの程度にしておくが、この初動の遅れが、禍根となったことだけは明記しておきたい。
■非常事態だ!、挙党・挙国体制をつくれ
3月14日(月)の、「メルマガ・日本一新」緊急増刊号で、私と戸田顧問の連名で、"○東日本巨大震災に対して、国会は、「国家非常事態宣言」を行い、小沢一郎を活用して党派を超え、国家を挙げて、救済復興に全力を尽くすべきである"を発信した。並行して、衆参両院議長に、国民の代表である国会議員へ、国家の存立にかかわる非常事態である認識を共有するよう促したが、未だにその動きがない。
ごくわずかな友人である国会議員から、衆議院事務局時代に私が災害対策や危機管理の仕事をしていた関係で相談があった。
私はまず、平成9年6月に朝鮮半島で紛争が始まろうとした時、当時官房長官であった梶山静六氏から極秘に要請があり、野党新進党の立場ではあったが、当時の小沢党首と相談して「朝鮮半島での有事発生に対する政治の取り組みについて」という提言を作成したことがあり、これを参考にと友人に渡した。友人たちは民主党のなかでこれを活かそうと幹部を突き上げたが執行部は無視した。
17日(木)になると民主党を支援する有識者や市民たちから、私に「小沢一郎を党に復帰させ、救援・復興のために日本再生の中核に据えるべきだ」との声が殺到した。中には具体的な対応の構想をつくれという友人たちもいて、「東日本大震災及び福島第一原発問題に対する政治の取り組みについて」というメモを作成して配布した。
友人の国会議員や菅首相に近い有識者にも、このメモは届いていると思う。
その要点は、
1)まず、民主党の挙党体制をつくれ。そのため歴代民主党代表を菅首相が招き、協力を要請すること。特に党員資格を停止している小沢氏を回復させること。政府与党が挙党体制をつくれなくて、何が出来るか。
2)各党・政府震災対策合同会議なんていう半端な組織ではなく、「国家非常事態総合対策本部」を設置し、与野党指導者・内閣・国会をを一体化した組織とし、この非常事態を「国家安全保障問題」として捉え、すべての対策を統合すること。同時に、具体的に有機的分担を組織化すること。
3)総合対策本部の役割は、(イ)非常緊急事態への諸準備、国際的協力の要請 (ロ)被災者の救援・復興、原発問題の解決、復興院設置の準備 (ハ)国民への協力支援などの要請、パニック防止対策 (ニ)救援復興の財源確保、日本経済再生構想の作成 (ホ)その他、とすること。
要するに、国民の生命と日本国存立のため、憲法の真の原理を生かすには、既存の制度や前例にとらわれない大胆な政治を断行すべきであるということだ。
これが「日本一新の会」の願いである。
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投稿者: 平野貞夫 日時: 2011年3月19日 19:19 | パーマリンク
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